インフラエンジニアと開発エンジニアはどっちがいいの?働き方を迷っている人必見!

目次
エンジニア職は大きく分けて「インフラエンジニア」と「開発エンジニア」の2つがあります。
どちらもIT業界に欠かせない存在ですが、仕事内容や求められるスキル、働き方にはそれぞれ特徴があります。
結論からいえば、インフラと開発のどちらが優れているというものではありません。
大切なのは、自分の興味や志向、そして目指したいキャリアなど、スタイルに合っているかどうかです。
この記事では、インフラエンジニアと開発エンジニアの違いや、やりがいを比較しながら、どちらの道が向いているのかを詳しく解説していきます。
自分に合った働き方を見つけ、エンジニアとして充実したキャリアを築くための参考にしてください。
インフラエンジニアと開発エンジニアの仕事内容
インフラエンジニアと開発エンジニアは仕事内容が異なり、それぞれさらに細かい種類があります。
ここからは、インフラエンジニアと開発エンジニアの仕事内容を分かりやすく解説します。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラとは、電気や水道、ガス、道路や鉄道など、私たちの生活に欠かすことのできない設備や施設のことを指しますが、ITの分野でも同様です。
必要な情報を扱うために必要なコンピュータを始めとする機材やソフトウェア、ネットワークなどをITインフラと呼びます。
つまり、インフラエンジニアは、システムやソフトウェアの基盤となるITインフラに関わる業務を担当するエンジニアということです。
インフラエンジニアは、さらに大きく以下の5つの種類に分けることができます。
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
- クラウドエンジニア
それぞれのエンジニアの仕事内容は共通する部分も多いため、1つの分野に絞るとしても、どの分野に関する知識も持っておくと、活躍の場が広がるといえます。
具体的な仕事内容としては、ITインフラの設計や構築、さらにそれらがスムーズに動くように運用や保守などを行うことが一般的です。
開発エンジニアの仕事内容
開発エンジニアは、様々なシステムを開発するエンジニアで、クライアントの要望をもとに必要な仕様を決め、プログラムを設計します。
インフラエンジニアと同様、開発エンジニアもさらに大きく以下の7つの種類に分けることができます。
- システムエンジニア
- アプリケーションエンジニア
- プログラマー
- 組み込み系エンジニア
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)
- AIエンジニア
ただし、それぞれのエンジニアで仕事内容が異なるものの、線引きが曖昧な場合もあります。
システム開発では、要件定義から設計、製造、試験といった流れで業務が進んで行きますが、開発エンジニアは要件定義から設計という上流工程を担うことが多いでしょう。
加えて、進捗や人員、予算などの管理も行うことがあります。
インフラエンジニアと開発エンジニアの平均年収
インフラエンジニアと開発エンジニアの平均年収は、はっきりとした差は見られません。
どの企業に属するか、開発エンジニアの場合は何を開発するかによっても異なります。
エンジニアの職種と年収の目安は以下です。
- システム開発/運用:489万円
- セキュリティエンジニア:477万円
- サーバーエンジニア:464万円
- 制御系ソフトウェア開発:453万円
参照:doda「年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」
また、インフラエンジニアも開発エンジニアもスキルレベルや担当する案件などによって年収は変動します。
フリーランスとして活躍する場合は、受注する案件によっては高収入を得られることも珍しくありません。
そのため、経験を積んでスキルを磨いていけば、年収アップも十分に狙えるでしょう。
エンジニアの年収の目安については、以下の記事で詳しく解説していますので、以下をご覧ください。
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インフラエンジニアと開発エンジニアの将来性

引用:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」
上記の調査結果からも分かるように、IT人材は慢性的な不足状態が続いています。
需要は高いものの、人材供給が追いついておらず、多くの企業でエンジニアが不足している状況です。
また、IT市場の拡大も見込まれるため、インフラエンジニアと開発エンジニアの将来性はどちらも人手不足で需要が高く、将来性があるといえます。
インフラエンジニアの将来性
IT化は進んでいるものの、自社が求めるスキルを持っているエンジニアを見つけることが難しく、多くの企業で開発エンジニアの需要が高まっています。
また、IT技術は日々進化しており、新たな技術を使いこなせる人材が必要な状態です。
さらに、DX推進などの背景もあり、IT業界にとどまらず多くの業界でITを活用することが求められています。
セキュリティ対策をはじめとして、様々な専門スキルを必要とするため、ITの専門家である開発エンジニアは業界問わず需要が高まっています。
加えて、近年では多くの企業においてクラウドサービスが普及しているため、クラウドインフラに関するスキルがあるエンジニアは、特に将来性が高いでしょう。
開発エンジニアの将来性
近年はモバイルアプリやWebシステムなどの開発を担当するエンジニアの需要が高まっており、今後もそれらに関する案件は増えることが予想されます。
AIやIoT、クラウドサービスやデータサイエンスなどの需要が高まるため、開発エンジニアの将来性は高いでしょう。
特に最新の知識を有しているエンジニアは重宝されます。
ただし、開発エンジニアは企業のプロジェクトに対する予算によって業務内容が左右されやすいため、インフラエンジニアと比較すると景気の影響を受けやすいです。
インフラエンジニアと開発エンジニアに必要なスキル
インフラエンジニアはネットワークなどのITインフラに関するスキル、開発エンジニアはシステム開発に関するスキルを中心に身に付けましょう。
また、どちらのエンジニアでも、技術面に加えてヒューマンスキルも必要となるため、ヒューマンスキルを意識的に身に付ける姿勢が欠かせません。
ヒューマンスキルが高いと、クライアントの要望をより詳細に引き出せたり、各種調整がスムーズになるなどのメリットがあります。
インフラエンジニアに必要なスキル
インフラエンジニアには以下のスキルが必要です。
- ネットワークやサーバーに関するスキル
- クラウドに関するスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
インフラエンジニアには、幅広い知識や技術が求められます。
また、企業や案件によっても求められるものは違うため、様々な学習を積んでおくことがおすすめです。
例えばサーバーエンジニアの場合、OSのMac OSやWindows、UNIXやLinuxなどの知識、さらにセキュリティに関する知識もあると重宝されます。
開発エンジニアに必要なスキル
開発エンジニアに特に必要とされるスキルは次の通りです。
- プログラミング言語
- OS・ネットワーク・データベースなどの基礎知識
- コミュニケーション能力
- マネジメントスキル
何を開発するかによっても必要な知識が異なりますが、開発全般の基礎知識は必ず身に付けておく必要があります。
さらに、クライアントの要望を正確に汲み取ったり、プログラマーに正確に指示をする能力も求められます。
日頃から話を聞き取る集中力や、物事の伝え方など、コミュニケーションの取り方を意識することで、これらのスキルを高められるでしょう。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
未経験からインフラエンジニアを目指すなら資格取得がおすすめ
インフラエンジニアは、開発エンジニアと比較すると、未経験の段階から働きやすいです。
それは、インフラエンジニアが不足しているため、未経験でも企業が社内で研修制度を提供することで、人員を確保しようというケースがあるためです。
とはいえ、インフラエンジニアを未経験から目指すのであれば、少しでもインフラエンジニアに関連する知識やスキルがある方が就職には有利といえます。
そこでおすすめしたいのが、資格の取得です。
具体的には、以下の資格が未経験向けです。
・ITパスポート
・基本情報処理技術者
・シスコ技術者認定CCNA
・Linux技術者認定LinuCレベル1
資格取得は客観的な知識やスキルの証明になるだけではなく、実践に役立つ知識やスキルも身に付けることができるため、是非積極的に取得することをおすすめします。
インフラエンジニアと開発エンジニアのやりがい
インフラエンジニアと開発エンジニアは、どちらもIT業界において欠かせない職種ですが、仕事内容ややりがいの感じ方には明確な違いがあります。
「どちらの職種を選ぶべきか迷っている」
「自分に合った働き方を見つけたい」
このような方にとって、それぞれのやりがいや向いている人の特徴は、キャリア選びの大切な判断材料です。
ここでは、インフラエンジニアと開発エンジニアのやりがい・仕事の魅力・適性について詳しく解説します。
自分はどんな価値観や働き方にやりがいを感じるのかを見つめ直し、将来につながる最適なキャリアパスを見つけるヒントにしてください。
インフラエンジニアのやりがい
インフラエンジニアは、ITインフラの設計・構築・運用を担う、縁の下の力持ち的な存在です。
アプリやサービスのように直接ユーザーの目に触れることは少ないですが、企業のシステムを安定して稼働させるうえで欠かせない、重要な役割を果たしています。
そんなインフラエンジニアの仕事には、次のようなやりがいがあります。
- システムの根幹に関わる仕事を担当できる
- 規模の大きな仕事に携われる
- クライアントとの信頼関係を築ける
- 幅広いスキルを身に付けられる
- 長期的かつ安定したキャリアプランを形成できる
「表に立つより、裏で支えることに価値を感じる」
「インフラの専門性を磨いて、将来につながるキャリアを築きたい」
このような方は、インフラエンジニアは魅力的な選択肢といえるでしょう。
インフラエンジニアのやりがいについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
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開発エンジニアのやりがい
開発エンジニアは、自らの技術力やアイデアを活かして、サービスやアプリケーションを実際に開発・リリースする職種です。
自分の手で価値あるものを世の中に届けられることに、やりがいを感じる人は多いです。
特に、次のような魅力が挙げられます。
- 新しい技術に触れる機会が多く、成長できる
- 多様な業界やサービスに携われる
- 開発したものが実際に世の中で使われる
- ユーザーの声に直接触れる機会があり、達成感を得られる
- チームで作り上げるため、喜びを分かち合える
最新技術のキャッチアップや、仲間と協力しながら行うものづくりを通じて、継続的にスキルを高めていけるのも、開発エンジニアならではの魅力です。
「成長し続けたい」「チームで力を合わせて成果を出したい」と考える人にとって、やりがいのある仕事といえるでしょう。
インフラエンジニアと開発エンジニアはどっちがいいの?

インフラエンジニアと開発エンジニアは、どちらも将来性があり、年収に大きな開きもないことから、どちらを選択すべきか迷ってしまう人も少なくないでしょう。
そこで、ここからは解説してきたそれぞれの特徴を踏まえ、インフラエンジニアと開発エンジニアに向いている人の特徴を解説します。
インフラエンジニアにおすすめの人
以下の特徴に当てはまる人はインフラエンジニアがおすすめです。
- 勉強が苦にならない
- 機械を触るのが好き
- 集中力がある
インフラエンジニアは業務をするうえで様々な機器を扱います。
中には長時間1つの業務に向き合う作業があるため、根気強く集中できる人が向いています。
また、変化の速いIT業界では、常に最新の知識を持ってクライアントの要望に応えることが求められるため、積極的に学習を積み重ねる必要もあります。
業務外の時間でも、新しい情報が得られるようにアンテナを張ることが苦痛でない人は、インフラエンジニアを目指してみましょう。
開発エンジニアにおすすめの人
以下の特徴に当てはまる人は開発エンジニアがおすすめです。
- 勉強し続けるのが苦にならない
- コツコツと作業をするのが得意
- 物事に柔軟に対応できる
自分で学習する必要がある点はインフラエンジニアと共通しています。
開発エンジニアは急なトラブルや修正対応などに追われることもあるため、常に冷静に、柔軟に対応できる人が向いています。
特に大きな規模の開発では、ボリュームの大きな作業を長時間こなすため、臨機応変な対応をしながらも、コツコツと自分の作業を進めていく力が必要です。
例えば、1日中プログラミングをしていても苦痛にならないといった人は、開発エンジニアに向いている可能性が高いでしょう。
「インフラと開発、どっちがいいの?」と迷ったらSESもおすすめ
インフラエンジニアと開発エンジニアは同じITエンジニアですが、ここまでご紹介してきた通り、様々な違いがあります。
どちらが自分に合っているのか決められない人は、まずはSESエンジニアを選ぶ方法がおすすめです。
SESとは、System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称で、IT業界における業務形態の1つです。
自社のエンジニアだけではプロジェクトを進めることが難しいときにSES企業を利用することで、SESエンジニアの技術力や労働力を借りることができるという仕組みです。
つまり、SESエンジニアは、多くの場合プロジェクトや契約期間ごとに客先に常駐して働くエンジニアのことを意味します。
SESであれば様々な案件を経験しながら、自分がどのエンジニアに向いているのかを考えることができます。
経験の少ないエンジニアでも就職しやすいため「得意分野が定まっていない」「どの分野が向いているのか分からない」という人にはぴったりの働き方といえるでしょう。
SESについては以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてください。
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インフラ・開発エンジニアに関してよくある質問
インフラエンジニアや開発エンジニアとしてキャリアを考えるなかで「女性でもなれるの?」「フリーランスとして働ける?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。
この章では、そんな疑問に対して、実際のデータや具体的なキャリアパスを交えて回答します。
女性エンジニアの現状や、フリーランスとして働くためのステップなど、将来の働き方を考えるうえで役立つ情報を網羅しています。
性別や働き方にとらわれず、自分らしいキャリアを築いていくためのヒントを得たい方は、ぜひ参考にしてください。
Q1.女性でもエンジニアになれるの?
女性でもエンジニアとして活躍することは可能です。
実際に「2024年版情報サービス産業基本統計調査」によると、ITエンジニアに占める女性の割合は21.0%。
ここ数年で20%を超える水準が続いており、徐々に増加傾向にあります。
ただし、業界全体では依然として男性が多数を占めており、女性エンジニアはまだ少ないのが現状です。
それでも、今後もIT人材の需要は高まり続けると見られており、性別に関係なく活躍できる場は広がっていくでしょう。
最近では、リモートワークの普及や柔軟な働き方を導入する企業も増えており、女性にとって働きやすい環境が少しずつ整いつつあります。
就職先の選び方次第で、自分に合ったスタイルでキャリアを築いていくこともできるでしょう。
女性エンジニアについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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Q2.フリーランスエンジニアという選択肢はあるの?
結論として、フリーランスエンジニアという働き方は、十分に実現可能です。
自分のスキルに合った案件を受注しながら、働く時間や場所も柔軟に調整できるため、自由度の高い働き方ができます。
ただし、収入が不安定になりやすいことや、住宅ローンの審査などで社会的信用を得にくいといったデメリットがあるのも事実です。
「自由で稼げる」といったイメージだけで判断せず、自分のライフスタイルや将来設計に合っているかどうかを冷静に見極めましょう。
また、まずはSES企業などで実務経験を積み、技術力や人脈を着実に育てたうえでフリーランスに転向するというキャリアパスもおすすめです。
いきなり独立するよりも、リスクを抑えながら安定した土台を築くことができ、長期的に成功しやすくなります。
フリーランスエンジニアについては以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
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まとめ
インフラエンジニアは、ビジネスだけでなく私たちの生活を支えるIT基盤を扱う仕事です。
一方、開発エンジニアはビジネスや生活に必要なシステムを開発する仕事であり、どちらもITを活用していくうえでなくてはならない仕事です。
そのため、インフラエンジニアと開発エンジニアのどちらも、今後も需要は高いと考えられます。
ただし、それぞれ必要なスキルや向いている人のタイプなどは異なるため、自分にはどちらが合うのか、どちらが向いているのかを考えてみましょう。
弊社ESESはSES企業の1つ。
先ほども紹介したように、SESである弊社は様々な企業から幅広い分野の案件を取り扱っているため、様々な経験を積むことができます。
キャリアアップのサポートも行っているため、最終的にどちらが良いかを考えるお手伝いをすることも可能です。
まずはSESエンジニアとして働き、スキルや経験を積みながら、納得できるキャリアを進んでみませんか?

監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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年収をアップさせる方法とは?
引用:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」
上記のグラフは、厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」内の「ITスキル別にみた転職後の厚生と転職後の賃金変化」です。
現在ITやデジタル系の職種として働く人のうち、ITスキルレベルによって転職経験者の割合が大きく変わることはありません。
しかし、転職後5年以内でみると、ITスキルレベルが高くなるほど賃金は上昇しています。
つまり、ITスキルレベルがアップした場合、自分のスキルレベルに合わせて、より高いレベルが求められる職場に転職することで収入アップが目指せるといえます。
IT人材は常に不足している状態であり、企業がITスキルレベルの高い人であれば高年収でも確保したいと考えることは当然とも考えられるのです。