SESの満足度を上げる単価評価制度とは?メリットとデメリットを理解しよう

目次
社会人にとって、給料に関する悩みはつきもの。
もちろんそれは、エンジニアも例外ではありません。
時には「給料・報酬が不透明で納得できない」「スキルに見合った給料・報酬を得られていないように感じる」といった不満を抱えることもあるでしょう。
そんなエンジニアにおすすめしたいのが、単価評価制度を採用しているSES企業です。
単価評価制度を採用しているSES企業では、クライアントから提示された単価が事前にエンジニアへ公開されるため、報酬の透明性が高く、金額に納得してから働けるのです。
この記事では、SES事業を行っている弊社ESESが実際に感じた内容を元に、単価評価制度の実態を解説します。
ITエンジニアの方で、報酬に納得して働きたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
SESにおける単価評価制度とは
従来のSES企業では「評価や報酬が不透明で、納得できない」という声も少なくありませんでした。
そうした課題を解決するために導入されたのが「単価評価制度」です。
この制度の基本的な仕組みや導入背景から、なぜエンジニアから評価されているのかを解説します。
仕組み
単価評価制度とは、クライアントから提示された単価を基準にして、エンジニアの月給や賞与、昇給額が決まる仕組みです。
実際の契約単価を基準に報酬が設定されるため、成果に見合った評価を受けやすいのが特徴です。
企業によっては、クライアントの条件に加えて、ITエンジニア自身の原価や稼働率などを加味し、最終的な条件に反映する場合もあります。
特徴
単価評価制度の最大の特徴は、自分のスキルや努力が直接給与に反映されるため、納得感を持って働ける点です。
加えて、案件を選ぶ段階でクライアントから提示された単価がエンジニアに開示されるため、報酬の透明性も高く保たれています。
この制度は、もともとSES業界で使われていたわけではなく、最近になって導入された、比較的新しいものです。
不透明な評価や、低い年収に不満を抱えるエンジニアが多かったことから導入されるようになりました。
単価評価制度が導入されてからは、これまでの問題点は改善され、客観的かつ透明性の高い評価を実現する企業が増えています。
SES企業で単価評価制度があるメリット
単価評価制度には、大きく3つのメリットがあります。
- 公平に評価される
- 自分の給与額に納得できる
- モチベーションアップにつながる
これらは全て、単価評価制度の大きな特徴である「市場価値が反映されること」により生まれます。
なぜこの特徴が3つのメリットを生み出すのか、以下に詳しく解説します。
1.公平に評価される
1つ目のメリットは、公平に評価されることです。
単価評価制度では、受注単価が事前にエンジニアへ公開されるため、評価に透明性があります。
また、エンジニアの報酬はクライアントから提示された単価が元になるため、社内の人間関係による主観が入りません。
例えば、上司や同僚と仲が良いからといって、不当に高い報酬をもらうことはないですし、逆に仲が悪いからといって低い報酬を押し付けられることもありません。
つまり単価評価制度は、客観的かつ公平にエンジニアを評価する制度といえます。
2.自分の給与額に納得できる
2つ目のメリットは、自分の給与額に納得できることです。
繰り返しになりますが、単価評価制度では受注単価と還元率をエンジニアに公開するため、なぜその報酬額なのかが分かります。
つまり、エンジニアは自分がどれだけクライアントから評価されているかを客観的に知ることができるのです。
また、自分の実力に応じて報酬が得られて納得感もあります。
3.モチベーションアップにつながる
3つ目のメリットは、モチベーションアップにつながることです。
単価評価制度では、エンジニア自身のスキルや成果が報酬に反映されるため「個人の実力によって公平に評価されている」と感じやすくなります。
また、成果を出せば報酬も上がり「自分の努力が報われた」という喜びや満足感を得られるでしょう。
これは、さらなるスキルアップを目指すモチベーションにつながります。
したがって、単価評価制度はエンジニアの働きやすさや成長を促進するメリットがあるといえます。
SES企業で単価評価制度があるデメリット
もちろん、単価評価制度にも良い面ばかりではありません。
ここでは単価評価制度のデメリットを3つ解説します。
- 仕事内容と単価が合わない場合もある
- 給与に経験が反映されにくい
- 企業の経営が安定していない可能性がある
単価評価制度を採用しているSES企業で働くのであれば、これらのデメリットも事前に知っておきましょう。
仕事内容と単価が合わない場合もある
1つ目のデメリットは「仕事内容と単価が合わない場合もあること」です。
単価評価制度では、クライアントから提示された単価を元にエンジニアの収入が決まります。
これは、裏を返せばクライアントの予算によって収入が左右されるとも言えるのです。
例えば「同じレベルのスキルが必要なシステム開発や運用の案件」があると仮定します。
全く同じ内容でも、プロジェクトに充てられる予算は企業によって異なるため、案件単価に差が出てしまいます。
そのため、同じスキルを持って仕事をこなしているにも関わらず、収入が安くなってしまうケースもあるのです。
給与に経験が反映されにくい
2つ目のデメリットは「給与に経験が反映されにくいこと」です。
IT業界では本来、スキルや経験が重視され、経験豊富なエンジニアほど高年収を得やすい傾向があります。
しかし、単価評価制度におけるクライアント提示の単価は、あくまでプロジェクトにかけられる予算が基準です。
エンジニアの経験値が必ずしも加味されるわけではありません。
もちろん、経験があればより難易度の高い案件に参画しやすくなりますが、それが直接収入アップにつながるとは限らないのです。
ただし、企業によっては経験年数を考慮し、評価や条件に反映させている場合もあります。
企業の経営が安定していない可能性がある
3つ目のデメリットは「企業の経営が安定していない可能性があること」です。
単価評価制度では全ての案件において、クライアントから提示された単価を元にエンジニアの給与計算などを行います。
文面で書くと単調な作業のように見えますが、一般的な企業の給与計算よりも、複雑な給与計算をするため、経理の人件費が増加する傾向にあります。
つまり、会社が無理やり単価評価制度を採用すると、場合によっては、会社が盤石な体制になるのに時間がかかったり、不景気に耐えられない場合もあるのです。
SES企業に入社する場合は、単価評価制度を採用しているかどうかだけでなく、会社の経営状況や、単価の計算手法なども調べることをおすすめします。
ちなみに弊社ESESでは、SESにまつわるあらゆる業務を一元管理できるシステムを導入しています。
業務における無駄な工数を削減することで、エンジニアのフォローに専念できる体制を整えていますので、興味のある方はぜひ一度募集要項をご覧ください。
単価評価制度があるSES企業で働く前にするべきこと
単価評価制度のあるSES企業で働く前に、以下の2点について知っておきましょう。
- 知識やスキルを身につける
- 待機時の対応を確認する
以下にそれぞれについて詳しく解説します。
知識やスキルを身につける
単価評価制度はスキルや能力を正しく評価してもらえる一方で、それらがなければ他のエンジニアよりも低く評価されてしまいます。
自己研鑽もせずに過ごしていると、単価の低い案件しか受けられなくなってしまうこともあるでしょう。
単価の高い案件は、より高度な専門知識やスキルが求められることが多く、誰でも受けられるわけではありません。
そのため、単価評価制度のあるSESで働くならば、継続的に勉強して自分のスキルや知識を向上させましょう。
勉強内容は専門分野によって異なりますが、最新の技術動向について調べたり、資格を取得したりと、すべきことはたくさんあります。
時には、自分の得意分野や興味のある分野を深めるだけでなく、幅広く学ぶことで新しい発見やチャンスも生まれるかもしれません。
技術は常に変化します。
エンジニアとして働く以上、最新技術に対応できることが望まれるため、継続して学び続ける姿勢が大切です。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
頑張ればその分スキルや評価に反映される
SESエンジニアとして単価評価制度のある企業で働く前に、知識やスキルは身につけておきましょう。
単価評価制度は、スキルが評価に反映される仕組み。
つまり、スキルが高いほど単価の高い案件を受けられるようになるということです。
自己研鑽に励めば、働き始めてからさらに収入を伸ばすことも可能です。
新たな技術をどんどん身に付けてスキルアップしていきたいエンジニアにとっては「単価評価制度」はモチベーションアップにも繋がるおすすめの制度なのです。
待機時の対応を確認する
SESで働く際「プロジェクトが終了した」「次の案件が見つからない」などの理由から、一時的に待機となることもあります。
この待機時の対応は会社によって異なるため、事前によく確認することが大切です。
待機となった場合のよくある対応例は以下のとおりです。
- 給与が0円になる
- 休業扱いになり、休業手当から平均賃金の6割が支給される
- 基本給のみが支給され、手当金は支給されなくなる
- 月給は変わらずに支給されるが、賞与に調整が入る
もちろん、これらに該当しない対応を行う企業もあります。
自分の収入や生活に影響が出ないよう、事前によく確認しましょう。
ちなみに、弊社ESESでは待機中の月給を100%保証しておりますので、待機期間中も安定した収入を得られます。
SESの単価評価制度に関するよくある質問
ここでは、SES企業の単価評価制度にまつわるよくある質問を取り上げ、制度の仕組みや注意点、選ぶ際のポイントを分かりやすく解説します。
SES企業を選ぶ前に、必ず押さえておきましょう。
Q1.SESでよく耳にする「案件選択制度」って何?
案件選択制度とは、エンジニア自身が参画するプロジェクトを選べる仕組みです。
単価評価制度と合わせて導入しているSES企業も多く、案件選択の時点で単価がエンジニアに公開されることが増えています。
そのため、事前に自身の単価を確認したうえで希望の案件に参画でき、満足度の高い働き方を実現しやすいです。
この2つの制度が揃うことで、報酬面・業務内容の両方で納得感を持って働けるため、エンジニアにとって働きやすい環境が整ってきています。
案件選択制度については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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Q2.高還元率のSES企業なら収入は上がる?
結論から言うと、高還元率のSES企業は収入が上がりやすいとされていますが「高還元率=高収入」とは限りません。
SES企業における還元率とは、エンジニア1人あたりの単価に対して、どの程度が給与や賞与として還元されるかを表す数値です。
高還元率のSES企業は、この還元率が高く設定されているため、収入が多くなるはずです。
給与は「月単価 × 還元率 − 経費」で算出されますが、この「経費」に何が含まれるかで手取り額が大きく変わります。
ただ、還元率の計算方法に明確な基準はなく、経費に何が含まれているかは企業によって異なるのです。
高還元を掲げるSES企業でも、経費が多く差し引かれていれば、結果的に収入は低くなる可能性もあります。
そのため、高還元という言葉だけにとらわれず、なぜ高還元率を導入できているのか、還元の仕組みや給与の計算方法を事前に確認しておきましょう。
高還元率のSES企業については、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
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この記事のまとめ
単価評価制度では、自分の実力に合った評価がもらえ、その評価が給料にも反映されます。
正しく評価されると仕事に対するモチベーションも上がるため、エンジニアにとっても良い制度だと言えるでしょう。
もちろん単価評価制度にもデメリットはあります。
この記事で説明したように、クライアントの予算によって、同じスキルが必要な仕事でも単価が異なることもあるのです。
メリットとデメリットをよく把握し、ポイントを抑えたうえでSES企業を選んでいきましょう。
ちなみに弊社ESESでは、エンジニアに寄り添ったSES事業を展開しています。
報酬還元率の業界相場は50〜60%ですが、弊社は77%。今後も順次上げていく予定です。
もちろん、単価評価制度も導入しています。
エンジニア自身で仕事やキャリアを決められる環境を整えていますので、より自分のスキルを生かして働きたいエンジニアにとっては、弊社ESESがぴったりです。
興味を持っていただけた方は、ぜひ求人詳細をご確認ください。

監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
「新SES企業」では一般的になりつつある
単価評価制度は、エンジニアの働きやすさや成長を促進する制度です。
単価評価制度によって、エンジニアは自分がどれだけ評価されているかを知ることができ、実力に応じた報酬が得られて給与額に納得して働くこともできます。
さらに、評価が報酬に反映されるため、仕事に対するモチベーションを高めることも可能です。
すべてのSES企業で導入されている制度ではありませんが「新SES企業」と呼ばれる会社では一般的になりつつあり、今後さらに広がっていくでしょう。