SESを辞めたい人必見!辞めたい理由とやるべきことを解説
SESで働いてはいるものの「早く辞めたい」「いずれは辞めたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、近年エンジニアを取り巻く環境にも変化の兆しがあり、エンジニアの労働環境の改善に取り組む企業も増えています。
本記事では「SESエンジニアを辞めたい」と考えてしまう理由をお伝えするとともに「SESを辞めたいと感じたときにすべきこと」について解説します。
「SESを辞めたい」と感じていたり、SESエンジニアとしての働き方に迷いを生じている人はぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
SESを辞めたい理由7選
SESは、企業がプロジェクトを進める上で、必要な時に必要な労働力や技術力を調達できるというメリットがあり、非常に高い需要があります。
しかし、そんな需要の高いSESで働くエンジニアが「SESを辞めたい」と感じているケースは少なくありません。
社会からは求められている仕事であるにも関わらず、そこで働く人は辞めたいと考えてしまう……そこには一体どのような理由が潜んでいるのでしょうか。
すべてのSESに当てはまるわけではありませんが、ここでSESが「辞めたい」と考える代表的な7つの理由をご紹介します。
1.スキルが身につかない
SESでは下請け業務が多く、どのようなスキルを身につけられるかは案件によって様々です。
例えば、客先が変わっても次のような案件ばかり繰り返し対応することもあります。
- 単純作業ばかりの案件
- 新たなスキルが求められない案件
そのため、エンジニアとしての経験年数に対してスキルが身につかず「このままSESで働いていては成長できない」と感じるエンジニアも多いのです。
特に経験の少ないエンジニアは上記のような案件にアサインされることが多く、不安を感じやすい傾向にあります。
2.キャリアアップできない
SESは一時的にプロジェクトに不足している労働力や技術力を調達する目的で利用されるため、報酬は時間に対して支払われることが一般的です。
つまり、どれだけ仕事で成果を上げていても、報酬がいきなりアップしたり常駐先でキャリアアップできるということはありません。
契約内容によってはプロジェクトの途中で常駐先が変わることも十分にあります。
そのため、プロジェクト管理などの経験が積みにくく、将来的にプロジェクトマネージャーのような立場を目指している人にとっては回り道になる可能性もあります。
ただし、SESが扱う案件の全てで上流工程に関われないということはありません。
もちろんエンジニア自身のスキルや実績も求められますが、SESによっては上流工程の仕事もあるため、どのSES企業で働くかということも重要です。
3.希望の案件を担当できない
SESでは、自分で案件が選べず、企業側の都合で案件を振り分けられるケースも珍しくはありません。
また、エンジニアにスキルや実績があり、ある程度エンジニア自身が案件を選べるSES企業であっても、ちょうど良いタイミングで希望の案件があるとも限りません。
そのため、このような状況下で働いているエンジニアは「自分のやりたいことができない」「転職して興味のある分野の仕事をしたい」と考えるようになるのです。
同様の理由から、独立やフリーランスへの道を考えるエンジニアもいます。
4.収入が低くなりがち
SESが抱える案件はSIerからの下請けになるケースが多く、ほかの働き方に比べて給料が低くなる傾向があります。
また、無駄な商流が入ってしまっていることで、企業が多くマージンを取っていることもあるのです。
さらに、SESエンジニアを続けていても、担当する業務が毎回同じような内容でスキルアップできないものだと、経験年数が長いわりに収入が上がらないことも。
同年代のSEと比較すると収入が低くなりがちで「収入をアップさせたいから辞めたい」と考える人も少なくないのです。
5.正当な評価が得られない
SESで扱う案件は、クライアントの要望次第といえます。
つまり、どれだけスキルを持っているエンジニアがいたとしても、クライアントがそのスキルを必要としていなければ実力に見合った案件に参加することはできません。
その結果、実際には高いスキルを持っているにも関わらず、市場価値よりも低い評価しか得られないこともあるのです。
さらに、客先常駐であるため、単価に連動した評価制度を導入していない企業では、実際よりも評価が低くなるケースもあります。
実力に見合った評価を受けたい場合は、独立やフリーランスといった方法もありますが「単価評価制度を導入しているSES企業で働く」という方法もあります。
単価評価制度については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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6.職場環境の差が大きい
SESでは、案件ごとに数ヵ月や半年、長くても数年単位で常駐先が変わります。
そのため、仕事内容はもちろん、労働環境や人間関係もその都度変化します。
「ずっとこの職場で働きたい」と思えるような常駐先から「働きにくい」と感じる常駐先まで、職場環境に差が出やすい働き方です。
コミュニケーション能力に長けている人や、あっさりとした人間関係を望む人にとっては職場環境の変化がプラスになることもあります。
しかし、安定したライフスタイルを望む人にとっては「辞めたい」という気持ちに繋がることもあるのです。
7.将来が不安
「SESエンジニアとして長く働き続けられるのか不安」「SESに将来性があるのか不安」と感じて「辞めたい」という気持ちになってしまう人もいます。
特に、これは先にご紹介した「スキルアップやキャリアアップができない」と考えている人に多くみられます。
結論から言うと、キャリアプランを明確にし、キャリアプランに沿った働き方を選べばSESエンジニアとして長く働くことは可能です。
また、慢性的なIT人材不足の状態や雇用規制の厳しい日本において、社内エンジニアを確保することは中長期的に捉えても難しいと考えられます。
そのため「SESに将来性があるのか」という不安については、現状では心配する必要はないでしょう。
SESを辞めたいと感じた時にするべきこと
SESを辞めたいと感じる理由は人それぞれですが、「辞めたい」という気持ちが先走ってしまい、すぐ行動に移すことは避けましょう。
就活において早めに動き出すことは大切ですが、動き出す前に「なぜ辞めたいのか」「これからどうしたいのか」などをしっかり考えておくことの方が大切です。
そこで、ここからはSESを辞めたいと感じた時にするべきことをご紹介します。
辞めたい理由を明確にする
まずは、なぜ自分がSESを辞めたいと思っているのかを明確にしましょう。
- 今のSES企業に相談して解決できそうか
- SESという働き方ではなく常駐先が嫌なのか
- ほかのSES企業であればクリアできそうな問題か
など、「辞めたい」という感情のさらに奥を探ることが大切です。
これらの理由を考えてみて、どうにもならない問題であるならば、転職が有効な解決策といえるでしょう。
ただし、仮に辞めると決断しても、タイミングは重要です。
車や住宅ローンを組みたいと考えていたり、超短期離職になってしまうような場合は辞めるタイミングも慎重に考える必要があります。
SES企業に待遇を相談する
現在所属しているSES企業に相談をしてみるのも一つの手段です。
エンジニア側がどれだけ不満を抱えていても、何も伝えなければ「何の不満もなく働けている」と捉えられてしまう可能性があるためです。
- 常駐先での働き方や人間関係に不満がある
- 次の案件に対して希望がある
- 給与に不満がある
- 目指しているキャリアがある
このような理由から「辞めたい」と考えているのであれば、まずは所属しているSES企業に相談をしてみましょう。
場合によっては状況を伝えることで常駐先を変えてもらえたり、自分の希望を汲んだ案件を紹介される可能性があります。
スキルを身に付ける
SESという働き方自体に不満がなければ、スキルを身につけることで希望する案件にアサインされ、問題が解決することもあります。
一方、常駐先によっては業務を通じてスキルが身につかない可能性もあります。
どれほどSESエンジニアとしての経験が長くても、スキルが身についていなければ転職は難しくなってしまうものです。
そのため、SESエンジニアからの転職を考えるのであれば、業務以外の時間にも自主的に勉強し、スキルを身に付けましょう。
その際は、今後需要が高まりそうなスキルを選択することが大切です。
- AWSなどのクラウド技術
- モダンな技術やトレンド技術
- 案件数や求人数が多い言語(Java・PHP・JavaScriptなど)
キャリアプランを明確にする
「SESを辞めたい」という人の中には、とにかく辞めてから考えようとする人も少なからずいます。
しかし、精神的に追い込まれていたり、ブラック企業である場合を除いては、先にキャリアプランを明確にしてから退職することをおすすめします。
- 今、自分にはどれくらいの経験やスキルがあるのか
- 将来的にどのような働き方をしたいのか
- 今のSES企業に在籍したまキャリアアップは可能なのか
このようなキャリアプランをまず明確にすることで、ベストな退職のタイミングの見通しもつき、落ち着いて着実に行動に移せるようになるはずです。
短期離職を避けるためにも、現在のSES企業に在籍しながらできることがあるならば、今の環境を上手に利用することを心掛けてみましょう。
SESを辞めたい人がよく行く転職先
「SESを辞めたいと感じた時にするべきこと」でご紹介した4つを試しても、「辞めたい」という気持ちが揺るがないのであれば、転職に向けて動き出すのも一つの手です。
では実際に、SESを辞めた人はその後どのような場所に転職しているのでしょうか。
ここからは、SESを辞めた人が選択することの多い転職先をご紹介します。
SESから自社開発への転職
自社開発は、自社で企画から運営までを一貫して行っている企業です。
基本的に全ての工程を自社で行うため、専門性が高く、その企業独自のフレームワークを使用していることも少なくありません。
したがって、求められるのは経験豊富なエンジニアといえます。
自社開発は人気が高い上、募集要件も高いため、転職への難易度は非常に高いです。
SESからの転職を考えるのであれば、相応のスキルや実績を持っている状態でないと難しいでしょう。
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SESからSIerへの転職
SIerはシステム開発の企画から保守に至るまでの全て、あるいは一部を請け負う企業です。
自社開発を行っている企業もあり、下流工程から上流工程まで様々な経験ができる可能性があります。
一口にSIerといっても企業の規模は様々で、企業によっては大企業の2次請けや3次請けになることもあります。
ただし、受注する業務のレベルは相対的にSESよりも高いため、給与水準も高いことが多いでしょう。
ただし、納期までにシステムを完成させることが求められるため、残業は多くなりがちです。
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SESから他のSESへの転職
同じSESでも、近年増加傾向にある「新SES」と呼ばれる企業であれば、働きやすさが変わる可能性があります。
「新SES」とは、具体的に次のようなエンジニアの働きやすさを大切にしている企業を指します。
- 評価に透明性がある(単価評価制度)
- 案件をエンジニア自身が選択できる(案件選択制度)
- 還元率が高い
現在SESを辞めたいと考えている人の中には、このような別のSES企業に転職することで悩みが解決するケースもあります。
例えば、弊社ESESもそんな「新SES」企業のひとつ。
ESESでは、エンジニアの労働環境やキャリアプランを重視したサポートを行っています。
「今の自分にはどんな案件があるのか」「SESでどんなキャリアが描けるのか」といった疑問がある人は、ぜひこちらよりESESへのご応募をご検討ください。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
エンジニアに限ったことではありませんが、SESから転職する場合、当然スキルや実績があるほど転職先の選択肢は広がります。
また、現在はSESエンジニアとして「案件が選択できない」「給与に納得ができない」といった状態でも、スキルや実績を重ねていくことでそれらの不満が解消されることも十分あります。
特に案件選択制度や単価評価制度のあるSESでは、スキルや実績があるほど自分の理想とする働き方に近づけることができるでしょう。
人によって様々な理由があるため、転職はもちろん自由ですが、現状だけで判断するのではなく、少し先の将来に目線を向けることも大切です。
「SESはNG」という発想に捉われすぎず、あくまでもなりたい自分になるための手段としての転職先を検討しましょう。
SESを辞めたい人のよくある質問
「SESを辞めたい」と考える理由は人それぞれですが、「辞めたい」という気持ちと同時に、感じる不安や疑問には似たようなものが多く見られます。
ここでは、SESを辞めたいと考えている人がよく考えがちな疑問や質問と、それに対する回答をご紹介していきます。
1.SESを1年で辞めるのはまずいですか?
エンジニアは市場からの需要が高く、SESでもエンジニア未経験者や経験の浅い人を採用するケースはあります。
しかし1年以内の退職となると、スキルが身につかないままでの転職となるので、基本的にはあまりおすすめできません。
とはいえ、1年以上の経験があってもスキルが身についていなければ、結局のところ転職は難しくなってしまいます。
つまり、短期離職する場合でも、就活時に「何を経験してきたか」「どんな努力をしたか(資格取得など)」を語れることが大切です。
2.スキル不足で続けるのがつらいのですが……
SESは案件によってはスキル不足に陥ってしまいますが、様々な案件を担当できるため、技術力を磨くチャンスはあります。
「なんとなくスキル不足を感じている」という状態であれば、まずどのようなスキルが足りていないのかを具体的に考えてみましょう。
足りていないスキルが明確になれば、受けるべき案件がはっきりとし、転職にも前向きに動けるようになります。
最も避けるべきは、スキルがないからといってスキルシートの内容を盛って記載してしまうことです。
スキルを盛ってしまうと、自分の実際のスキルよりも高いことを求められてしまい、結果的に自分が困るだけではなく周囲に迷惑がかかるためやめましょう。
3.「SESはやめとけ」って本当ですか?
「SES」とネット検索すると「SESはやめとけ」といったキーワードを目にすることは少なくありません。
事実として、いわゆる「ブラック」なSES企業があることは事実です。
しかし、近年ではエンジニアが働きやすい環境を整えている「新SES企業」と呼ばれる企業も増加しており、「SES=ブラック」というわけではありません。
ブラックなSES企業にはある程度特徴がみられるため、SES企業を選ぶ際はそれらの特徴に注意しながら見分けることが大切です。
なお、ブラック企業の特徴や見分け方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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4.40代でSESってやばいですか?
結論から言うと、40代のSESエンジニアが「やばい」ということはありません。
SESは業界の7割を占める働き方と言われており、さらにIT業界は慢性的な人手不足にあるため、40代でSESエンジニアとして活躍している人は多数存在します。
ただし、IT業界では技術力や実務経験が特に重視されるため、例えば40代でも次のようなスキルや経験しかない場合は常駐先が見つかりにくくなります。
- サーバーやネットワークなどの保守・運用・監視
- ヘルプデスク
- 今はあまり使われない言語のみの経験
- テスト・評価
現在の日本の平均年齢は約47.4歳。
そして、日本の正社員労働者の平均年齢は男性が42.9歳、女性が40.6歳です。
少子高齢化が加速する中、今後日本の平均年齢や労働者の平均年齢は上がっていくことが予想されます。
40代だからといって諦めるのではなく、まだまだ今後も働き続けることを想定して、今身につけられる経験を持つことが重要です。
今できることをやっておくことで、将来的に重宝される存在になれます。
参照:
ニッセイ基礎研究所「人口構成からみる社会の変化(1)-人口ピラミッドおよび年齢3区分人口構成比からみた変化-」
厚生労働省 「令和2年の働く女性の状況」
5.ホワイトなSES企業の見極め方が知りたいです。
SES企業にも人によって「合う・合わない」はありますが、SES企業の場合は「新SES」と呼ばれるSES企業を選ぶ方が働きやすいといえるでしょう。
「新SES」企業では、次のような制度を取り入れており、エンジニアの労働環境改善に努めています。
- 単価を基準として給与などが決まる「単価評価制度」
- 自分で案件を選べる「案件選択制度」
- 還元率が高い
※還元率に関しては、高いことで会社の利益が減り、倒産リスクが上がる場合もあります。どのように高還元率を維持できているか事前に確認しましょう。
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ただし、「新SES」と呼ばれる企業であってもこれらの全ての条件が揃っているとは限りません。
例えば、案件選択制度を取り入れている企業であっても、全ての案件を選択できるかといったことは企業によってさまざまです。
SES企業を選ぶ際は、謳い文句だけで判断せず、それぞれの企業が具体的にどのような取り組みをしているのかをきちんと確認しましょう。
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この記事のまとめ
SESエンジニアとして働いているうちに「辞めたい」と考える人は珍しくありません。
しかし、「辞めたい」という目の前の気持ちだけにとらわれて無計画に行動してしまうと、後悔を招く結果になるかもしれません。
まずは「自分がなぜSESを辞めたいと思っているのか」という点と向き合い、問題を明確にすることで、今やるべきことが見えてくるはずです。
私たちESESは「SESの働き方を本気で変えたい!」という想いから、エンジニアの労働環境をめぐる様々な課題と向き合い、行動しています。
- SESの働き方は好きだけど、もっと働きやすい環境が良い
- エンジニアのキャリアプランに寄り添ってくれるSESで働きたい
- 搾取されるSESエンジニアにはなりたくない
そんな方は、きっと弊社ESESで納得感を持って働くことができるはずです。
少しでも気になった方は、以下からESESの募集要項をご覧ください。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
SESを辞めたいと思う理由は様々ですが、例えば「スキルが身につかない」という理由は、未経験者や経験の浅い人には当てはまりません。
むしろ、未経験者や経験の浅い人にとっては少しずつスキルを身につけられるチャンスとも捉えられます。
また、「希望の案件を担当できない」などの理由も、裏を返せば新たな分野に挑戦できるチャンスになる可能性もあります。
一度「辞めたい」と思ってしまうと、本来ポジティブに捉えられていたこともネガティブに捉えてしまいがちです。
「辞めたい」という気持ちを受け止めつつも、SESで働くメリットをきちんと見つめることも大切です。