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「SAPエンジニア」とは?全体像を理解しよう

「SAPエンジニア」とはどんな仕事?全体像を理解しよう

SAPエンジニアは、世界的にも有名なソフトウェア会社「SAP社」のERP製品を扱うエンジニアです。

SAPによって企業の業務を一元化し、業務効率を向上させるためのサポートを行います。

本記事では、SAPエンジニアの仕事内容や年収、将来性などを詳しく解説します。

さらに、SAPエンジニアに必要なスキルや、向いている人の特徴も紹介しますので、転職を考えている人は参考にしてください。

SAPエンジニアについての理解を深め、自身に当てはめて考えることで「自分に合った働き方ができるか」を見極められます。

その上で、SAPエンジニアになりたいという気持ちが変わらなければ、転職することを視野に入れて、行動してみましょう。

この記事の監修者

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

株式会社ESES 代表取締役社長

1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。

SAPエンジニアとは?

「SAP」とは、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社である「SAP SE社」が提供するERP製品の1つです。

ERPとは社内の業務を一元化するシステムを指し、企業が業務効率化を図る上で高い効果を発揮します。

そんなSAP社のERP製品に特化したエンジニアが「SAPエンジニア」です。

ERP製品は、各機能が「販売管理」や「在庫管理」「会計管理」といった業務分野ごとにまとめられており、分野ごとの機能のまとまりを「モジュール」といいます。

SAPは企業の業務形態に合わせて自由にモジュールを選べることが特徴で、各モジュールごとにSAPエンジニアが配置されるのが一般的です。

参考:SAP「SAPジャパン

SAPエンジニアの仕事内容

SAPエンジニアの仕事内容は?

SAPエンジニアは、設計や開発、テスト、運用保守まで行います。

業務範囲が広く、導入に関する仕事全般を担当することも珍しくありません。

SAPエンジニアの主な仕事内容は以下の5つです。

  • 要件定義
  • 設計・開発
  • ユーザートレーニング
  • 運用・保守
  • コンサルティング

それぞれ詳しく解説します。

要件定義

クライアントの業務を分析したり、ヒアリングを行って、システムの要件定義をします。

要件定義は、クライアントの要求やニーズを明確にし、それをSAPシステムの機能に反映させるための重要なプロセスです。

企業によって必要な機能は異なるため、どのように開発していくか検討することで、それぞれの企業に合った適切なシステムを開発できます。

要件定義を正確に行うためには、コミュニケーション力やヒアリング力を要するでしょう。

設計・開発

要件定義をもとに、設計・開発を行います。

実装する際は、SAP独自のプログラミング言語「ABAP」を使用します。

独自の言語であるため扱える人材は少なく、習得の難易度も高いとされています。

SAPの標準機能だけで企業の要件を満たせない場合は、不足している機能を追加で開発する「アドオン開発」を行います。

さらに、実装後は不具合なくシステムが作動するかのテストも必要です。

ユーザートレーニング

導入した機能の使い方を指導するのも、SAPエンジニアの役割です。

クライアント企業は、SAPの導入自体が目的ではなく「SAPを活用した業務効率化」が目的です。

特に、SAPの導入範囲を広げたいと考えている企業の場合は、各現場の社員がSAPを使いこなす必要があります。

そのため、ユーザーがSAPを適切に利用できるよう、教育やサポートを行うこともSAPエンジニアの仕事です。

この業務では、SAPに関する知識がない人にも分かりやすく説明する能力が求められます。

運用・保守

SAPが安定して稼働するよう、運用・保守を行います。

具体的な業務は、定期的なモニタリングやアップデートなどです。

また、システム障害が発生したり不具合が起こった場合は、早急に原因を追求し、的確な対処・改善をしなければなりません。

企業の基幹システムであるSAPがシステムトラブルを起こすと、多方面に膨大な影響を与えるためです。

急なトラブルにより、時間外であっても緊急出勤や深夜作業で対応が必要です。

コンサルティング

SAP導入前後のコンサルティングを担当する場合もあります。

クライアントが抱える問題を理解し、それを改善するためには、どのようにSAPを活用すれば良いかを検討します。

重要なのは、ただシステムを導入するだけでなく、クライアント企業の問題を解決することです。

SAPについてより深い知識と応用力が求められる業務であり、コンサルティングに特化したSAPエンジニアのことを「SAPコンサルタント」と呼ぶこともあります。

監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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SAPコンサルタントとSEが似ているって本当?

SAPコンサルタントは、クライアント企業に合わせてSAPの機能を最適化し、業務効率化や、ビジネス環境の改善に貢献することが仕事です。

また、導入後のフォローもSAPコンサルタントの業務の1つで、バージョンアップや追加機能のシステム開発、人材の確保、進捗管理などが挙げられます。

SAPコンサルタントと似ているといわれる職種に、SEがあります。

実際に仕事内容で似た一面もあるため、SEからSAPコンサルタントへ転身する人も珍しくありません。

しかし、SAPコンサルタントは企業へシステムの具体的な提案を行うのに対し、SEはクライアントの要望通りにシステムを開発することがメイン業務です。

「企業の課題を解決する力」が必要なSAPコンサルタントは、高度なレベルを求められ、その分価値の高い人材といえるでしょう。

SAPエンジニアの年収

求人ボックスの給与ナビによると、SAPエンジニアの平均年収は610万円です。

同じITエンジニアである、システムエンジニアの平均年収は516万円であることから、SAPエンジニアの年収は高い水準といえます。

SAPエンジニアの平均年収が高い理由は、主に以下の3つです。

  • 幅広い知識やスキルが必要
  • 専門性の高さ
  • SAP独自のプログラミング言語の使用

SAPエンジニアは、幅広い業務を担当したり、SAP社の製品に特化した専門性の高いスキルが必要です。

また、SAPの独自言語であるABAPを扱える人材は少ないため、市場価値の高さから、年収も高い傾向にあるといえます。

参考:求人ボックス(SAPエンジニア)「給与ナビ

参考:求人ボックス(システムエンジニア)「給与ナビ

SAPエンジニアの将来性

結論、SAPエンジニアの将来性は「ある」といえます。

SAPは世界でもトップシェアを誇るERPパッケージのため、グローバル化に伴い、日本国内でも導入する企業が増えていくと予想されています。

しかし、現在提供されている「SAP ERP 6.0」は、2027年末に保守サポートの期限を迎える予定です。

これは「2027年問題」と呼ばれており、すでにSAPを導入済みの企業は、新しいシステムへの移行や切り替えを行わなければなりません。

以上のことからSAPエンジニアは、現在SAPを使用している企業・していない企業のどちらにも必要な人材であり、今後も増々ニーズが高まっていくといえます。

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白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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次世代型ERPパッケージ「SAP S/4HANA」の魅力

SAP ERPの保守サポート終了を受けて、次世代パッケージである「SAP S/4HANA」への置き換えが推奨されています。

最大の変化点は「データベース」です。

従来のSAP ERPは、ハードウェアに搭載されたハードディスクにデータを保持しながら動作していたため、処理速度に限界がありました。

一方で、SAP S/4HANAでは「インメモリデータベース」を採用しており、メモリ上でデータの保持や処理をすることが可能です。

これにより、従来のSAP ERPに比べて圧倒的に高速なデータ処理を実現できるようになりました。

各機能のほぼ全てが高速化されるため、リアルタイムな業務プロセスの把握やスピーディーな経営判断ができるでしょう。

今後はAIやIoTといった、先端技術を活用するためのコアプラットフォームとしても活躍が期待されています。

SAPエンジニアに必要なスキル

SAPエンジニアになるには、以下の4つのスキルが必要です。

  • SAPに関する知識・技術
  • プログラミングスキル
  • 英語力
  • コンサルティングやマネジメントのスキル

要件定義などといった、いわゆる上流工程の仕事を担当することも多いため、レベルの高いスキルを持っていると活躍できるでしょう。

SAPエンジニアとして働きたいと考えている人は、知識やスキルを磨くための参考にしてください。

SAPに関する知識・技術

SAPに関する知識や技術は、SAPエンジニアになるために必須のスキルです。

SAP ERPは、様々な業務領域に対応した製品ラインナップがあるため、それぞれの機能や特徴を理解しておく必要があります。

また、アップデートなどで仕様が変われば、その都度自分の知識も更新していかなければなりません。

知識を習得するために、SAPが認定している資格試験に挑戦するのもおすすめです。

SAP認定試験は様々な種類があるため、以下の公式サイトよりご確認ください。

参考:SAP「SAP Certification

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白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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SAP ERPの「モジュール」とは?

SAPを習得する上で欠かせない知識に「モジュール」があります。

モジュールとは、業務領域ごとにまとめられたシステム機能群のことで、多数の分野が存在します。

主なモジュールとして挙げられるのは「財務会計」「管理会計」「販売管理」などです。

さらに、近年では主要モジュールに加えて「人事管理」や「生産計画/管理」なども重要なモジュールとして認識されるようになりました。

SAPエンジニアは、クライアント企業のニーズに合わせて利用するモジュールを選択する必要があるため、各分野のモジュールを理解しておくことが重要です。

プログラミングスキル

SAPエンジニアに必要なプログラミングスキルは、主に「ABAP」と「Java」の2つです。

ABAPはSAP独自のプログラミング言語であり、SAPエンジニアになるためには必ず持っておくべきスキルといえます。

ABAPがSAPエンジニアに欠かせない理由は、クライアントの要件をSAPの標準機能だけで満たせない場合に、ABAPを使用したアドオン開発が必要になるためです。

SAPエンジニアが扱うプログラミング言語は、ABAPがメインではありますが、SAPのバージョンアップに伴いJavaも利用できるようになりました。

そのため、Javaのスキルを持っていることで、SAPエンジニアとして活躍の場が広がるでしょう。

英語力

SAPエンジニアとして活躍するためには、英語力を高めておくと良いでしょう。

SAPは世界中で利用されているため、開発において必要な情報が英語であるケースも珍しくありません。

英語力があれば、スムーズに情報収集や開発を進めることができるのです。

さらに、海外と関わる業務や、海外に拠点を持つ企業で働くことも可能なため、環境を問わず活躍できるSAPエンジニアになれるでしょう。

コンサルティングやマネジメントのスキル

SAPエンジニアには、コンサルティングやマネジメントのスキルも必要です。

SAPエンジニアは、クライアント企業の業務における課題を引き出し、その課題を解決するという役割があります。

また、それぞれの企業に合ったシステムの仕様を考えたり、クライアント企業に対してアドバイスをするなど、適切な対応が求められます。

大きなプロジェクトになると、業務の管理も必要になるため、マネジメント能力も重要といえるでしょう。

コンサルティングやマネジメントを行うためには、コミュニケーション能力や問題解決能力も磨く必要があります。

SAPエンジニアに向いている人の特徴

SAPエンジニアは、SAP社の製品に特化しているという職業の特性上、向いている人と向いていない人が大きく分かれます。

そのため「自分がSAPエンジニアに向いているか」をしっかりと考えることが重要です。

SAPエンジニアに向いている人の特徴は、以下の4つです。

  • ユーザー視点で考えられる
  • チームでの業務が得意
  • 1つの分野を極めたい
  • 継続力がある

自身が特徴に当てはまると思った人は、SAPエンジニアを目指すことをおすすめできます。

ユーザー視点で考えられる

ユーザー視点で物事を考えられる人は、SAPエンジニアに向いているといえます。

SAPエンジニアは、企業の業務プロセスの効率化や、生産性向上のためにSAP導入をサポートする立場です。

そのためには、クライアント企業の要望を適切に取り入れたり、課題を解決するためにはどうすべきかを常に考えることが大切です。

ユーザーの視点に立って、積極的にクライアントの業務を理解することで、企業へ貢献できるでしょう。

チームでの業務が得意

チームで業務を進めることが得意な人も、SAPエンジニアに向いています。

SAPのプロジェクトには、クライアント企業や他のエンジニアなど、多くの関係者が参画します。

ミーティングを円滑に進めたり、報連相を欠かさないなど、一人ひとりが協力して業務を行うことでスムーズにプロジェクトを遂行できるでしょう。

関係者と協調して仕事をすることは、SAPシステムの品質向上にも繋がります。

1つの分野を極めたい

1つの分野を極めたい人も、SAPエンジニアに向いているといえます。

SAPエンジニアは、SAP社の製品に特化したエンジニアです。

業務上、要件定義から運用保守まで幅広い知識を要しますが、根幹となるのは「SAPの知識」です。

SAPに関するスキルを極めることが重要なため、1つのことを深く学びたい人や、特定の分野に特化したいと考える人には向いているといえます。

学習意欲を持って自らのスキルを高めていくことで、SAPエンジニアとして活躍できるでしょう。

継続力がある

継続力がある人も、SAPエンジニアに向いています。

SAPの製品は新しい機能が開発されたり、既成の製品が更新されたりと、日々進化を続けています。

そのため、クライアントのニーズに応え続けるためには、常に自身の知識や技術をアップデートしていく必要があるのです。

IT技術やビジネスを取り巻く環境の変化によって、企業から求められる業務プロセスも変わります。

技術面・ビジネス面の変化に関心を持ち、継続的に自身のスキルを向上させることで、より価値の高い人材となれるでしょう。

まとめ

SAPエンジニアは、SAP社の製品を使って、企業活動をサポートする役割を担っています。

SAPの機能はもちろん、クライアント企業の業務内容や課題を正確に理解し、適切な対応をすることが求められます。

幅広い業務を担当するため、多くの知識やスキルを要する職業ですが、将来性も高く継続してスキルを磨くことで活躍し続けられるでしょう。

弊社ESES(イーエス)は「SES企業」の1つで、SAP案件も扱っています。

エンジニア本人の希望や、適性を活かした仕事ができるよう「案件選択制度」を導入しており、自分のキャリアプランに沿った働き方が可能です。

さらに、透明性の高い評価が得られる「単価評価制度」を取り入れたり、77%の「高還元」を実現させたりと、エンジニアの労働環境改善に力をいれています。

キャリアアップに向けた支援も行っているため、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひESESへの転職をご検討ください。

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執筆・編集

ESESブログ 編集部

「正しい情報をわかりやすく」をモットーに、SESエンジニアとして働くなら知っておきたい“お役立ちコンテンツ”を発信しています。すべての記事は、SESのプロが徹底的に監修。SES企業だからこそわかるリアルな情報を日々発信中です。

ESESとは?

ESESという社名には、3つの願いが込められています。

1つ目は、ITエンジニアの7割を占める働き方
「SES(客先常駐)」を「良いSES(“E”SES)」にしたいという願い。

2つ目は
「従業員満足度(ES)」を高めることで、「エンジニア全体の満足度(ES)」も高めたいという願い。

そして3つ目は、
社員や顧客に対して常に「YES(前向きな返答)」と言える会社でありたいという願い。

ESESでは「自らとエンジニアがウズウズ働ける世の中をつくる。」
ミッションとし、常態化しているSESエンジニアの労働環境課題を解消していきます。