バックエンドとフロントエンドとは?違いを理解しよう
エンジニアを目指そうと考えたときにありがちな悩みとしてバックエンドとフロントエンドのどちらを選ぶべきか、という点です。
バックエンドとフロントエンドの違いを一言で表すと「作るものがユーザーの目に触れるかどうか」です。
IT業界は市場の拡大が広がっている一方で、技術を使いこなせる人材が減っているという側面もあります。
しかし、システムを作成する上で欠かせないバックエンドとフロントエンドを扱えるエンジニアの需要は、高まり続けているのです。
そこで今回は、バックエンドとフロントエンドの違いへの理解を深めた上で、どちらかを選ぶ際に考えるべきことについて解明します。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
「バックエンド」と「フロントエンド」とは何か?
WebサイトやWebアプリケーションを開発する際には、大きく分けてバックエンドとフロントエンドという2つの仕組みが必要になります。
ここではまず、バックエンドとフロントエンドの違いについてしっかりと理解を深めましょう。
バックエンドとは?
バックエンドとは、Webサービスやアプリケーションの裏側の、ユーザーの操作に応じるサーバー側のシステムのことを指します。
具体的にはユーザーから要求された情報をデータベースから探し出す仕組みや、ユーザーが入力した内容の処理などが挙げられます。
ユーザーからは見えない「裏側」の部分のことと理解しておくとわかりやすいでしょう。
フロントエンドとは?
フロントエンドとは、直接ユーザーの目に触れる部分のことで、「クライアントサイド」とも呼ばれています。
具体的には、WebサイトやWebアプリケーションで文字を入力する箇所やクリックするボタンのデザインといった操作画面などが挙げられます。
こちらは、バックエンドとは反対にユーザーから見える「表側」の部分のことと理解しておくとよいでしょう。
バックエンドとフロントエンドの違い
バックエンドとフロントエンドの違いは、一言でいうと「開発するものがユーザーから直接見える部分か、見えない部分か」です。
バックエンドは基本的にはユーザーからは見えない部分である一方、フロントエンドはユーザーから見える部分(画面上で見える部分)のことを指します。
つまり、WebサイトやWebアプリケーションは、バックエンドとフロントエンドという2つで1つのサービスがあってこそ成り立っているのです。
バックエンドエンジニアとは?
バックエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションケーションのバックエンド開発を担います。
プログラミング言語を用いてサーバーサイドの処理を開発することで、ユーザーが行った操作に応じたデータの処理を行い、適切な情報をユーザーに返すことができるのです。
また、バックエンドエンジニアはサーバーサイドの処理の開発だけではなく、データベースの設計や管理も行います。
バックエンドエンジニアがデータの取得や保管を正確かつ効率的に行うことで、システム全体が正常に運用されるのです。
バックエンドエンジニアの詳しい内容については以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。
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バックエンドエンジニアの仕事内容
バックエンドエンジニアの主な仕事内容としては以下が挙げられます。
- 要件定義
- システムの全体設計
- サーバー設計・構築
- データベース設計・構築
- プログラム開発
- 運用保守
このように、バックエンドエンジニアはシステム構築に関する幅広い業務を担当します。
ただし、プロジェクトや企業によって仕事内容が異なるケースも少なくありません。
システムのエラーや障害が発生した場合にはその原因を特定して修正を行うこともあります。
また、バックエンドエンジニアはプライバシーの確保やデータの保護といったセキュリティ対策を講じることも求められます。
このように、バックエンドエンジニアは業務量も多いため、プロジェクトの規模が大きくなると、複数人のバックエンドエンジニアで仕事を分担することもあるでしょう。
バックエンドエンジニアに必要なスキル
フロントエンドとバックエンドは2つで1つのサービスを完成させる必要があるため、フロントエンドエンジニアとの連携においてコミュニケーション能力は必須です。
また、バックエンドエンジニアはサーバーサイドの処理の実装のためにJavaやJavaScript、PHP、Python、Rubyなどのプログラミング言語の習得も求められます。
これらの全ての言語でなくとも、いずれかの言語を習得していれば他の言語の対応もしやすくなるため、1つずつ学習していきましょう。
さらに、Django、Ruby on Rails、Laravelといった何らかのフレームワークの利用経験があると、共通するタスクや構造の簡略化ができ、開発工数を減らすことができます。
ほかにも、APIの設計・開発能力、データベースやセキュリティといった幅広い知識も必要です。
フロントエンドエンジニアとは?
フロントエンドエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーションにおいてユーザーが直接利用するフロントエンドの開発を行うエンジニアです。
例えば、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、様々なデバイス上において、ユーザーが使いやすく、見た目が最適化されるように対応させる役割を担います。
そのため、ブラウザの互換性を考慮しながら、異なるブラウザでも問題なく動作できるかといった開発を行い、品質を高めていくことが求められます。
エンジニアという観点だけではなく、デザインとして優れているかといったユーザ側の観点も必要です。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンジニアは、プログラム言語を使用してユーザーが使いやすいウェブページの構造やスタイリングなどを作成します。
所属する企業や参画するプロジェクトなどによっても業務内容は異なりますが、主な業務としては次の通りです。
- フロントエンドの設計
- デザイン
- プログラム開発
- デバッグ
- テスト
- バージョン管理
- パッケージ管理
フロントエンドの開発においては、ユーザー視点で考えながら進めることが大切です。
まずはユーザーから見える画面全体の初期設計から始まります。
続いてWebサイトやWebアプリケーションなどで共通して使用する要素や、応答の表示や反応速度などの定義づけです。
そして、テキストや装飾といった情報をコンピューターが正しく認識するよう、マークアップという作業を行います。
すべての実装が完了してから行うのが、ブラウザ検証です。
ブラウザ検証では、画面表示に不具合や乱れがないかを確認し、クライアントにも確認をしてもらい、使い勝手についての意見を把握し、必要に応じて反映させます。
フロントエンドエンジニアに必要なスキル
フロントエンドエンジニアは主にHTMLやCSS、JavaScript、TypeScriptなどのプログラミング言語を使用して作業を行います。
最近ではフレームワークやライブラリと呼ばれる一定の型が増えており、Angular、React、Vue.jsといった知識があれば効率よく開発をすすめることも可能です。
また、UI(ユーザーインターフェース)などの知識や、主にJavaScript部分のバグを見つけて修正する技術も求められます。
さらに、バックエンドエンジニアと連携しながら1つのシステムを作っていく必要があるため、コミュニケーション能力も欠かせません。
スキルがアップしてくると、タイムマネジメントやタスクの優先順位付け、作業を効率よく進めるためのプロジェクト管理能力も求められるようになるでしょう。
「バックエンドかフロントエンドか」を考える際に見るべき視点
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの仕事について理解できていても、どちらが自分の性格や好みに向いているのか迷ってしまう人も多いでしょう。
それぞれ業務内容や必要なスキルが異なるため、最初にどちらを選ぶかがその後のエンジニアとしてのキャリアプランにも大きな影響をもたらします。
そこで、ここからはバックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアのどちらを選ぶか迷ったときに押さえておきたいポイントをご紹介します。
工夫を考えるのが得意か
新しいアイデアを生み出すことが得意な人はフロントエンドエンジニアがおすすめです。
フロントエンド開発を担当する場合、ユーザー目線になって使いやすさなどを考えることが大切になります。
どのようなユーザーが使用するかによっても考えるべき視点が異なり、ユーザーに合わせて工夫したシステムを作成する必要があるためです。
何かを想像したり、工夫して物事を解決することが好きな人はフロントエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。
デザインに興味があるか
デザインに興味がある人はフロントエンドエンジニアがおすすめです。
なぜなら、フロントエンドはユーザーから見える部分であり、見やすさが使いやすさにつながるため、特に考慮する必要があるからです。
使用するイラストや配色など、デザイン面が考慮できてこそ使いやすさは実現できます。
普段からWebサイトやWebアプリケーションを利用する機会が多く「このサイトは使いやすい」といったことを感じやすい人は、その感覚を業務にも活かすことができるでしょう。
裏方の仕事が好きか
表向きの華やかな仕事よりも、縁の下の力持ちのような裏方の仕事が好きな人はバックエンドエンジニアがおすすめです。
バックエンドはWebサイトやWebアプリケーションを動かす上で欠かすことのできない部分です。
しかし、ユーザー側からは見えない部分であるため、裏方的な要素が強いといえます。
バックエンドエンジニアは地道な作業が多いですが「支える」という重要な役割があるため、その分やりがいを多く感じる人もいるでしょう。
細かいことに気づけるか
細かい作業が好きな人や、小さな変化に気付ける人はバックエンドエンジニアがおすすめです。
バックエンドエンジニアは、個人情報など重要なデータを扱う立場でもあります。
そのため、1つの小さなミスがシステム全体に大きな影響を与えることもあるのです。
バックエンドエンジニアはシステムの裏側を作成する立場です。
1つひとつの仕事を慎重に進めることができ、着実にコツコツと作業に取り組める人はバックエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
バックエンドエンジニアとフロントエンジニアの将来性
バックエンドエンジニアやフロントエンジニアを目指そうかと考えたときに気になるのがそれぞれの将来性です。
IT業界では慢性的に人材が不足している状態が続いているため、結論から言うと将来性を不安視する必要はありません。
さらに、バックエンドエンジニアとフロントエンジニアはどちらが欠けてもWebサイトやWebアプリケーションが作れないため、欠かすことはできません。
ただし、今後エンジニア人口が増加した場合、新しい知識を身に付けていないと新たな知識や技術を持ったエンジニアに仕事を奪われてしまう可能性があります。
そのため、バックエンドエンジニア、フロントエンジニアのどちらを目指すにしても、基本的なスキルに加え、常に新しい知識や技術を身に付けようとする姿勢は必要です。
まとめ
WebサイトやWebアプリケーションの開発において、バックエンドはユーザーからは見えない部分、フロントエンドはユーザーが目にする部分のことを指します。
この2つが揃って初めて1つのサービスが完成するため、どちらもなくてはならない存在です。
そのため、それぞれを担当するバックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアは共に需要が高まっています。
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアは同じサービスを開発する者同士でも、仕事内容は大きく異なります。
そのため、就活を行う前は、今回ご紹介したポイントなども参考に、まずは自分がどちらがやりたいのか、どちらに向いているのかをよく考えてみましょう。
弊社ESESでもフロントエンド、バックエンドに携わる案件を扱っています。
どちらの開発に携わりたいかが決まっている方はもちろん、まだ迷っているという方も、適性や希望を考慮して、活躍できるようサポートします。
ESESに興味がある方や、もっと知りたいという方は、以下から詳細をご確認ください。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの年収は?
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアのどちらの年収が高いかが気になるという人も多いのではないでしょうか。
あくまでも目安ですが、傾向としてはフロントエンジニアよりバックエンドエンジニアの方が平均年収は高いといえます。
なぜなら、フロントエンジニアと比較するとバックエンドエンジニアの方が必要とされるスキルの習得難易度が高いからです。
スキルの習得難易度が高いということは人材が参入しにくくなり、市場価値も高くなる傾向にあります。
バックエンドエンジニアの方が年収が高くなる傾向があるといっても、フロントエンドエンジニアに向いていれば実力を発揮して年収アップできるかもしれません。
いずれを選んでもスキルアップをして市場価値を高めることができれば収入アップは目指せるため、まずは自分がどちらに向いているのかをしっかりと考えましょう。