AIエンジニアは独学で目指せるの?学習ステップと注意点も解説

目次
AI技術は近年急速に発展しており、更なる活用が期待されている分野です。
その中でAIを専門で扱う「AIエンジニア」は需要が高まっており、目指す人も増えている人気の職種です。
そんなAIエンジニアですが、教材や講座なども多数存在するため、学習がしやすく、独学で目指すことも可能になりました。
ただ独学にはメリットもあればデメリットもあり、効果的に学習しなければ知識や技術を習得することは難しいです。
本記事では実際に独学でAIエンジニアを目指したいと思っている人に向けて、学習ステップや注意点を解説します。
本記事を読めば、独学に向いている人と向いていない人が分かり、自分が目指すべきかどうかの判断材料になります。
自分に合った方法で効率的に学習し、AIエンジニアを目指しましょう。
独学でAIエンジニアを目指すメリットとデメリット
独学でAIエンジニアを目指すのは、メリットもあればデメリットもあります。
紹介するメリットとデメリットを比較して、メリットが上回ってデメリットをカバーできるならば、独学で勉強を進めるのもありです。
自身の性格やスキルと相談して決めましょう。
メリット
独学でAIエンジニアを目指すメリットは2つあります。
- 自分のペースで学習できる
- 学習にかかる費用を抑えられる
自分の学びたい分野から学習でき、1日にどの程度学習に時間を使うのかも自分で調整できます。
スクールなどに通わずに学習を行う場合、大きな費用もかからず金銭面の心配が少ないのも大きなメリットです。
特に学生は金銭面が厳しく、スクールにお金をかけられない人も多く、独学は魅力に感じるでしょう。
自分でスケジュール管理ができる人や、一人で何かを成し遂げた達成感を味わいたい人であれば、独学はおすすめです。
デメリット
独学の最大のデメリットは、モチベーションの維持が難しいことです。
分からないことがあった時や思っていたよりも学習が進まない時などに、相談できる相手がいないためモチベーションが保てず、挫折しやすくなります。
実際、エンジニアを目指す人の多くは「モチベーションが続かない」「不明点を解決できない」などによる学習の行き詰まりで挫折しています。
しかしこれは、講師などの指導者がいれば解決できる問題です。
他にも「現状どこから学習すべきなのか」「効率のよい学習方法は何なのか」などは、独学で的確な判断をするのは難しく、経験者の手助けがほしい部分です。
学生時代に家では勉強が捗らず、塾で指導を受けていたという人は、独学には向かないかもしれません。
独学でAIエンジニアになるための勉強方法
独学でAIエンジニアを目指すと決めたのであれば、次に考えるべきは勉強方法です。
勉強方法にもいくつか方法があるため、自分に合うものを選びましょう。
- 参考書を使う
- 学習サイト・Web教材を活用する
- 講座を受ける
- 勉強会や交流会に参加する
1つだけでなく、複数の方法を組み合わせて、継続的に学習できるようにするのがおすすめです。
参考書を使う
勉強すると考えた時の基本的な方法が、参考書を使った学習です。
AIに関する参考書は、学習者のレベルや資格取得向けなどの目標に応じて様々なタイプがあり、今の自分に合ったものを選びやすいです。
自分が理解しやすいと感じたり、学習を続けやすい仕組みがある本を選びましょう。
特に未経験の人は、基礎から体系的に学べる参考書を選ぶのがポイントです。
基礎から順番に学ぶことで理解がしやすく、確実に知識を習得していけるからです。
書店での試し読みや通販サイトのレビューを参考にすると、より適切な参考書を選べるため、有効活用しましょう。
学習サイト・Web教材を活用する
インターネット上には多くの有用な教材が存在しますが、それはAIエンジニアの学習にも当てはまります。
ネット上の学習サイト・Web教材は、基礎から応用まで幅広い範囲を学べる教材が揃っており、ひととおりの学習ができます。
学習内容の確認ができる模擬試験を受けられるものもあり、1人でも学習しやすい環境が整ってる点も魅力です。
書籍と違いネット上の情報は更新されるため、最新の技術やトレンドも捉えやすく、中には無料で使えるサイトもあり、独学で学習する人の大きな手助けとなります。
サイトによっては実際に手を動かしながら学べる教材もあるため、目的に合わせて使い分けましょう。
講座を受ける
AIについて学べる講座も増えています。
講座といっても、現在はオンラインでの実施がメインで、その場合は外出する手間もかからないため気軽に参加可能です。
オフラインでの講義の場合は、実際にその場にいなければ感じられない空気感や雰囲気を味わえるため、独学では感じにくい刺激を受けられます。
講座は動画やライブ配信、Zoomで相互コミュニケーションを行う授業形式などが用意されているため、自分の都合や参加しやすいものを選びましょう。
受講料が発生するため他の勉強法に比べるとコストが高いというデメリットはあるものの、経験豊富な講師から直接学べるため、信頼性は高いです。
勉強会や交流会に参加する
AIエンジニアの勉強会や交流会に参加するのも1つの方法です。
最新のAI技術や業界の動向などが学べたり、AIエンジニアとしての先輩や、これからエンジニアを目指す人と情報交換できたりします。
独学で学ぶ人にとっては、他の誰かと一緒に学習する・同じ志の人と話す機会はほぼありません。
そのため、モチベーションが湧くいい刺激をもらいやすい場所であり、他の学習者とのつながりを作れるため、参加しておくことをおすすめします。
実際のプロジェクトや技術のトレンドについても理解を深めることができるため、費用対効果は高いといえるでしょう。
独学でAIエンジニアを目指すための学習ステップ

AIエンジニアを目指すためには、ただ闇雲に学習を続けるのではなく、しっかり計画を立てて1つずつこなしていくことが重要です。
以下のステップで、計画的に学習を進めていきましょう。
- AIを使って何をしたいのか明確にする
- キャリアプランを考える
- 学習の流れを把握する
- AIに関する基礎知識を習得する
- 実践的なスキルを身に付ける
- 実際に開発に挑戦する
- AIに関する専門知識を習得する
Step1.AIを使って何をしたいのか明確にする
学習を始める前に、AIを使って何をしたいのか明確にしましょう。
AIにも様々な種類があり、文章の生成から画像の生成、システムの構築など幅広い分野で活用できます。
このようにAIは広範囲で活用できるため、その中でも何に関わりたいのかを具体的に考えておくことが大切です。
具体的な目標を持つことで、すべきことが明確になり効率的に学習でき、モチベーションアップにも繋がります。
逆になんとなく学習を始めてると、あれもこれもと手を付けてメリハリのない勉強をしてしまい、中途半端な状態に陥ってしまいます。
学習を急ぎたい気持ちは分かりますが、きちんと目指す場所を決めてから進みましょう。
Step2.キャリアプランを定める
何をしたいのか明確にできたら、次は今後のキャリアプランを設定しましょう。
目標を達成するために、どのような立場を目指せば良いのかを短期的・長期的に考えます。
この時、短期目標だけだとすぐに達成してしまいその後のモチベーションが保てず、逆に長期目標だけだとそこまでモチベーションを維持できません。
両方の目標を設定しておくことで達成した喜びも感じながら最終的なゴールまで進めるため、モチベーションを維持しやすくなります。
目標を設定する際は、具体的な分野や職種・業界・企業を定めておくことで、迷いを減らすことができます。
Step3.AI学習の流れを把握する
AIについての学習に取りかかる時、最初に学習の全体像を把握することが必要です。
AIエンジニアは幅広い知識と技術が求められるため、計画的に学ばなければ効率が悪くなり、学習に膨大な時間を割くことになります。
そのため、まずは全体の流れを理解してから、細かく学習計画を立てていきましょう。
キャリアプランを設定した時のように、短期目標と長期目標を立てておくことで、モチベーション維持につながります。
Step4.AIに関する基礎知識を習得する
具体的な計画が立てられたら、学習スタートです。
まずはAIの全体像を学び、その後に細かく基礎知識を習得しましょう。
AIの全体像を学ぶのは「AIとはどういった技術でなりたっているのか」「何ができるのか」を理解するためです。
これらが分からないと、今後の学習でつまずきやすくなってしまいます。
基礎知識には、以下のような分野が該当します。
- AIに関する知識
- 数学的知識
- プログラミング言語
- 機械学習
プログラミングではAIや機械学習の分野で幅広く使われている「Python」から学ぶのがおすすめです。
AIエンジニアに必要な知識はこれ以外にもあり多岐に渡るため、基礎をしっかり固めておくことで今後の学習もスムーズに進められます。
Step5.実践的なスキルを身に付ける
AIの基礎知識を学習し終えたら、次は実践的なスキルを身に付けるステップへ移りましょう。
実践的なスキルとは、基礎知識や理論をもとに実際のプロジェクトや問題解決に対応する技術のことです。
具体的に身に付けるべきなのは、以下のようなスキルです。
- データ収集や前処理
- モデルの学習・評価
- デプロイと運用
これらのスキルを身に付け、実際の業務に活かせるレベルまでスキルアップさせましょう。
実践的なスキルの習得には、再利用可能なコードセットやライブラリなどの集合体「フレームワーク」を活用しましょう。
フレームワークを使用することで、効率的に設計や実装方法ができるようになります。
Step6.実際に開発に挑戦する
基礎知識と実践的なスキルが身に付いたら、実際にAI開発に挑戦してみましょう。
AIエンジニアになるためには、知識や理論としてのAI技術を学ぶだけではなく、実際に使いこなせなければならないからです。
自分でテーマを設定してAIモデルを作成したり、データセットを活用して問題解決に取り組むなど、実際に手を動かしてみましょう。
実際に開発してみることで、コードの読み書きやデバッグ能力、プロジェクトの管理スキルなどが磨かれ、より実践的な技術が培われます。
AIエンジニアになる前にこの経験をしていると、即戦力として起用されやすくなるでしょう。
Step7.AIに関する専門資格を取得する
知識や技術を学ぶにあたり、AIに関する専門資格の取得もおすすめです。
資格が取得できれば具体的に自分のレベルが分かるため、学習計画の調整にも役立ちます。
AIに関係する資格は、以下のようなものが挙げられます。
- AI人材検定
- 認定AI・IoTコンサルタント
- Pythonエンジニア認定データ分析試験
- G検定
- E資格
資格取得は学習のみならず、自身のスキルの証明にもなり、就活でも有利に働きます。
もしあなたが面接官であったならば、資格の有る人とない人が面接に来て、他の要素に大差がなかった場合どちらを採用しますか?
こう考えると、資格は取得しておいたほうがいいと分かるのではないでしょうか。
学習・就活の両方で役に立つため、積極的に資格を取得しましょう。
独学でAIエンジニアを目指す時の注意点
独学でAIエンジニアを目指す際には、注意しなければならないこともあります。
以下の4点に注意が必要です。
- 目標を明確に設定しながら学習する
- 学習の進捗を確認しながら進める
- 不明点を放置しない
- 途中で挫折しない体制を整える
どれも独学で起こりやすい問題のため、気を付けながら学習してください。
目標を明確に設定しながら学習する
独学でAIエンジニアを目指す際には、具体的な目標を設定してから学習するのが、モチベーション維持のために必要不可欠です。
短期的な目標と長期的な目標の両方を明確に設定することで、何をするべきか分かり、学習を進めやすくなります。
目標はモチベーションの維持にも貢献し、短期と長期の目標を組み合わせることで継続的に学習意欲をもてます。
学習中にも都度、目標設定が正しいかを見直しながら進むことで、方向性のブレを防げるため、効率的に学習が進められるでしょう。
学習の進捗を確認しながら進める
目標に向かってひたむきに学習を行うのも大切ですが、進捗の確認を怠らないようにしましょう。
学習の進捗を確認しないと、方向性がずれてしまったり、自分のレベルを認識しないまま進んでしまうことになります。
方向性がずれると、本来目指していたキャリアプランから逸れてしまい、修正に時間をかけなければいけなくなります。
週単位や月単位で学習成果を振り返ったり、ずれていれば予定の修正をしましょう。
進捗確認をして不足している分野を特定したり、小さな達成感を積み重ねることで、自信が生まれモチベーションも保ちやすくなります。
不明点を放置しない
独学で学んでいる時の最大の障壁となるのが、不明点があった時に解決しにくいことです。
同じように勉強をする仲間や勉強を教えてくれる講師がいれば、すぐに解決できますが、独学では難しいです。
そのため不明点が解決できずにそのまま放置し、学習を進めていくうちに理解できていない部分が増え続け、最終的に挫折してしまいます。
特に基礎はその後の応用や実践にも活用する重要な部分であるため、少し時間がかかってたとしても必ず解決してから次の項目に進みましょう。
また自分がつまずいた不明点は、他の人が同じところでつまずいている箇所であることがほとんどです。
インターネットで検索すれば解決することも多いため、挫けずにまずは探してみましょう。
途中で挫折しない体制を整える
独学で学習を行う際の大きな課題は、モチベーションを保って途中で挫折しないことです。
独学は不明点があった時に解決しにくかったり、一緒に学ぶ仲間がいなかったりと、モチベーションが下がる要因が複数あります。
無理なスケジュールで学習を進めようと詰め込み過ぎてしまい、予定が狂っていくのを修正できず挫折するパターンも多いです。
継続的に学習できるように、自分のモチベーションを維持できる環境を整えましょう。
例えば「週に1回は外出して気分転換する」「無理な学習計画は立てず多めに時間を確保する」などが挙げられます。
挫折せず学習できるよう、自分に合った方法を見つけましょう。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
AIエンジニアの今後
AIエンジニアを目指すと決めて学習を始める際、気になるのは将来性ではないでしょうか。
中には「エンジニアもAIに仕事を奪われるのでは?」と不安になっている方もいます。
結論としては、AIエンジニアは将来性のある職種です。
ただし、AIに置き換えられる業務もあります。
大きな理由は、AIが発展していく中で、AIを開発したり扱える技術者が必要になるからです。
AIが発展していけばいくほど、AIが活用される場は増え、様々な業界や企業で導入されるようになるでしょう。
それに伴って、クライアントに求められることも増えていき、必要なスキルも高度になっていきます。
そのため、高い技術を持つAIエンジニアは今後も必要とされるといえるのです。
もう1つの理由として「人間だからできること」はなくならないということが挙げられます。
AIが進化しているとはいえ、人間になることはできません。
創造力や共感力、倫理観などは、人間だから持っている力であり、AIエンジニアに求められる、重要なスキルです。
クライアントと直接話をしたり、利用者のニーズを考える中で、人間だからできることを提案するのがAIエンジニアの役割の1つといえます。
「自分にできることは何か」と日々考え、求め続けられる人材を目指しましょう。
独学でAIエンジニアを目指す際によくある質問
ここまで読み進めても「独学でAIエンジニアを目指したいけど、やっぱり不安」「本当に独学でも大丈夫なの?」と感じる人はいるのではないでしょうか。
そこでこの項目では独学でAIエンジニアを目指す人が抱きやすい質問2つに答えます。
- AIエンジニアになるにはどうすればいいの?
- AIエンジニアを目指すためにITスクールに通ったほうがいい?
独学の不安を取り除くためにも、ぜひ参考にしてください。
Q1.AIエンジニアになるにはどうすればいいの?
AIエンジニアになるにはAIの学習をするのはもちろんですが、他にもやるべきことがたくさんあります。
以下のステップを順番にこなして、AIエンジニアの道を切り拓きましょう。
- キャリアプランを明確にする
- 基礎知識を習得する
- 実践的なスキルを身に付ける
- 資格を取得する
- 就活する
自分の軸がぶれずに「今何をすべきなのか」を見失いにくいため、学習を始める前に必ずキャリアプランを明確にしましょう。
詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
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Q2.AIエンジニアを目指すためにITスクールに通ったほうがいい?
本記事で何度もお伝えしたように、独学ではモチベーションの維持が大きな課題となります。
1人で淡々と学習を続けられる人であれば問題ありませんが、全ての人がそうではありません。
「自分1人では学習を続けられるか不安…」
「何かあった時に相談できる相手がほしい」
このように思う人は、スクールを活用するのがおすすめです。
スクールを活用しても継続的な自習は必要ですが、講師や同期などの相談相手や切磋琢磨できる人がいる環境だと挫折しにくくなります。
このような環境であれば独学よりも効率的に学習できます。
独学よりもコストはかかりますが、むしろお金がかかるからこそ「本気でやらなければ」と覚悟が決まるかもしれません。
自分はどうしたらスイッチが入るのかを見極めて、必要であればスクールの利用を検討しましょう。
まとめ
独学でAIエンジニアを目指す方法を紹介してきましたが、モチベーション維持やキャリアプランの明確化など、難しい面も多くあります。
そのため、独学のデメリットを自分でカバーできる人にはおすすめできますが、これには向き不向きがあり、万人にはおすすめできない方法です。
それでも独学で学習しようと思っている人は、本記事で紹介した方法でステップを踏み、注意点を押さえながら学習を進めましょう。
弊社ESESはSES企業です。
企業からの様々な案件を取り扱っており、自分に合った案件も見つけられます。
ESESでは案件選択制度や単価評価制度の導入、高還元率など、エンジニアの働きやすさを大切にしています。
「経験を積みながらAIエンジニアを目指したい」という方は、弊社も選択肢の1つとして考えていただけたら幸いです。

監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
AIエンジニアになるために必要なのは?
AIエンジニアに限ったことではありませんが、学習を始めるときには何を身に付けるべきなのかを知っていないといけません。
AIエンジニアとして求められる知識・技術は以下のようなものです。
・AIに関する知識
・AI開発フレームワークの知識
・ディープラーニングや機械学習の知識
・高度なプログラミングスキル
・データベース運用の知識
・数学の基礎知識
・実証実験に関するスキル
・最新事例、技術のリサーチ力
・データ分析力
・論理的な思考力
AIはIT業界の最先端の技術。
AIエンジニアとして業務にあたるためには、多様で高度な知識や技術が必要になります。
また、企業によっても求められるスキルは異なります。
短期間で全てを身に付けることはできないため、計画的に学習を続けていきましょう。