20代エンジニアの転職って実際どう?転職成功のコツも解説
エンジニアになったものの、様々な理由から20代で転職を考える人もいるでしょう。
ただ、覚悟を決めて転職活動をしても、失敗するケースがあるのも事実です。
本記事では「20代エンジニアが転職を考える理由」や「転職に失敗するケース」さらには「転職を成功させるコツ」をご紹介します。
「石の上にも三年」という言葉があるように、入社したら一定のスキルを習得するまでは転職しない方が良いという考え方もあります。
しかし、転職に向けた行動を起こすことで、今後のキャリアを見つめ直すきっかけとなる場合もあるでしょう。
ポイントを押さえて転職活動を行うことで成功の可能性は高まるため、転職を検討している20代エンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
20代エンジニアが転職を考える理由
人によって転職を考える理由は異なりますが、ここではよくある5つをご紹介します。
- 人間関係が悪い
- 残業が多い
- 収入が低い
- 将来に不安がある
- やりたいことができない
納得のいく転職をするための第一歩として、一般的な転職理由を把握しておきましょう。
人間関係が悪い
エンジニアに限ったことではありませんが、人間関係を理由に転職を考える人は多いです。
厚生労働省の雇用動向調査によると、男女ともに2番目に多い転職理由が「職場の人間関係が好ましくなかった」であると発表されています。
ITエンジニアはチームメンバーやクライアント、関係部署の担当者など、様々な人と連携を取りながら業務を進めます。
関係者間の人間関係が悪いとコミュニケーションが取りづらく、ミスが発生しやすくなったり、仕事がスムーズに進まずストレスを抱えることになるでしょう。
息苦しさや仕事のしづらさを感じる職場では、転職の意思が芽生えやすいといえます。
参考:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」
残業が多い
エンジニアは予想外のトラブルが起こったり、納期までの期間が短いなど、様々な要因で残業が発生しやすい職種です。
厳しい納期や急な仕様変更にも対応する企業に勤めている場合は、残業だけでなく休日出勤が発生する可能性も高いといえます。
日々の業務をこなす中で「残業することが当たり前」という生活になってしまうと、しんどくなり転職を考えるきっかけになります。
また、忙しさから精神的な不調を訴え、退職・休職するエンジニアも珍しくありません。
収入が低い
金銭面の問題で、転職を決意する人も少なくありません。
dodaの発表した平均年収ランキングによると、エンジニアの平均年収は452万円です。
ただし、勤める企業によって設定されている収入は異なるため、あくまで参考として把握しておきましょう。
エンジニアの収入が低くなる原因として、以下のような理由が挙げられます。
- 下請け案件の際に企業がマージンを多く抜いている
- 案件報酬がエンジニアに適切に還元されない
- スキルや実績ではなく勤続年数によって給与が上がる
これらの原因は企業による部分が大きく、決して全ての企業に当てはまるわけではありません。
しかし、収入の低さからモチベーションが低下してしまい、転職を検討する人がいることは紛れもない事実です。
参考:doda「平均年収ランキング」
将来に不安がある
将来に漠然とした不安を抱き、転職を考えるエンジニアもいます。
エンジニアが抱える不安には、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- エンジニアという職種に対して、または会社に対して将来性が不安
- 長年やってもスキルが身に付かず、キャリアアップできるか不安
エンジニアという働き方そのものや、勤める企業に将来性を期待できなくなり、転職を考えるケースがあります。
また、長期に渡って同じ現場に配属されたり、会社の教育環境が整っていないなどの理由から、スキルアップに不安を感じ転職を決意するエンジニアもいるでしょう。
やりたいことができない
入社時に「挑戦したい仕事」や「目指したいキャリア」などを考えていても、実際には希望通りに経験を積めないことがあります。
原因は、そもそも会社が希望に沿える仕事を扱っていなかったり、やりたいことと自身のスキルレベルが合っていないなど様々です。
やりたいことができない期間が続くとモチベーションが下がり、転職を考える原因になりやすいです。
20代エンジニアが転職に失敗する5つのケース
20代エンジニアが転職活動を行っても、必ずしも成功するわけではありません。
ここでは失敗するケースを5つご紹介します。
- いつの間にか時間が経っている
- なんとなく転職をしてしまう
- 必要なスキルがない
- 十分に転職活動を対策をしていない
- キャリアプランが明確ではない
それぞれ詳しく解説しますので、転職を失敗に終わらせないためにも参考にしてください。
1.いつの間にか時間が経っている
「そろそろ転職しようかな、どうしようかな」と考えているうちに、転職時期を逃してしまう人も少なくありません。
転職サイトや転職エージェントに登録したことで満足し、本格的な転職活動を後回しにすると、優良企業の求人を見逃してしまう恐れがあります。
20代前半であれば経験が少なくても伸びしろを見込まれて採用になるケースが多いですが、エンジニアは年齢を重ねるごとに経験を求められるようになります。
そのため、時間が経つにつれて応募可能な企業が減少してしまうのです。
求人の中には年齢制限を設けているものもあるので、必ず確認するようにしましょう。
2.なんとなく転職をしてしまう
「特に理由はないけど今の会社を辞めたい」「他にやりたいことがあるわけではないけど、なんとなく転職したい」と思っている人にありがちな失敗例です。
このような理由の場合は、面接官に転職意欲や熱意が伝わらず、不採用となる可能性があります。
また、十分な企業リサーチを行わないまま次の企業へ応募すると、入社後にミスマッチを感じ、再び転職活動をすることになりかねません。
インターネットやSNSなどの企業情報だけを信じるのではなく、実際に働いている人の口コミなどから労働環境や人間関係、待遇面などを確認することが大切です。
3.必要なスキルがない
20代の場合、高レベルのスキルを持っていないエンジニアも多いです。
伸びしろやポテンシャルを期待してもらえる20代とはいえ、企業の求める最低限のレベルに達していない場合、転職先は見つかりません。
一言にエンジニアといっても、職種によって求められるスキルは異なります。
企業によっては実技試験が実施されるケースもあるため、自分の持っているスキルを正しく把握し、就職試験に必要な技術を身に付けてから挑戦するようにしましょう。
4.十分に転職活動対策をしていない
エンジニア転職に限ったことではないですが、転職活動では面接や実技試験などが行われることが一般的です。
そのため、企業によって試験内容は異なるものの、基本的な転職活動対策は欠かせません。
面接時の質疑応答に備えることはもちろん、応募する企業の試験内容や実技試験の有無などを事前にリサーチしておくと良いでしょう。
「応募企業の試験内容に合わせた対策をしているかどうか」は面接官から見抜かれてしまうため、万全の準備で挑むことで熱意をアピールできます。
5.キャリアプランが明確ではない
企業の中には社員のキャリアアップやスキルアップに力を入れているところも多いです。
しかし、エンジニア側に「今後どうなりたいか」などの希望がなかったり、やる気を感じられなければ採用には繋がりません。
「勉強したい」という気持ちだけでなく「何を目指しているのか」を明確にしておく必要があります。
また、高収入や大手企業といった理由だけで、安易に転職先を決めることはおすすめできません。
転職活動を始める前に「キャリアアップを目指したい」「プライベートの時間を大切にしながら働きたい」など、自分の意思を固めておきましょう。
20代エンジニアが転職を成功させるコツ
ここからは、20代のエンジニアが転職を成功させるコツをご紹介します。
- スキルの棚卸をする
- キャリアプランや希望条件を明確にする
- 転職のスケジュールを考える
- 基本的な転職活動の対策をする
- 深く企業研究をする
- スキルを磨く
成功のポイントを押さえ、転職活動に役立ててください。
スキルの棚卸をする
まずは、自身が持っているスキルの棚卸をしましょう。
棚卸をすることで、得意分野や強みを理解し、今後どのようにキャリアアップしていくかを考えることができます。
また、現状のレベルや立ち位置を理解できるため、習得すべきスキルが明確になるでしょう。
企業によって求めるスキルや経験は異なるため、企業ごとにアプローチを変えることも大切です。
キャリアプランや希望条件を明確にする
キャリアプランや希望条件を明確にすることで、入社後のミスマッチを減らせます。
特に「どんな企業や職種が自分に合っているのか分からない」という人は「希望の働き方」や「将来的にどうなりたいか」を具体的に考えることが大切です。
企業の中には、エンジニア自身の希望に沿った案件を割り振りしてくれたり、スキルアップのための研修を設けている場合があります。
そういった企業に入社すれば、効率良く目標に近づけるでしょう。
転職のスケジュールを考える
転職のスケジュールを考えることも大切です。
無計画に転職活動を始めてしまうと「いつの間にか何ヶ月も経っている」なんてことになりかねません。
転職活動をすると決意したのであれば「いつまでに転職をするか」「企業研究の期間をどのくらい設けるか」など、細かくスケジュールを立てましょう。
そうすることで、確実に転職活動を進められます。
基本的な転職活動の対策をする
エンジニア転職を成功させるためには、マナーや面接対策など、転職活動に必要な基礎知識を学んでおくことも重要です。
エントリーシートや面接などは、自分自身のことを企業に具体的に伝え、相性を確認するための大切な要素です。
応募書類を丁寧に作成することはもちろん、実際の面接を想定した練習などを繰り返し行い、万全の態勢で就職試験に臨みましょう。
深く企業研究をする
20代エンジニアで転職を考えている人の中には、現職に対して「入社前に思っていたのと違う」と感じている人も少なくないでしょう。
エンジニアと企業のミスマッチが100%起こらないようにするのは難しいです。
しかし企業研究を行い、企業の性質や特徴、評価制度などを理解しておけば、ある程度のミスマッチは防げます。
また、口コミサイトなどで実際の職場環境や待遇面などの確認をしておくこともおすすめです。
求人情報やSNSなどの評判よりも、実際にその企業で働いたことがある人の口コミが役立ちます。
良い口コミだけでなく、悪い口コミにも着目し「それが事実だった場合でも勤続できるか」をよく検討してから応募しましょう。
スキルを磨く
20代エンジニアは、今後のエンジニア人生の長さを考えても、活躍し続けるためにスキルアップが欠かせません。
そのためには、自分のキャリアプランに合った技術を習得できる企業に応募するのも1つの手です。
また、転職前に幅広く高いスキルを持っているエンジニアは、採用されやすく入社後の活躍も期待されるでしょう。
IT関連の資格を取得し成長意欲や熱意をアピールできるようにしたり、ITスクールに通い知識を得るなど、転職前に準備しておくことも重要です。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
20代エンジニアが効率良くスキルアップするための方法
転職を成功させるためには、スキルを磨くことが重要です。
スキルアップの方法の1つで、かつ客観的にスキルを証明できるのは、資格を取得することです。
IT資格は決して簡単ではなく、合格するためには継続して勉強する必要があります。
取得に向けた学習によって知識や技術を習得でき、さらには面接時に技術を身に付けるための努力ができる人と判断されるため、自己アピールにも繋がります。
以下は、数あるIT資格の中で入門編とされている資格です。
・基本情報技術者試験
・ITパスポート
どちらもITに関する基本的な知識を問われる試験のため、IT初心者や経験の少ないエンジニアにもおすすめといえます。
なりたい職種が明確な人は、実務スキルの証明ができるベンダー資格や、専門性の高い知識を必要とする試験に挑戦すると良いでしょう。
転職を検討している20代エンジニアによくある質問
ここからは、転職を検討している20代のエンジニアの疑問に回答します。
- 20代未経験でもエンジニアに転職できる?
- エンジニア経験が少ない20代でも、転職して大丈夫?
- エンジニアって将来性はあるの?
- エンジニアの年収ってどれくらい?
疑問点の解消は、不安の解消にも繋がるでしょう。
Q1.20代未経験でもエンジニアに転職できる?
20代未経験でもエンジニアに転職することは可能です。
ただ、エンジニアは専門的なスキルが必要な職種ではあるので、最低限の知識・技術を学んでから転職活動をするようにしましょう。
当然ながら企業によって、未経験エンジニアを歓迎しているかどうかは異なるため、以下のような企業を狙うことをおすすめします。
- 20代前半のうちはポテンシャルを重視して採用する企業
- SESのように経験が少なくても担当できる案件がある企業
このように、条件を考えながら応募する企業を決め、なるべく早めに行動することが大切です。
Q2.エンジニア経験が少ない20代でも、転職して大丈夫?
転職する理由や、今後のキャリアプランなどが定まっている場合は、エンジニア経験が少なくても転職可能です。
ただし、極端に経験が少なすぎるとスキルが身に付かないため、1年間は1つの企業に勤めることをおすすめします。
エンジニアは経験や実績を積むほど、転職活動が有利になります。
しかし、現在勤めている企業で働き続けることがしんどく、メンタル不調に陥ったり体調を崩す程であれば、早めに転職を検討するべきです。
Q3.エンジニアって将来性はあるの?
エンジニアは将来性のある職種です。
将来性があるといえる理由に、以下のような点が挙げられます。
- IT業界は人材不足に陥っている
- ITエンジニアはどの業界でも求められている
- 最新の技術に対応できる人材が求められている
- 働き方が多様化している
IT化が進む世の中で、技術を適切に扱える人材は少なく、IT業界は慢性的な人手不足に陥っています。
一方で、企業が経営を続けるためにも、最新のIT技術を扱える人材は必要不可欠であり、ITエンジニアは業界を問わず求められているのです。
また、エンジニア職種はリモートワークやフレックス制などを導入している企業が多く、柔軟な働き方を実現しやすいです。
このような理由から、エンジニアは将来性が高く、今後も需要が伸び続けていくと予想されています。
以下の記事でITエンジニアの将来性について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
合わせて読みたい
Q4.エンジニアの年収ってどれくらい?
dodaの「平均年収ランキング」によると、エンジニア全般の平均年収は452万円です。
専門的な知識を必要とする職業であるため、日本の平均年収よりやや高めの水準といえます。
一言でエンジニアといっても種類は様々で、仕事内容や勤める企業、エンジニア自身の持っているスキルなどによって収入は異なります。
エンジニアはスキルや実績を重視される傾向にあるため、努力次第では年収アップを狙うことも可能です。
反対に、スキルアップしないと給与が上がらない場合もあるため、積極的に資格試験に挑戦したり、働く中で知識や技術に磨きをかけていきましょう。
エンジニアの平均年収については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
合わせて読みたい
参考:doda「平均年収ランキング」
まとめ
20代のエンジニアの中には、転職を検討している人も少なくありません。
転職を検討する理由は「目標とするキャリアができた」「新卒で入った企業とミスマッチだった」など、人によって様々です。
理由があって転職を決意し行動を起こしても、残念ながら失敗に終わってしまうケースがあります。
転職を失敗で終わらせないためにも、本記事で紹介したようなコツをしっかりと押さえ、成功のために行動することが大切です。
弊社ESESはSES企業で、クライアント先へエンジニアの労働力を提供しています。
エンジニアの労働環境改善に力を入れており、以下3つの制度を導入済みです。
- エンジニアの希望を叶えられる「案件選択制度」
- 収入の透明性が高く納得感を持って働ける「単価評価制度」
- エンジニアに適切な報酬を還元するための「高還元率」(現在は77%)
エンジニア自身の希望やキャリアに沿ってスキルアップできるよう、サポートを行っています。
「エンジニアとしてスキルアップしたい」と考えている方は、ぜひ弊社ESESも転職先の候補として検討していただければ幸いです。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
残業が多いことによる問題
エンジニアは経験や実績、スキルなどで評価される傾向が強い職種です。
日々業務をこなす中で新しい知識を習得したり、最新のIT技術を一早く身に付けておく必要があります。
そのため、仕事の合間や業務外の時間に勉強することが求められますが、残業が多いと学習時間の確保ができません。
残業の多さから「与えられた仕事をただこなすだけ」の毎日となってしまった場合、現状の能力以上のスキルを身に付けることが難しくなります。
さらに、プライベートの時間も削られてしまうため、ワークライフバランスを大切にするエンジニアにとっては、ストレスとなるでしょう。
一般的に、エンジニアは残業が多いイメージを持たれがちです。
しかし、企業によって平均残業時間や勤務形態は異なるため、転職の際の要チェック項目として覚えておきましょう。