SESで帰属意識が持てない理由と対策|エンジニアとして働きやすい企業を考えよう
SESは、エンジニアがクライアント企業に常駐して働くスタイルが一般的です。
そのため、自社とのつながりが希薄になりやすく、帰属意識を持ちにくいと感じる人も少なくありません。
本記事では、SESにおいて帰属意識を持ちにくくなる背景や、そこから生じる課題について掘り下げていきます。
さらに、そうした課題への対策や、エンジニアが安心して働ける環境づくりに力を入れているSES企業の特徴についてもご紹介します。
「自分らしく働ける環境とは何か?」を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
SESで帰属意識が持てない5つの理由
SESは、エンジニアがクライアント企業に常駐して働くという性質上、帰属意識を持ちづらい傾向にあります。
その理由として、主に以下の5つが挙げられます。
- 自社メンバーと顔を合わせる機会が少ない
- 案件ごとにメンバーが変わる
- 常駐先が魅力的に見える
- 評価が不当だと感じている
- 困った時に頼れない
1.自社メンバーと顔を合わせる機会が少ない
SESでは、エンジニアがそれぞれのクライアント先に常駐しているため、自社オフィスに出社する機会がほとんどありません。
その結果、同じ会社に所属していても他の社員の顔や名前を知らないケースも珍しくなく、帰属意識を持ちにくくなります。
コミュニケーションが少ないと「自分がこの会社の一員である」という実感は薄れがちです。
特に入社直後から常駐先に配属される場合は、自社の文化や雰囲気を理解する前に現場へ出ることになり、会社とのつながりを感じにくいまま業務を進めることになります。
日常的な交流がないことは、会社への愛着や仲間意識を育むうえで大きな障壁となるでしょう。
2.案件ごとにメンバーが変わる
SESではプロジェクト単位で配属先が変わるため、案件が終了するたびにチームメンバーも入れ替わるのが一般的です。
そのため、その都度関係性がリセットされ、長期的な信頼関係やチームワークを築きにくい状況にあります。
たとえ前の現場で良好な人間関係を築けたとしても、次の現場ではまったく異なるメンバーと一からの関係づくりが求められます。
その繰り返しの中で「自分の居場所はどこなのか」「この会社に自分の居場所はあるのか」といった疑問や不安が湧き、帰属意識が曖昧になることもあるでしょう。
3.常駐先が魅力的に見える
クライアント企業の中には、大手企業や魅力的なプロジェクトを抱える環境で働けるケースもあります。
技術的な挑戦やスケールの大きさに惹かれ、やりがいを感じる場面も多いでしょう。
そうした環境で働くうちに「自社よりも常駐先のほうが良い」と感じることも珍しくありません。
その結果、自社への愛着が徐々に薄れていってしまいます。
また、プロジェクトの魅力だけでなく、常駐先の充実したオフィス環境や福利厚生、社内イベントなどでも、自社との格差を実感し、帰属意識に影響が出ることもあります。
4.評価が不当だと感じている
SES企業では、エンジニアが常駐先で業務を行っているため、上司や人事担当者が日々の働きぶりを把握できないまま評価を行うケースも見受けられます。
その結果「努力しても報われない」「自分を見ていない」といった不満が溜まりやすくなるのです。
こうした状況が続くと、会社に対する信頼感や帰属意識が低下してしまいます。
特に、評価基準が不透明だったり、常駐先からのフィードバックが適切に自社へ伝わっていなかったりすると、正当な評価を受けられていないと感じるでしょう。
5.困った時に頼れない
常駐先でトラブルや課題に直面した際、自社のサポート体制が不十分だと「自分は一人で戦っている」と感じてしまいます。
その結果、精神的な負担が大きくなることもあるでしょう。
特に、営業担当や上司とのやりとりが少なく、気軽に相談できる相手がいない状況では、業務上の悩みだけでなく、人間関係やキャリアに関する不安も抱え込みがちです。
誰にも話せないまま時間が過ぎていくと、次第に孤立感が深まり「この企業に居続ける意味はあるのか」と疑問を抱くこともあります。
SESで帰属意識が持てないことによる問題点
SESエンジニアが帰属意識を持てないまま働くと、様々な悪影響が生じます。
主な問題点として、以下が挙げられます。
- 人材の出入りが激しい
- モチベーションが上がりにくい
- チームワークが生まれにくい
- スキルアップの機会が限られる
人材の出入りが激しい
帰属意識が低い会社では「この会社で長く働く理由」が見いだせず、より良い待遇や環境を求めて転職する人が多くなります。
その結果、ますます人間関係を構築しにくくなり、職場の信頼関係を育むことが難しくなるのです。
また、人材の流動性が高い企業はノウハウも蓄積しにくく、組織としての成長も停滞しがちです。
新たにメンバーを迎えても定着しないので、チームのパフォーマンスが安定せず、プロジェクトの質や納期にも影響が出る可能性もあります。
加えて、離職率の高さは企業の評判にも影響し、優秀な人材の採用が難しくなるという問題も生じるでしょう。
モチベーションが上がりにくい
自社とのつながりを感じられない状態が続くと、業務へのモチベーションを保ちにくくなります。
「会社のために頑張ろう」という意識が薄れ、与えられた仕事だけを淡々とこなすようになりがちです。
特に成果が評価につながりにくい環境では「努力しても報われない」という無力感を持ちやすくなってしまいます。
その結果、主体的に業務改善や新しい技術習得に取り組む意欲も低下し、成長の機会を逃したり、キャリア形成に悪影響を及ぼしたりする可能性もあるでしょう。
さらにモチベーションの低下は業務品質にも影響し、クライアント企業からの評価が下がるリスクもあります。
チームワークが生まれにくい
SESは案件単位で現場が変わるため、自社メンバーと同じチームで働く時間が限られています。
そのような環境では帰属意識が育ちにくく「チームの成果に責任を持つ」という意識も希薄になりがちです。
結果として、チームプレーよりも個人プレーが目立ちやすくなります。
協調性の欠如や情報共有の不足が生じ、プロジェクト全体の成果にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
さらに、他のメンバーの状況に関心を持たなくなり、困っている仲間がいても自然と助け合えるような文化が育ちにくくなります。
こうした状況が続くと孤立感が強まり、帰属意識がさらに低下するという悪循環に陥りやすくなります。
スキルアップの機会が限られる
帰属意識が低いと、会社の研修や教育制度を積極的に活用しようという意欲も薄れがちです。
その結果、会社側も個々のスキル状況を把握しづらくなり、適切なサポートの提供が難しくなります。
このような状況が続けば、エンジニアの業務経験が特定の分野に偏りやすくなるでしょう。
また、エンジニアが自発的に学ぶ姿勢を失えば、最新技術への対応が遅れ、スキルの幅を広げる機会も失われてしまいます。
こうした積み重ねが、長期的なキャリア形成を困難にし、高単価な案件や新たな分野に挑戦するチャンスを逃してしまう可能性もあります。
SESで帰属意識を持つための対策
SESの仕組み上、強い帰属意識を持つことは難しい面がありますが、エンジニアの意識次第で変えられることもあります。
以下のような対策を検討してみましょう。
- 無理に帰属意識を持とうとしない
- スキルアップ・キャリアアップに注力する
- 転職も視野に入れる
無理に帰属意識を持とうとしない
SESの働き方は本来、柔軟で自由度が高いのが特徴です。
しかし常駐先での業務が中心となるため、自社とのつながりを感じにくく、帰属意識を持ちづらいと感じる方もいるでしょう。
大切なのは、会社への帰属意識よりも、自分の価値観やキャリアの方向性を明確にすることです。
精神的な拠り所を「会社」ではなく「自分」に置くことで、帰属意識に左右されない働き方ができます。
また「会社に属する」のではなく「会社と協力する」という視点で捉えるのも良いでしょう。
会社に過度に依存しない働き方は、エンジニアの自立性を高め、市場価値の向上にもつながります。
クライアントへの貢献に注力し続ければ、自分にとって自然な働き方や、会社との適切な距離感が見えてくるはずです。
スキルアップ・キャリアアップに注力する
エンジニアとして長く活躍していくためには、継続的なスキルアップが欠かせません。
新しい技術を学び続け、市場価値を高めていくことで、自分の力でキャリアを切り拓くことができます。
そうした前向きな姿勢で日々の業務に取り組んでいれば、自然と「この会社でもう少し頑張ってみよう」という気持ちが芽生えることもあるでしょう。
スキルの幅が広がれば、携われる案件やキャリアの選択肢も増えていきます。
そして、自分の成長を実感できるようになると、仕事へのやりがいも高まり、今の環境でも前向きに働けるようになるはずです。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
待機期間にスキルアップ!
SESには待機期間がつきものですが、この期間を有効活用してスキルアップするのもおすすめです。
案件稼働中は、どうしても目の前の業務に追われ、新しい技術を体系的に学ぶ時間が取りにくいものです。
しかし、待機期間中であれば比較的まとまった時間を取りやすく、自分のペースで学習を進められます。
待機期間中に取り組むべき活動としては、会社内研修への参加や資格取得、オンライン講座の受講などが挙げられます。
特に、会社で設けられている学びの機会を積極的に活用することが大切です。
待機期間を「仕事がない不安な時間」と捉えるのではなく「自分を磨く絶好のチャンス」と前向きに捉えることが、SESで長く活躍するための鍵となります。
転職も視野に入れる
自社の環境がどうしても合わないと感じる場合は、転職も1つの選択肢です。
帰属意識を大切にしたいのであれば、エンジニアの働き方を尊重し、キャリアサポートに力を入れている企業を探しましょう。
冷静に状況を見極め、より自分に合った環境を見つけることで、スキルアップやキャリアアップにもつながりやすくなります。
ただし、転職先でも同じような課題に直面する可能性があるため、慎重に企業選びをする必要があります。
帰属意識を持ちやすいSES企業の特徴

SES企業の中にも、社員が安心して働ける環境を整え、自然と帰属意識が育まれるような取り組みを行っている企業も存在します。
以下のような特徴を持つ企業では、帰属意識を持ちやすいといえるでしょう。
- 評価制度が明確
- キャリアパスを描きやすい
- チームで現場に入れる
- 会社に信頼できる人がいる
- 自社製品・サービスも展開している
- 帰社日を設けている
評価制度が明確
透明性の高い評価制度は、社員が企業を信頼するための重要な要素です。
常駐先での業務内容や成果を正しく評価する仕組みが整っていれば、エンジニアは「見てもらえている」「きちんと評価してもらえている」と安心できます。
また、フィードバックの頻度が高かったり、評価の根拠が明示されていたりする場合は、日々のモチベーション維持にもつながります。
例えば「単価評価制度」のような、市場価値(案件の単価)と給与がきちんと結びつく制度が導入されていることも1つのポイントです。
以下の記事では、SESにおける単価評価制度の仕組みや特徴について紹介しています。
単価評価制度がなぜ報酬の透明性につながるのかを解説していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
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キャリアパスを描きやすい
将来のキャリアを具体的に描ける環境が整っていると、エンジニアは安心して長期的に働けるものです。
キャリアカウンセリングや研修制度が充実している企業は、エンジニアの将来を大切にしている証拠でもあります。
「この会社でなら、将来のビジョンを持って働ける」と感じられれば、着実にスキルを高めながら、前向きな姿勢で日々の業務に取り組めるでしょう。
さらに、目標を共有できる上司や、気軽に相談できるメンターが身近にいることで、日々の悩みや不安を一人で抱え込まずにすみます。
信頼できる人とともに働ける環境は、安心感を生み出し、自然と会社への帰属意識を育てていく土台となるでしょう。
チームで現場に入れる
同じ会社の仲間が近くにいれば、相談や情報共有もしやすく、孤立を防げます。
現場でチームとして成果を出せば「会社として貢献できた」という実感も得やすく、帰属意識が育ちやすいです。
一緒に業務に取り組むうちに、自然とチームワークも良くなっていくでしょう。
複数名でプロジェクトに参画できれば、技術的な相談もスムーズに行えます。
また、常駐先での人間関係に悩んだ時にも、社内の仲間がいることで精神的な支えとなります。
チーム配属を重視している企業は、エンジニア同士のつながりを大切にしている証拠です。
会社に信頼できる人がいる
信頼できる上司や営業担当、同僚の存在は、帰属意識を支える大きな要素です。
日々の業務の中で困難に直面したとき、気軽に相談できる人が身近にいるだけで、心理的な負担は大きく軽減されます。
小さな悩みでも共有できる環境があると「一人ではない」という安心感が生まれ、仕事への前向きな姿勢を保ちやすくなるのです。
また、コミュニケーションを重視して社員の声を大切にする文化がある企業は、エンジニアにとって働きやすい環境といえます。
例えば、定期的な面談や意見交換の場が設けられている企業では、社員が自分の考えを発信しやすく、組織に対する信頼感も高まりやすいです。
このように信頼できる人が社内にいることは、仲間意識を芽生えさせ、自然と会社への帰属意識を強めていくのです。
自社製品・サービスも展開している
SES事業だけでなく自社開発や受託開発を行っている企業は、社員が「会社の成果物」を目にする機会が多いです。
自分たちが関わったプロダクトが形となり、世の中に提供されている様子を実際に確認できることは、大きなやりがいにつながります。
自然と会社への愛着が生まれ、チーム全体の団結力も強くなるでしょう。
さらに自社開発や受託開発は、企画から運用保守まで一貫して経験できるケースも多く、エンジニアとしての視野やスキルの幅を広げられます。
プロジェクト全体の流れを把握しながら取り組めるため、マネジメント力も養われるでしょう。
特にマネジメントの経験は、自分個人の成長だけでなく、仲間や組織の成長も意識する機会が多いので、帰属意識を強める要因にもなります。
帰社日を設けている
定期的に社員が本社に集まる「帰社日」は、帰属意識を高めるうえで効果的な取り組みです。
常駐先では会えない同僚や上司と顔を合わせる機会が増えることで「会社の一員である」という感覚を持ちやすくなります。
また、帰社日には情報共有の場が設けられることが多いです。
最新の会社方針や事業の進捗を知ることで、自分の仕事が組織全体にどのように貢献しているのかを理解できます。
さらに、社内勉強会や研修会が開催されていれば、スキルアップの機会にもなるでしょう。
このように帰社日を通じて、同僚や上司、さらには部署や役職を超えたつながりが生まれると、社内文化の浸透にもつながり、仲間意識が自然と育まれていきます。
まとめ
SESは働く環境や評価体制の特性上、どうしても帰属意識を持ちにくい面があり、会社とのつながりを感じにくいのは自然なことといえるでしょう。
だからこそ、無理に会社に執着する必要はなく、自分のキャリアをどのように築くか、どんな環境で力を発揮できるかを見極めることが大切です。
私たちESESも、SES企業の1つです。
ESESはエンジニアが安心して働けるように労働環境の整備に力を入れています。
具体的には、以下のような取り組みを行っています。
- エンジニア自身が案件を選べる「案件選択制度」により、希望するスキルを習得できる
- クライアントの提示金額をもとに報酬を決める「単価評価制度」を導入し、透明性と納得感のある報酬を実現
- エンジニアがチャンスを掴めるよう、スキルアップの体制を強化
こうした取り組みは、スキルアップやキャリアアップはもちろん、将来的な転職や独立といった選択肢にもつながり、あなたのキャリアを理想に近づける後押しとなります。
興味をお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にESESまでご相談ください。










監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
帰属意識・エンゲージメント・ロイヤリティの違いを理解する
帰属意識と似た言葉に「エンゲージメント」と「ロイヤリティ」がありますが、意味や違いは知っていますか?
まず「帰属意識」は、社員が「この会社の一員である」と感じる所属感や愛着のことで、社員から企業への一方向の気持ちです。
一方「エンゲージメント」は、社員が企業や仕事に対して「貢献したい」という気持ちであり、社員と企業の間で双方向にベクトルが向いています。
さらに「ロイヤリティ」は、企業に対する忠誠心や献身的な姿勢を意味し、主従のニュアンスも含むことが帰属意識との違いです。
もしも、ぼんやりと「何となく違和感がある」と感じているときは、必ずしも帰属意識の問題ではないかもしれません。
その違和感はどこから来ているのか、自分と組織との関係性を見つめ直したり、違和感の元となる出来事を深掘りしたりすると、何か見えてくるかもしれません。