在宅プログラマーはきつい?5つの理由と向いている人の特徴を解説

目次
在宅ワークの普及により「在宅プログラマー」という働き方が注目を集めています。
通勤時間の削減や、自分のペースで働ける点に魅力を感じる方も多いでしょう。
一方で、在宅ならではの孤独感や自己管理の難しさに悩むケースもあります。
実際に働いてみて「思ったよりきつい」と感じる人も少なくありません。
この記事では、在宅プログラマーがきついと言われている5つの理由や、向いている人の特徴を解説します。
在宅でプログラミングの仕事をしたいと考えている方は、働き方を見直す材料として参考にしてください。
在宅プログラマーがきついと言われる5つの理由

在宅プログラマーとして働いてみると、予想以上にストレスを感じるという声も多いです。
実際、リクルートキャリアの調査によると、在宅勤務経験者の約4割が「ストレスを感じた」と回答しています。
集中力の維持やコミュニケーションの取りづらさ、オンとオフの切り替えの難しさが主な要因といえるでしょう。
プログラマーは一人で作業に没頭する時間が長くなるため、こうした問題がより表面化しやすい傾向があります。
ここでは、在宅プログラマーが「きつい」と感じる5つの理由を詳しく解説します。
参考:リクルートキャリア「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」
1.仕事と私生活の境界が曖昧になる
在宅で働くプログラマーにとって、仕事と私生活の切り替えが難しいと感じる場面は少なくありません。
自宅というリラックスすべき空間に、業務の緊張感が入り込んでしまうことで、常に仕事のことが頭から離れない状況になってしまいます。
結果として、就業時間外にも気が抜けず、慢性的な疲労感やストレスにつながることも。
逆に、私生活の延長線上に業務があると感じてしまい、集中力が高まらず作業効率が落ちることもあります。
環境の変化がないことが、意識の切り替えを難しくする要因になっているのです。
プログラミングは集中が必要な作業のため、環境による影響を受けやすい職種といえるでしょう。
2.孤独を感じる
在宅で働くプログラマーは、職場での何気ない会話や雑談といったコミュニケーションの機会が極端に減る傾向があります。
一人で黙々と作業を続ける時間が長くなり、孤独感を抱きやすくなるのが特徴です。
誰かにすぐ相談できる環境がないと、業務でつまずいたときに精神的な負担が大きくなりやすいです。
一見すると自由な働き方に見える在宅勤務ですが、人とのつながりを重視する人にとっては、想像以上に負担となることも少なくありません。
3.コミュニケーションの問題が起きやすい
在宅での業務では、ビデオ通話を活用する場面もありますが、日常的なやり取りの多くはチャットツールが中心です。
文章だけでやり取りを行うため、意図が正しく伝わらなかったり、言い回しの違いから誤解が生じたりすることも珍しくありません。
対面での何気ないフォローや声かけができない分、すれ違いが解消しづらいのです。
ちょっとした相談や雑談がしにくい状況は、チームメンバーとの距離感を生みやすく、人によっては疎外感や孤独感につながります。
特に新しくプロジェクトに参加した人や、社内の人間関係が浅い状態では、気軽に質問できる雰囲気がつかみにくく「きつい」と感じやすいでしょう。
4.自己管理が難しい
在宅プログラマーとして働くには、与えられた納期に向けて自分で作業の段取りを組み、進捗を管理していく力が求められます。
オフィス勤務のように上司や同僚が進行状況を逐一確認してくれる環境ではないため、ミスや遅れに自ら気づけないと大きなトラブルにつながる可能性があります。
タスクの抜けや重複を防ぐためには、スケジュール管理ツールや進捗の見える化など、日々の作業を整理する習慣が欠かせません。
一見すると自由度の高い働き方に見える一方で、自己管理の難しさを痛感する場面も多いのです。
特に複数の案件を同時に抱えるようになると、優先順位の判断や切り替えの精度が問われます。
5.身体に不調をきたす
在宅勤務は通勤の負担がなく効率的に感じられる一方で、身体を動かす機会が著しく減るという側面もあります。
出社して働く場合、移動中に歩いたり自転車に乗ったり、自然と身体を動かす時間が生まれます。
しかし在宅では、意識しない限り一歩も外に出ず、一日中座りっぱなしということも珍しくありません。
このような状態が続くと、慢性的な運動不足になりやすく、肩こりや腰痛、眼精疲労など、身体への負担が蓄積されていきます。
プログラマーのように集中して長時間作業をする職種では、身体の不調に気づきにくく、悪化してから対処するケースもあるでしょう。
きついと言われる在宅プログラマーが注目されている理由
在宅プログラマーは「きつい」と言われる一方で、年々注目が高まっている働き方の一つです。
その背景には、IT業界全体における慢性的な人材不足と、コロナ禍をきっかけとしたリモートワークの普及があります。
この2つが重なったことで、自宅で業務を行うスタイルが広く受け入れられるようになりました。
在宅で働くメリットとしてよく挙げられるのが、柔軟な時間管理が可能になる点です。
納期は守る必要があるものの、自分のリズムでタスクをこなすことができ、精神的な余裕を持ちながら仕事に取り組めます。
育児や家事などと両立したいと考えている人にとっては、家庭の状況に合わせて働けるため大きな魅力です。
このように、在宅プログラマーは厳しさがある反面、自由度の高い働き方として注目されているのです。
きついと言われる在宅プログラマーに向いている人の特徴
在宅プログラマーは自由な働き方ができる一方で、確かに「きつい」と感じる理由は複数あり、全ての人に合う働き方とは言い切れません。
しかしその反面、こうした環境の中でもスムーズに業務を進め、自分に合った働き方として選んでいる人がいるのも事実です。
向き・不向きは人によって異なり、性格や生活スタイルによって高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
大切なのは、在宅という働き方の特性と自分の性格や行動スタイルとの相性を見極めることです。
ものづくりが好き
在宅プログラマーの仕事は、画面の前でひたすらコードを書く作業に見えるかもしれません。
しかし実際には、仕組みやサービスをゼロから考え、形にしていく「ものづくり」の側面が大きな割合を占めています。
論理的に課題を整理し、プログラムという手段を通じて新しい機能や価値を作り出していく過程には、創造的な楽しさがあります。
何かを形にすることに喜びを感じる人であれば、こうした工程にやりがいを持つことができ、集中力も維持しやすくなるでしょう。
完成したときの達成感や、作ったものを実際にユーザーに使ってもらえたときの嬉しさが、日々の積み重ねを支える力になります。
在宅勤務では、自らモチベーションを保つことが重要になるため、根本的に「作ることが好きかどうか」は相性を大きく左右する要素です。
自己管理ができる
在宅プログラマーは、上司や同僚の目が届かない環境で作業を進めることになります。
そのため、日々のタスクを自分で計画し、作業の進捗を管理していく力が求められます。
思わぬトラブルが発生しても、誰かにすぐ頼ることは難しく、自ら原因を特定し、対応策を考えて乗り越える姿勢が欠かせません。
また、納期に遅れが出そうな場合でも、状況を冷静に整理し、作業を巻き返す行動力が必要です。
このように、仕事に責任を持ち主体的に動ける人は、在宅環境でも安定して働き続けられる傾向があります。
自己管理ができることは、信頼にもつながる大きな要素であり、一人での業務が基本となる在宅プログラマーにとって、重要な資質の一つといえるでしょう。
コミュニケーション力が高い
在宅プログラマーは、対面でのやり取りが基本的にないため、チャットやビデオ通話を通じたオンラインでのコミュニケーションが中心です。
その分、ちょっとした言葉の選び方や伝え方の違いが、認識のズレや誤解を生み、思わぬトラブルに発展しやすくなります。
そのため、相手の立場に立って丁寧に説明をしたり、認識をすり合わせる姿勢が求められます。
こまめに報告や相談、確認といった基本的なやり取りができる人は、在宅環境でも信頼されやすいです。
円滑なやり取りができるかどうかは、作業効率だけでなくチーム全体の連携にも大きな影響を与えます。
コミュニケーション力が高い人ほど、在宅でも安心して任せられる存在になるでしょう。
自主的に学習を続けられる
在宅プログラマーとして長く活躍するには、日々の業務だけでなく、自主的な学習を継続できる力が欠かせません。
IT業界は技術の進化が非常に速く、新しい言語やフレームワーク、ツールが次々に登場しています。
そのため、現在のスキルや知識に満足せず、自ら学び続ける姿勢が求められます。
また、在宅勤務は周囲からの刺激が少ない環境でもあるため、自分から学ぶ機会を作る意識がより重要です。
スキルの高さや実務経験の豊富さは、仕事の受注や信頼につながります。
安定して案件を獲得していくためにも、継続的なスキルアップを習慣にすることが大切です。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
在宅でこそ評価される“提案型エンジニア”という選択肢
在宅プログラマーとして一段階上を目指すなら「言われたことをやる」だけの姿勢から脱却し、“先回りして動く力”を意識してみてください。
例えば「処理の仕様があいまいだったため、想定されるいくつかのパターンで仮のコードを書いて共有してみた」といった行動。
これだけでも、進行の手間を減らし、信頼を得るきっかけになります。
在宅は成果が見えにくい分、自分の工夫や意図を言語化して発信する力が価値につながります。
こうした動きができると、単価アップや案件の幅にもつながり、在宅であっても着実にキャリアを積んでいけるでしょう。
きついと言われる在宅プログラマーに関するQ&A
在宅プログラマーという働き方は魅力的に映る一方で「実際はどうなのか?」と不安を抱える方も多いです。
在宅で働く際の悩みや疑問は、人によって内容が異なるものの、一定の傾向があります。
ここでは、そうした疑問に対して回答していきます。
在宅プログラマーに興味はあるけれど不安が残っているという方は、自分の状況に重ねながら確認してみてください。
Q1.在宅のエンジニアって多いの?
在宅で働くエンジニアは年々増加しており、現在では一般的な働き方の一つとして浸透しつつあります。
「フリーランス白書2020」のデータによると、在宅ワークをすでに活用している人の割合は、フリーランスで54.1%、会社員では35.9%となっています。
さらに、新たに在宅勤務を始めた人も、フリーランスで17.4%、会社員で41.7%でした。
全体的に在宅への移行が進んでいることが分かります。
この調査はプログラマーに限定されたものではありませんが、現在の労働環境の傾向を示すデータとして十分参考になるといえるでしょう。
働き方改革や感染症対策の影響に加え、リモート会議ツールやクラウドサービスなどIT技術の発達も、在宅勤務の普及を後押ししています。
こうした背景のもと、在宅で働くエンジニアの数は今後も増えると考えられます。
参考:フリーランス協会「フリーランス白書2020」
Q2.プログラマー以外に在宅できるエンジニアは?
在宅で働けるエンジニア職は、プログラマーだけではありません。
以下の職種も、在宅勤務しやすい傾向があります。
- システムエンジニア
- Webエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- アプリケーションエンジニア
- インフラエンジニア
- クラウドエンジニア
- データサイエンティスト
これらの職種は、PCとネット環境が整っていれば業務を遂行しやすいため、柔軟な働き方が実現しやすいのが特徴です。
職種によっては一定のスキルや経験を求められるため、最初から目指すのではなく、段階を踏んでキャリアアップしていく考え方も大切です。
ただし、企業によっては完全在宅ではなく、出社日が定められている場合もあるため、勤務形態について事前に確認しておくことが重要です。
在宅でできるエンジニア職についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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Q3.在宅プログラマーの年収はどれくらい?
在宅プログラマーの年収は、雇用形態や案件の内容によって大きく異なります。
例えば厚生労働省の調査における「ソフトウェア作成者」によると、正社員として働く場合、平均年収は約557万5,800円です。
一方で、フリーランスエンジニアとして活動する場合は、500万〜800万円程度といわれています。
在宅で働く場合、業務を一人で完結できる技術力やコミュニケーション力などのスキルが求められるため、その分だけ単価や評価も高まりやすい傾向にあります。
時間の使い方を自分で調整できるため、複数案件を並行してこなすことで、収入をさらに伸ばす人も少なくありません。
働き方やスキルによって幅があるものの、能力次第で年収アップが期待できるのが在宅プログラマーの特徴です。
年収の具体例やアップのコツを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
Q4.どうやって在宅プログラマーを目指せばいいの?
在宅プログラマーを目指すには、段階的に準備を進めることが重要です。
- 職種を選ぶ
- 知識・技術を身に付ける
- ポートフォリオを作成する
- 仕事を受注する・業務をこなす
- 継続的にスキルを磨く
まずは自分に合った職種を選び、その職種に必要な知識やスキルを学ぶところから始めましょう。
基本的なプログラミング技術を習得したら、自分の実力を示せるポートフォリオを作成するのをおすすめします。
クラウドソーシングや求人サイトなどを通じて実務に挑戦し、仕事をこなす経験を積むことが大切です。
在宅エンジニアは一人で業務を完結できるレベルの技術力が求められるため、継続的な学習と実践が欠かせません。
未経験の方は、まず通勤型の仕事で基礎を固め、徐々に在宅案件へと移行していくルートが現実的です。
安定して働くためにも、自分の現在地を見極めながら一歩ずつ進めることが成功のカギになります。
詳しいステップや必要スキルについては、以下の記事で詳しく解説しているので、確認してみてください。
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まとめ
在宅プログラマーという働き方には、仕事と私生活の境界が曖昧になりやすいことや、孤独感、コミュニケーションの難しさといった課題があります。
加えて、自己管理の難易度や身体的な不調といった点からも「きつい」と感じる人がいるのは事実です。
一方で、これらの環境に順応できる人にとっては、大きな魅力を持つ働き方でもあります。
自分のペースで業務に取り組める柔軟さや、集中できる環境を整えやすい点は、在宅ならではのメリットといえるでしょう。
特に「ものづくりが好き」「自己管理ができる」「丁寧なコミュニケーションが得意」といった特徴を持つ人には、在宅勤務は非常に相性の良いスタイルです。
自分が在宅という働き方に向いているかどうかを判断するには、性格やライフスタイルとの相性を見極めることが欠かせません。
「一人で在宅勤務ができるスキルに自信がない」という方は、まずはSES企業に就職して、現場経験を積みながらスキルアップしていく道もあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)は、自社に所属しながら他社のプロジェクトに参画する働き方で、実務経験を積みやすいのが特徴です。
弊社ESESもSES企業の一つであり、実際に所属エンジニアの53%がフルリモート、37%がリモート併用で働いています。
幅広い案件から自分に合った働き方を選べるよう、キャリア形成やスキルアップの支援体制にも力を入れています。
理想の働き方を目指したい方や、在宅プログラマーとして成長したい方にとっては、ぴったりの働き方を見つけられるでしょう。
ぜひ弊社で働くことを検討してみてください。

監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
在宅勤務の“つらさ”はスキルだけではなく“構造”も要因の一つ
在宅プログラマーが「きつい」と感じる根本的な原因は、スキル不足ではなく、仕事の進め方が構造的に整っていないことにあります。
特に多くの人が見落としがちなのが「タスクの可視化」と「進捗共有」の仕組みです。
オフィス勤務であれば、進捗は雑談や会議で自然と共有されますが、在宅では自ら発信しない限り、状況が伝わりません。
その結果「何をやっているのか分からない」とみなされて信頼を得にくくなり、精神的にも孤独や不安を感じやすくなります。
例えば「毎朝10分でタスクをNotionに整理→Slackで“今日やること”を投稿→夕方に返信で進捗報告」といった流れを仕組み化してみましょう。
これだけでも、自己管理の負担は大きく軽減されます。
このように、自分の仕事を“見える化”し、周囲と適切に共有することは、在宅勤務で信頼を築くうえで不可欠な戦略です。
働き方の「構造」を先に整えてしまえば、在宅勤務は決してきついだけの働き方ではなくなります。