Kotlinはオワコンなの?そう言われる理由と将来性を解説

目次
Kotlinを学ぼうと思っている方の中には「あの言語はオワコンだ」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。
「オワコンなら別の言語を勉強したい」
「実際、オワコンなの?」
このように感じている人も多いでしょう。
Kotlinがそう言われる理由はいくつかありますが、本当にオワコンな言語なのでしょうか?
実際には、Kotlinはオワコンとは言い切れない理由があり、おすすめできる人もいる言語です。
本記事ではKotlinはオワコンなのか、そう言われる理由と現状を解説します。
本記事を読めばKotlinの特徴や今後の展望が分かるため、ぜひ最後までご覧ください。
「Kotlinはオワコン」と言われる3つの理由
Kotlinがオワコンと言われている理由は、大きく3つが挙げられます。
- 学習のハードルが高い
- 技術者が不足している
- ライブラリの数が少ない
これらの理由から、人によっては「オワコンだからやめとけ」と言われてしまうのです。
1.学習のハードルが高い
Kotlinは2011年に開発された、比較的新しいプログラミング言語です。
2017年には、GoogleのAndroidアプリ開発の公式言語に採用されました。
Kotlinは、Androidアプリ開発での使用が多い言語です。
しかし、その新しさと日本での需要がまだ低いことから、情報が少なく勉強しにくいため、新規参入者には難易度が高いと言われています。
情報があったとしても、日本語ではなく英語表記であることも多く、他のプログラミング言語に比べて情報収集しづらいのもKotlinが広まりにくい理由です。
また、Kotlinは独自のライブラリやフレームワークを学ぶ必要があるため、他の言語を習得していても、学習に時間がかかることもハードルを上げる要因の1つになっています。
しかし、KotlinはJavaの影響を受けて作られた言語であるため、すでにJavaを習得していれば学習しやすい言語といえます。
2.技術者が不足している
学習のハードルが高いことも相まって、Kotlinを扱えるエンジニアは他の言語を扱うエンジニアよりもかなり少ないです。
そのため企業側はKotlinを扱えるエンジニアを採用するよりも、より普及している「Ruby」「PHP」「Java」習得者を採用する傾向にあります。
これがKotlinを扱うエンジニアを採用する障壁となり、さらに普及を妨げる要因です。
仮に企業がKotlinを扱えるエンジニアを採用したとしても、その人数は少なくなりがちです。
そのためKotlinを習得しても他の言語に比べ現場で相談できる人がおらず、1人にプレッシャーがかかりやすくなります。
その結果、早期退職や休職に追いやられてしまう可能性もあります。
この点も技術者不足に拍車をかけ、負のスパイラルに陥る原因になっているのです。
3.ライブラリの数が少ない
プログラミングの開発を手助けをしてくれるものとして「ライブラリ」があります。
プログラミングにおけるライブラリとは、ショートカットやブックマークのようなもので、ソースコードや関数などのプログラムを保管しておく場所です。
ライブラリに保管されているプログラムは誰でも利用でき、開発を大幅に簡略化・効率化できます。
ただ、Kotlinは同じくAndroidアプリ開発で使用されるJavaと比べても新しい言語ということもあり、公開されているライブラリの数が少ないです。
開発中に該当のライブラリがない場合は、エンジニア自らがプログラムを実装することになり、負担も大きくなります。
効率的に開発を進めるためにも、KotlinよりもJavaなど他のプログラミング言語を優先して習得するエンジニアが多いです。
Kotlinが「オワコン」とは言い切れない4つの理由

Kotlinが「オワコン」と敬遠される理由があるのは事実です。
しかし、そうとは言いきれない理由が4つあります。
- Googleから公認言語として認定されている
- 開発期間を短縮できるケースがある
- 単価が上昇傾向にある
- サーバーサイドでも活用されつつある
オワコンと決めつけるだけではなく、魅力についても触れていきましょう。
1.Googleから公式言語として認定されている
2017年に、KotlinはGoogleからAndroidのアプリ開発において公式言語として認定されました。
そのため言語としての信頼性は高く、公式言語に認定されてからは、それ以前と比べて認知度も急上昇しました。
公式言語になったこともあり、Androidアプリ開発においては半数以上がKotlinによって制作されています。
現状はマイナーな言語と言わざるを得ませんが、少しずつ普及しているといえます。
今後さらに広まっていくと考えると、将来性はかなり高いです。
これからプログラミング言語を学習するのであれば、環境が整備されつつあるKotlinも学ぶことをおすすめできます。
2.開発時間を短縮できるケースがある
Kotlinは他のプログラム言語よりも、簡潔なコードでプログラムを組むことができるという特徴があります。
長いコードを多用するとプログラムの動作が重くなったり、ミスやバグが起こりやすくなりますが、Kotlinのコードは短いため、それらを未然に防げます。
そのためKotlinで短いコードを使用し効率的に開発できれば、開発時間を短縮できるのです。
3.単価が上昇傾向にある
Kotlinの信頼性が高まっている中、開発現場での需要も上昇傾向にあります。
Androidアプリの需要が伸びていることもあり、開発現場でKotlinが使用される機会が増えたためです。
GoogleがAndroidアプリ開発の公式言語に設定して信頼が高まったことも関係しており、今後はさらに利用されると予想できます。
現状では他の言語と比較してKotlinを扱えるエンジニアは少ないため、必要とする企業からは高単価・高待遇で迎えられることが多いです。
中には月収50万円以上の案件もあるため、高収入を目指すのであれば習得しておくべき言語です。
4.サーバーサイドでも活用されつつある
Kotlinは効率的にプログラムを組める点や公式言語である信頼性から、サーバーのプログラムを作成する「サーバーサイド」でも活用が広まりつつあります。
サーバーサイドのプログラムにはセキュリティ面の安全性や、大量のデータの分析、OSの定期的な見直しのしやすさが求められます。
それら全ての需要を満たしているのがKotlinです。
セキュリティ面はGoogleからのお墨付きであり、データ解析や見直しも簡潔で短いコードが多いため実施しやすいのです。
従来使われることの多いJavaと似ており移行しやすいという理由もあり、Kotlinへ移行する企業も増えています。
「オワコン」と言われるKotlinの学習難易度
「オワコン」と言われるKotlinの学習難易度は、 様々な理由から高めです。
2011年に誕生した比較的新しい言語であるため、情報があまり出回っておらず、学習のためのテキストやトラブル時の対応事例などが不足しています。
PHPやJavaといった使用頻度の高い言語では学習教材もトラブル事例も多数存在するため、調べればすぐに解決できるケースがほとんどです。
一方で、Kotlinは自力で対応するか他のエンジニアへ協力を仰ぐ必要があります。
Kotlin学習者は独自のフレームワークなどを学ぶ中で、情報が少ないことは学習の妨げになりかねません。
Kotlinでプログラムを開発する際には、類似点の多いJavaの知識が必要になる場合もあり、経験の少ないエンジニアにとっては難易度が高いと感じるかもしれません。
Kotlinを習得するべきエンジニアの特徴
Kotlinは、 以下の3つの特徴を持つ人には特におすすめです。
- プログラミングスキルとアルゴリズムに関する知識がある
- アプリやシステム開発の経験がある
- コミュニケーションスキルが高い
Kotlinは習得が難しい言語であるものの、今後需要が高まっていくことが予想できます。
そのため、すでにエンジニアで経験を積んでいる人にはおすすめできる言語です。
プログラミングスキルとアルゴリズムに関する知識がある
Kotlinを習得するためには、基礎的なプログラミングスキルとアルゴリズムに関する知識があると、理解しやすくなり学習も進めやすいです。
プログラミング言語の中でも、JavaはKotlinと似ている部分が多くお互いのコードを使用できるなど互換性があります。
そのため、すでにJavaを習得している人であれば比較的スムーズにKotlinも学習できるでしょう。
アルゴリズムとは物事を解決するための手段や計算方法です。
例えば、データを並び替える「ソートアルゴリズム」や特定のデータを探し出す「検索アルゴリズム」などの種類があります。
アルゴリズムに関する知識があれば、Kotlinの特性を引き出し、効率的なコード設計や問題解決が可能となります。
アプリやシステム開発の経験がある
Kotlinは、GoogleからAndroidアプリ開発の公式言語に設定されました。
その影響もあり、アプリやシステム開発の場面で、Kotlinの活用の場が広がっています。
すでにアプリやシステム開発の経験が豊富であれば、その知識を活かしやすく、Kotlinへの移行もスムーズに対応できるでしょう。
アプリ開発では他にもiOSアプリで使われる「Swift」や「Object-C」、Webアプリで使われる「Python」や「PHP」があります。
開発経験があるエンジニアにとって、Kotlinはスキルアップのきっかけになりますが、自身のキャリアプランも考えて習得する言語を選択してください。
コミュニケーションスキルが高い
Kotlinを活用するプロジェクトでは、チームメンバーや関係者とのコミュニケーションが重要で、どれだけ意思疎通ができているかが成功のカギといえます。
特にKotlinは新しい技術として導入されるケースが多いため、予期せぬトラブル対応をしたり言語の特性を説明する機会も多いです。
上手くチームメンバーにトラブル状況や言語の特性を伝えられれば、正確に情報を共有でき、円滑に業務を進められます。
情報共有ができていれば1人に負担が偏りにくく、Kotlinに関してプレッシャーを感じることも少なくなるでしょう。
最低限のプログラムの仕組みを知ってもらうだけでもお互いの仕事に理解が生まれ、チームの士気も高まります。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
そもそもITエンジニアに向いてない人は?
ここまでお伝えしたように、Kotlinはある程度スキルと経験を持っている人におすすめです。
では、そもそもITエンジニアに向いていない人はいるのでしょうか?
以下の5点に当てはまる人は、あまりおすすめできません。
・ITへの興味、関心が薄い
・論理的思考が苦手
・細かく正確な作業が苦手
・柔軟に対応できない
・コミュニケーション能力が低い
特にITへの興味・関心が薄い人は、そもそも仕事や学習に取り組むのが苦痛になってしまうため、他の道を選ぶのがよいかもしれません。
今すでにITエンジニアとして働いていても「このままで大丈夫かな?」と思う人の中には、これらのポイントに当てはまる人もいるでしょう。
ただ、この5点のうち、1点だけ当てはまっているからといって、すぐにやめるべきだというわけではありません。
どの職業に就くとしても、つまずくポイントはあります。
そこですぐにやめてしまうのではなく、その課題に向き合うことが大切です。
そのため、今の仕事にやりがいを感じ、続けたいと思っているのであれば、それをカバーできるか考えてみてください。
得意なことを伸ばしながら、苦手なことを補っていけば、やれることが増えるはずです。
まとめ
Kotlinは「オワコン」と言われることもありますが、Googleの公式言語化の影響もあり、活用される場面は徐々に増えています。
習得するメリットも十分あるため、今後Kotlinを扱えるエンジニアの需要はますます高まっていくといえるでしょう。
Kotlinを習得することで、アプリやシステム開発の現場において活躍が見込まれます。
そのため、すでに知識や経験を積んでいるエンジニアは、自身のスキルアップやキャリアアップのためにも学習しておくことをおすすめします。
しかしKotlinを習得したとしても「本当に案件を獲得できるのだろうか……」と考えている人も多いのではないでしょうか。
弊社ESESはSES企業であり、様々な案件からそれぞれ個人に合うものを見つけられます。
Kotlinを含め、様々なプログラミング言語を扱う案件があるため、自身の経験やスキルレベルなどから選択できます。
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監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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スキルアップのためにKotlinの学習を始めよう
ITエンジニアとして様々な案件に携わっていくためには、複数のプログラミング言語を扱えることが大切です。
当たり前かもしれませんが、企業や開発するものによって、使用するプログラミング言語は変わるからです。
Kotlinのように、学習難易度が高く、経験が少ないうちは難しい言語もあれば、比較的学習しやすいものもあります。
まだあまりプログラミング言語を習得できていないという方は、勉強しやすいものや使用頻度の高いものから学習に取りかかりましょう。
一方で、プログラミング言語は数種類使えるものの「経験が少ないし、取りかかりにくいな……」と思っている方は、ぜひKotlinにチャレンジしてみてください。
先程お伝えしたように、Kotlinは様々な理由から学習難易度が高くなっています。
ただ「Kotlinが「オワコン」とは言い切れない4つの理由」でお伝えしたように、学習するメリットはあるといえます。
特にJavaを習得しているのであれば、おすすめです。
開発の経験が少ないと習得するまでに時間がかかる場合もありますが、Javaを使えるのであれば、Kotlinの理解はしやすいです。
早めに学習に取りかかり、少しずつスキルアップを目指しましょう。