「セキュリティエンジニアはやめとけ」って本当?理由とそういわれない人の特徴を解説
目次
セキュリティエンジニアになりたいと考えている人の中には「セキュリティエンジニアはやめとけ」といった噂を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
セキュリティエンジニアに関して「やめとけ」といった噂があり、噂の火種となる理由があることは事実です。
しかし、大切なことはセキュリティエンジニアという仕事についてよく理解した上で、自分にとって魅力的な仕事であるかどうかを考えることです。
そこで今回は「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由や、向いている人の特徴などを解説します。
セキュリティエンジニアの仕事は、もちろん全ての人にとって「やめとけ」といえるものではありません。
この記事を読んでセキュリティエンジニアについての理解を深め、働き方を考える際の参考にしてください。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
そもそもセキュリティエンジニアとは?
セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティに特化した業務を行うエンジニアのことで、ネットワークやシステムを外部からのIT攻撃から守ることを目的としています。
セキュリティに配慮しながらシステム設計や構築、運用を行い、サイバー攻撃を未然に防ぐための調査や対策をすることが主な仕事です。
セキュリティエンジニアは集中して作業を行うこともありますが、クライアントと意見交換をする機会も多いため、コミュニケーション能力も求められます。
セキュリティエンジニアの役割
セキュリティエンジニアは社内のデータや個人情報などの漏洩が起こらないよう、対策することが主な仕事内容です。
セキュリティに問題が発生すると大きなトラブルに発展してしまうため、トラブルを未然に防ぐために重要な役割を担っているといえます。
かつてはサーバー攻撃はサーバーやパソコンを中心に行われていましたが、近年はスマートフォンなどの端末やクラウドの普及によってその攻撃が高度化しています。
これを受け、攻撃などのセキュリティに対する企業の危機意識も強まっているため、セキュリティエンジニアの需要も非常に高まっています。
セキュリティエンジニアの将来性
ITシステムが発達した今の時代、どの業界の企業においても、セキュリティ対策は欠かすことができません。
そのため、セキュリティに関する専門家であるセキュリティエンジニアは需要が高いといえます。
また、IT技術の発達やインターネットの普及も進んでいるため、セキュリティ対策の重要性は今後もさらに高まることが考えられます。
セキュリティエンジニアが活躍できる場所は一般企業だけではなく政府機関や公的機関など多岐にわたるため、将来性はあると考えて問題ないでしょう。
セキュリティエンジニアの平均収入
求人情報・転職サイトdoda(デューダ)が2022年12月19日に公開した「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」によると、セキュリティエンジニアの平均年収は457万円。
同調査によると、ITエンジニア全体の平均年収は442万円であるため、セキュリティエンジニアの平均年収はITエンジニアの中でもやや高めです。
セキュリティエンジニアの需要は高いため、収入も高くなる傾向があるといえるでしょう。
また、傾向として平均年収は国内企業よりも外資系企業の方が高くなる傾向があるようです。
「セキュリティエンジニアはやめとけ」といわれる理由
セキュリティエンジニアの仕事は将来性が高く、その需要の高さからITエンジニアの中でも比較的高収入が得られることも予想されます。
それにも関わらず、セキュリティエンジニアが「やめとけ」といわれるのは、セキュリティエンジニアの仕事がもつ特徴によるものでしょう。
ここでは、「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由について解説します。
常に迅速な対応が求められる
万が一システムがウイルスに感染した場合、セキュリティエンジニアには迅速な対応が求められます。
個人情報の流出などを最小限に抑えたり、被害を防ぐためには一秒でも早く動き、可能な限り早い対応をしなければいけません。
万が一何かトラブルが発生した場合は、昼夜を問わず復旧作業やその後の対応に追われることになります。
そうした緊急性が求められることに負担を感じて「やめた方がいい」と考える人もいるのです。
責任が重い
今やITシステムは多くの分野で普及し、業務で活用することが当たり前になっており、情報セキュリティは企業の活動そのものを左右するものともいえます。
セキュリティエンジニアはセキュリティに関するプロであり、リスクを回避することが求められる立場です。
万が一問題が起こった場合は、甚大な被害を出す可能性もあり、対策し切れなかったセキュリティエンジニアが責任を負うことにもつながります。
そうした責任の重さや業務に対するプレッシャーにネガティブなイメージを持つ人もいると考えられます。
トラブル発生時の調査が大変
セキュリティ上のトラブルが発生した場合に、次に同じ問題が起こらないよう原因を調べることも、セキュリティエンジニアの重要な役割です。
しかし、原因を突き止めるのには時間がかかることも多く、原因がはっきりしないケースも珍しくありません。
明確な対策を取れるまで根気強く向き合う必要があるため、トラブル発生時には一時的に業務量が増えることもあり得ます。
セキュリティエンジニアの経験者には、こうしたトラブル時の対応に負担を感じていた人もおり、それが「やめとけ」という言葉へと発展したことも考えられるでしょう。
対策を考えるのが難しい
ITの技術は日々発展し続けており、それはセキュリティに関しても例外ではありません。
一度トラブルが起こると内容によってはシステムを一から見直さなければならないこともあるため、対応範囲が広くなることも少なくありません。
また、今までの知識だけでは対策し切れないトラブルや予想外の問題が起こることもあるため、対策を考えることが難しいともいわれています。
課題解決のために根気よく取り組む姿勢が持てない人にとっては、セキュリティエンジニアの仕事にきつさを感じることもあるでしょう。
顧客対応がつらい
システムを調整するにあたっては、顧客とのやり取りが発生します。
例えば、システムを停止するといった大きな対策を必要とする場合、一次的に業務を止めなければならないなど、少なからず業務に影響が出ます。
システムに早急な対応が必要な場合であっても、顧客にその理由を説明し、同意を得ることが難しい場合もあるでしょう。
このように、エンジニアと顧客との間ですれ違いをなくすことに大変さを感じる人もいるのです。
常に最新の情報を持っている必要がある
サイバー攻撃などの種類は年々増加傾向をたどっており、手口も巧妙になる一方です。
また、近年ではクラウドサービスの利用が増えたことで、従業員が個人のデバイスを業務に使う場合もあり、内部からの情報漏洩にも注意が必要です。
このように、社内外問わず様々な対策をしていく必要があるため、常に変化には気を配り、対応することが求められます。
新しいことについて学んだり、最新の情報をキャッチすることが苦手な人にとって、セキュリティエンジニアの仕事はつらいと感じることもあるでしょう。
仕事に終わりがない
製品やサービスを開発する場合は、改善や運用の必要はあるものの、納品すれば仕事自体は一区切りであり、ゴールを迎えることができます。
一方、トラブルの発生を防ぎながら運用を続けることが任務であるセキュリティエンジニアは、明確に終わりがあるわけではありません。
セキュリティエンジニアは常に走り続けている状態であるため、人によっては疲れてしまうこともあります。
一定期間で区切りのある仕事がしたいと考える人にとって、明確な終わりが見えないセキュリティエンジニアの仕事には大きな負担を感じることもあるでしょう。
「やめとけ」とは言い切れない!セキュリティエンジニアの魅力
ここまで解説してきたように、セキュリティエンジニアに「やめとけ」といわれる理由があることは事実です。
しかし、どんな仕事にもそれぞれに何らかの特徴はあり、その特徴についてどう感じるかは人それぞれ異なるものです。
セキュリティエンジニアの仕事には、人によってはネガティブな印象を持たれる面もありますが、当然魅力もあります。
ここからは、そんなセキュリティエンジニアの魅力について解説します。
ユーザーをトラブルから守れる
セキュリティエンジニアはセキュリティに関するトラブルが起こらないよう、事前に対策することが主な仕事です。
仮に何も対策しなかった場合、情報の流出などが起こり、場合によってはユーザーはもとより企業も大きな損害を被ることもあります。
事前に想定できるトラブルに対して策を講じておくことで、トラブルを防いだり、被害を最小限におさえるという重要な役割を担っています。
このように、ユーザーや企業を守る責任ある仕事であることは、セキュリティエンジニアの大きな魅力といえるでしょう。
大きな達成感ややりがいを感じられる
自分の仕事によって多くのユーザーや企業全体を守り、大きな達成感ややりがいが感じられるという点も、セキュリティエンジニアの大きな魅力の一つです。
ユーザーをトラブルから守るということも含め、セキュリティエンジニアは業務を行ううえで達成感を得られることが多い仕事です。
もちろんここまで紹介したように、大変さを感じることもあります。
しかし、自分に任される仕事が大きいことなど、大変さが多い分、やりがいを感じることができます。
最新の知識を身に付けられる
IT技術の発展とともに新たな脅威が生まれることは避けられません。
そのため、セキュリティエンジニアはその都度最新のセキュリティに関する知識を更新する必要があります。
先端技術を持つエンジニアは市場価値が高く、転職をした場合でもさらなる活躍が期待できます。
業務を通じて自然とITに関する最新の知識が身に付けられる点もセキュリティエンジニアの魅力といえるでしょう。
高い技術力を習得できる
日々新しく生まれる脅威に対応するためには、新しい知識を得るだけではなく、その知識を実際にスキルとして活用していくことが大切です。
特にセキュリティエンジニアについては業務をする上で、セキュリティに関する知識だけではなく、ネットワークや暗号化などの様々なスキルが求められます。
幅広く、かつ高い技術力を持っているエンジニアは需要が高く、転職にも有利です。
最新の知識に加え高い技術力が習得できる点もセキュリティエンジニアの大きな魅力です。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
セキュリティエンジニアのキャリアパスとは?
セキュリティエンジニアは最新の知識や高い技術力を習得できるため、スキルアップをすることでさらなる道が開けます。
特に、セキュリティエンジニアのキャリアパスで多いものとしては次の3つが挙げられます。
・セキュリティコンサルタント
・セキュリティアナリスト
・セキュリティアーキテクト
まず、セキュリティコンサルタントは、主にクライアントが抱えるセキュリティ面の課題をヒアリングし、課題に応じた対策を考え、具体的な施策を提案する立場です。
次に、セキュリティアナリストは、サイバー攻撃の発生時に、攻撃手法を分析し、攻撃に対して必要な対策を提案するのが役割です。
セキュリティエンジニアはサイバー攻撃からの保護を目的としているのに対し、セキュリティアナリストは攻撃を受けた際に活躍するものといえます。
そして、セキュリティアーキテクトは、セキュリティシステムの設計や開発、運用、マネジメントのほか、経営戦略の立案などを行う仕事です。
セキュリティエンジニアからさらに専門性の高いキャリアにステップアップすることで、より市場価値の高いエンジニアとして活躍できるでしょう。
「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われない人の特徴
セキュリティエンジニアの仕事には「やめとけ」といわれても仕方がない部分があることは事実です。
一方、セキュリティエンジニアの仕事には様々な魅力があり、人によってはセキュリティエンジニアの仕事が合っているケースもあります。
特に以下の特徴に当てはまる人はセキュリティエンジニアをおすすめできるといえるでしょう。
新しいことを学ぶのが好き
IT技術は日進月歩で進化を続けており、IT市場も常に拡大が続いている状態です。
そして、それに伴ってセキュリティに関する知識もアップデートされています。
セキュリティエンジニアには日々新しい知識を学び、スキルを習得していくことが求められています。
そのため「新しいことに興味がある」「知らないことを学ぶのが好き」といった学習意欲がある人にはおすすめできるといえるのです。
根気がある
目の前の課題に対して根気強く向き合える人もセキュリティエンジニアに向いています。
セキュリティに関するトラブルには、すぐに対応できなかったり、原因が突き止められないケースも少なくありません。
長いと数ヶ月もの間原因が分からず、その間は常に課題に向き合い、根気よく調査し続ける必要があります。
解決するまでしっかりと課題に向き合える粘り強さは、セキュリティエンジニアとして働く上で非常に重要です。
責任感が強い
セキュリティに関するトラブルが起こると、企業やユーザーへの影響は計り知れず、たった一度であっても、大きな被害が出てしまうことがあります。
そのため、セキュリティエンジニアはそのような問題が起こらないように事前に対策しておくことが求められます。
重要な情報を守らなければならない立場のため、責任感が強く、問題が解決するまで一つの業務をやり遂げられる人はセキュリティエンジニアに向いているといえるでしょう。
細かいことにも気付ける
セキュリティエンジニアは日々起こりうるトラブルを未然に防ぐことが仕事の一つです。
一つの小さな脅威が結果として大きな被害をもたらすこともあるため、常に細部にまで意識を向けておく必要があります。
したがって、何事にも注意深く考える姿勢を持ち、細かいところにまで意識を向けられる人にはおすすめできる仕事といえます。
仕事だけに限らず、日頃から危機管理意識が高い人はセキュリティエンジニアとしても活躍できる可能性が高いでしょう。
コミュニケーション能力が高い
セキュリティに関する業務は、専門知識のない人にとっては難しい部分が多いものです。
しかし、セキュリティ対策のためにシステムを導入するにあたっては、クライアントにその内容を理解してもらうことは欠かせません。
時には、クライアントに対して意見を述べなければならないこともあるでしょう。
そのため、必要なことを相手が理解できるようにわかりやすく伝え、スムーズにやり取りができる人もセキュリティエンジニアに向いているといえます。
まとめ
セキュリティエンジニアは「やめとけ」といわれるような側面がある一方、様々な魅力もある仕事です。
セキュリティエンジニアの働き方が合うかどうかは人それぞれであるため、今回ご紹介した特徴を参考にしながら、仕事を選ぶことをおすすめします。
「セキュリティエンジニアにはなりたいけど、まだ経験が少ないから難しいかも」と感じている方は、まずSESで働くことも検討してみてください。
SESとは、ソフトウェアやシステム開発など一連の業務に関する契約形態の一種で、SES企業がクライアント企業(常駐先)にエンジニアを派遣する形をとるものです。
SES契約では業務の指揮命令や出退勤管理はSES企業が行い、一つのプロジェクトや契約が終了すれば、エンジニアは新たな常駐先に勤務をする形になります。
弊社ESESはSES企業であり、エンジニアのみなさんが希望するキャリアプランに沿って仕事ができるよう、様々なサポートを行っています。
一人ひとりのスキルや希望に合わせた案件をご紹介しているため、エンジニアとしてのキャリアが浅い方でも着実にキャリアアップが可能です。
自分に合った働き方をお探しの方はぜひ以下より募集要項をチェックしてみてください。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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セキュリティエンジニアに求められるスキルや知識
セキュリティエンジニアになるためには、次のようなスキルが求められます。
ITに関しての全般的なスキル
ネットワークに関する知識
サイバーセキュリティに関する知識
認証技術に関する知識
暗号化に関する知識
ITに関しての全般的なスキルとは、プログラミングスキルやハードウェア、ソフトウェアといったスキルのことを指します。
特にセキュリティシステムを実装するためには、プログラミングスキルは欠かせません。
また、サイバー攻撃はネットワークを通じて行われることが多いため、ネットワークに関しての知識も求められます。
サイバーセキュリティに関する知識では、具体的に不正アクセスやサプライチェーン攻撃、DDoS攻撃などに対処するための方法が挙げられます。
認証技術に関する知識については、パスワード認証や生体認証、CAPTCHA認証、2段階認証などの認証技術を習得することが一般的です。
さらに、通信面のセキュリティ確保には、暗号化技術が活用されているため、主流となっている暗号化アルゴリズムを中心とした知識も必要です。
このように、セキュリティエンジニアには、セキュリティ以外に必要なスキルや知識も求められるため、自己研鑽のための時間は必須といえるでしょう。