SESって未経験からでもなれるの?SES会社社長がズバリ解説
目次
SESは、技術者を必要としている企業にエンジニアを派遣し、その技術力に対して報酬を得る仕組みです。
近年IT業界は深刻な人材不足に陥っており、スポット的に人材不足を解消できるSESは今後も需要が高まると予想されています。
しかし「未経験からでも就職できるのか」「SESエンジニアになったらどんな働き方になるのだろう」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SESの働き方や向いている人の特徴、SES企業を選ぶときのポイントなどを解説します。
転職の選択の1つとしてSESエンジニアを考えている方には必見の内容です。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
SESとは?未経験からの働き方
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略称で、システム開発などにおける契約の一種です。
ここではSESとは何なのかを、以下の4つの視点から具体的に解説します。
- SESの仕組み
- SESエンジニアが求められる背景
- SESエンジニアの働き方
- SESでの収入
SESの仕組み
SESとはクライアント先にエンジニアを常駐させる労働形態であり、常駐先企業はSESエンジニアの作業時間に対して報酬を支払います。
つまり、SESの役割は「エンジニアの労働力を提供する」ことにあり、成果品の納品義務などはありません。
また、SESの仕事は主に3者によって成り立っています。
「SESエンジニア」と、SESエンジニアが所属する「SES企業」、そしてSES企業にエンジニアの派遣を依頼する「クライアント企業」です。
SESエンジニアに仕事が発注される流れは以下のとおりです。
- エンジニアを探している「クライアント企業」が「SES企業」にエンジニアの派遣を依頼
- プロジェクトに必要な技術をもっている「SESエンジニア」を「SES企業」が「クライアント企業」に派遣
- 「SESエンジニア」が「クライアント企業」に常駐し業務を行う
SESエンジニアが求められる背景
本来は、各企業が不足している人数だけエンジニアを直接雇用するのが望ましいでしょう。
しかし、近年のIT業界はエンジニアが不足しており、多くの企業において十分な人数のエンジニアを確保するのが難しい状況にあります。
また、企業が必要とするエンジニアの人数は、プロジェクトの規模によって異なります。
仮に今必要な人数だけエンジニアを直接雇用したとしても、数か月後や数年後に同じ人数が必要とは限らず、エンジニアを持て余してしまう可能性があるのです。
加えて日本では解雇規制が厳しいので「エンジニアの人員が多すぎるから」という理由だけでは簡単に解雇できません。
そのため、企業はエンジニアの直接雇用に慎重にならざるを得ないのです。
このような背景から、必要な時に必要な人数だけエンジニアを確保できるSESは、今後も需要が高まると予想されています。
SESエンジニアの働き方
SESエンジニアとして働く場合、客先に常駐してプロジェクトに取り組むのが基本であり、案件によって業務内容や勤務地などが異なります。
常駐先企業が変わるたびにエンジニアの働き方が大きく変化する点は、SESの最大の特徴といえるでしょう。
ただし、近年は在宅ワークの増加に伴い、フルリモートの案件も増えつつあるので、すべての案件がこの限りではありません。
常駐先企業へは1人で派遣(十分なスキルがあるなど、基本的には“1人で派遣しても問題ない”と判断された場合のみ)されることもあれば、複数人で派遣されることもあります。
とはいえ、客先でチームが組まれているケースがほとんどですので、1人で客先に出向いても全ての業務を単独で担当することはありません。
プロジェクトが完了する、もしくは契約期間が終了するとSESエンジニアは新たな案件にアサインします。
このとき、すぐに新しい案件が見つからず、案件と案件の間に空白期間ができてしまった場合は、自宅や社内で待機することもあります。
SESでの収入
SESエンジニアの平均収入は300~600万円であり、未経験者の場合は年収300万円からスタートするのが一般的です。
dodaの「平均年収ランキング(職種・職業別)」によると、技術系(IT/通信)の平均年収は442万円といわれています。
このことから、SESエンジニアと他のITエンジニアの間に、大きな年収の差はないといえるでしょう。
また、同調査による技術系(IT/通信)の年齢別平均年収は以下のとおりです。
- 20代:367万円
- 30代:495万円
- 40代:621万円
- 50代~:694万円
SESではエンジニアのスキルや実績によって収入が大きく変化します。
そのため、年齢や経験年数から一概に平均収入を提示することはできませんが、ここでは参考として、弊社ESESで働いているエンジニアの年収の一例をご紹介します。
- 460万円 / 23歳 女性(経験2年)
- 500万円 / 25歳 女性(経験2年)
- 600万円 / 34歳 男性(経験7年)
- 790万円 / 48歳 男性(経験22年)
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
「単価評価制度」を導入している企業は要チェック
実のところ、SES企業はクライアント企業から提示された単価を、エンジニアに開示する義務はありません。
そのため、エンジニアの評価や報酬の計算方法などがブラックボックス化されている企業も珍しくなく、中には不当に低い報酬で働かされているエンジニアもいます。
しかし、クライアントから提示された単価を基準にして月収などが決まる「単価評価制度」が導入されている企業であれば、そのような心配はありません。
「単価評価制度」が導入されている企業では、クライアント企業からの単価情報がエンジニアに開示されます。
それゆえ評価や報酬の計算方法に透明性があり、提示された金額に対して納得して働けるのです。
収入は自身の生活に大きく影響を与えるものですので、SES企業を調べる際は「単価評価制度」を導入しているかどうかもチェックしてみましょう。
以下の記事で「単価評価制度」について詳しく解説していますので、気になった方はぜひこちらも合わせてご覧ください。
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未経験からSESを目指すのは難しい?
結論からいうと、未経験からでもSES企業に就職はできます。
SESは下請けの業務も多く、エンジニア経験が浅くとも担当できる案件が数多く存在するからです。
ただし、経験が浅いうちは案件選択の自由度が低いことを覚えておきましょう。
SES企業の中には、エンジニア自身が担当する案件を選べる「案件選択制度」を取り入れている企業もあります。
しかし経験や実績がないと、案件の選択肢が少ないことには変わりありません。
ちなみに、弊社ESESでも案件選択制度を取り入れています。
弊社の場合だと、1年以上エンジニア経験があれば、案件の選択肢が広がってきます。
未経験からSESエンジニアになるメリット6選
短期的な人材不足を解消できるSESは、今後も高い需要が期待されています。
また、SESエンジニアはメリットの多い働き方でもあります。
そのため、エンジニアとして働き方に迷っている人がSESを選んで就職することも増えているのです。
ここでは、未経験からSESエンジニアに就職するメリットを6つご紹介します。
- 未経験からでも就職しやすい
- 収入が安定しやすい
- 残業が少なめ
- 転職せずに様々な案件が受けられる
- 大きなプロジェクトにも参画できる
- 人脈が広がりやすい
以下に詳しく解説します。
1.未経験からでも就職しやすい
未経験者にとって1番のメリットは「就職のハードルが低いこと」でしょう。
SESには様々な案件がありますが、特に下請け案件が多く集まります。
「下請け案件」と聞くと「単調」「つまらない」といったネガティブな印象を持たれやすいですが「経験の浅いエンジニアでも担当できる」という側面もあります。
そのため、未経験者を採用するSES企業も多いです。
IT業界の人材不足も相まって、未経験者を採用する傾向は今後も続くでしょう。
またSESは、未経験者でも実務経験を通じてITエンジニアの基礎を学べます。
案件をコツコツとこなすことで、着実にスキルアップができることも魅力の1つです。
2.収入が安定しやすい
待遇の良いSES企業を選べば、収入が安定しやすいこともメリットの1つです。
SESエンジニアの収入の安定度は、待機期間中の待遇に左右されます。
待機期間中でも給与を保証してくれるSES企業であれば、安定した収入が得られるでしょう。
一方で、待機期間中はSESエンジニアの給与の一部、あるいは全額カットするSES企業もあるので注意が必要です。
SES企業選びの際は、待機期間の待遇について調べておくことをおすすめします。
3.残業が少なめ
残業が少なめであることも、SESエンジニアのメリットです。
SESエンジニアは、クライアント企業に常駐して仕事を進めるものの、指揮命令権はSES企業が持っています。
そのため、クライアント側がSESエンジニアに急な残業や休日出勤を命じることはできないのです。
また、SESエンジニアは成果物を納品する義務がなく、契約終了時に成果物やプロジェクトが完成していなくとも問題ありません。
納期に追われることがないため、他のITエンジニアよりも残業は少ない傾向にあります。
4.転職せずに様々な案件が受けられる
「案件選択制度」を取り入れている企業であれば、転職せずに様々な案件を受けられるのもSESエンジニアのメリットです。
「案件選択制度」とは、SESエンジニアが担当したい案件を自ら選べる制度です。
自身が興味のある仕事や、伸ばしたいスキルに合わせて案件を選べるので、自分の臨むキャリアを積めるというメリットがあります。
そのため転職しなくとも、幅広い業界や企業、工程に携わることができます。
技術や実績があるほど案件の選択肢は広がるでしょう。
反対にスキルや経験の浅い未経験者は、案件選択制度が導入されていたとしても、選択肢が少ない可能性があります。
「案件選択制度」については以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はこちらも参考にしてください。
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5.大きなプロジェクトにも参画できる
SESの案件は下請け業務が多いと先程説明しましたが、企業によっては、大手企業の案件や大型プロジェクトを扱っているケースもあります。
もちろん参加するには、相応の技術や実績が必要になりますが、プロジェクトの規模が大きい分だけ、自身のスキルアップに繋がるでしょう。
また、そのような案件で自身の技術が認められれば、常駐先企業からヘッドハンティングされるチャンスもあります。
未経験から大手企業への就職は厳しいですが、SESエンジニアであれば案件を通じて大手企業に携われる機会があることは、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、全てのSES企業が大手企業の案件を扱っているわけではないので、企業選びの際は注意が必要です。
6.人脈が広がりやすい
案件を通じて人脈が広がりやすいことも、SESエンジニアのメリットです。
SESエンジニアは案件ごとに常駐先企業が変わります。
このような働き方であるため、1つの企業と深く関わることは難しいですが、多くの人や企業と関われるという側面もあります。
特に、将来フリーランスとして独立することや転職を考えている人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
また、常駐先企業ではエンジニア同士でチームを組んで仕事をする機会も多いです。
エンジニアとの出会いが多い分、自身の技術を成長させる機会も多いでしょう。
未経験からSESエンジニアになるデメリット4選
どのような仕事にもデメリットはつきもので、SESエンジニアも例外ではありません。
大切なのは、デメリットを受け入れられるかどうかです。
以下のデメリットがあることも理解したうえで、SESエンジニアとして働くか決めましょう。
- 案件によってはスキルが上がりにくい
- 企業によっては給与が低い
- 常駐先によって環境が大きく変わる
- 希望の案件が受けられないこともある
上に挙げたデメリットが全てのSES企業に当てはまるわけではありません。
あくまで一般的なデメリットですので、企業選びの際は、各企業にどのような特徴があるのか確認することをおすすめします。
1.案件によってはスキルが上がりにくい
まず1つ目のデメリットは「案件によってはスキルが上がりにくいこと」です。
SESは、単純作業や高いスキルを必要としない下請けの業務が多いのが特徴の1つであり、そのために未経験者でも就職しやすいと説明しました。
経験の浅いうちは、下請け業務からも学べることはたくさんあります。
しかし、下請け業務を十分にこなせる技術が身に付いたあとも、そのような案件ばかり担当させられてしまうと、スキルが伸び悩んでしまうのです。
その状態が長く続くと転職も難しくなるので、SESエンジニアからキャリアアップを考えている人にとっては、大きなデメリットとなる可能性があります。
企業選びの際に「案件選択制度」を導入している会社を中心に選ぶことで、このようなリスクを回避できます。
2.企業によっては給与が低い
2つ目のデメリットは、SES企業によっては、年収が低くなりがちなことです。
こちらも「案件によってはスキルが上がりにくい」と同様に、SESが下請け業務が多いことが起因しています。
下請け業務は高い技術を必要としない分、単価が安いケースも見られます。
そのため、SESエンジニアの給与が低くなることがあるのです。
また中には、無駄な商流が発生して、企業が多めにマージンを取っているために、エンジニアの収入が低くなってしまうケースもあります。
3.常駐先によって環境が大きく変わる
常駐先によって労働環境が大きく変化することも、デメリットの1つでしょう。
SESエンジニアは案件によって働く場所が変わり、その都度、業務内容や人間関係などが大きく変化します。
短いと1か月、長くても2~3年ほどで次の常駐先へ移るため、他の職種よりも環境の変化は目まぐるしいです。
腰を据えて働きたい人や、臨機応変な対応が苦手な人にとっては、ストレスの大きい働き方でしょう。
4.希望の案件が受けられないこともある
時には希望案件を選べないこともデメリットの1つです。
「案件選択制度」を取り入れている企業であれば、自身の興味・関心に沿った案件を選びやすくなりますが、常に自分の希望する案件を担当できるとは限りません。
「案件選択制度」が導入されていたとしても、特に、SESエンジニアにスキルや経験が少ないうちは案件の選択肢は少ないです。
「案件選択制度」は「SESエンジニアの持つ技術や実績の範囲で」自由に案件を選べる制度であることを覚えておきましょう。
未経験でもSESをおすすめできる人の特徴
ここまでSESエンジニアのメリットとデメリットを解説しました。
これらの内容を踏まえたうえで、SESエンジニアへの転職をおすすめできる人の特徴をご紹介します。
- 環境の変化に対応できる
- 未経験だが目指しているキャリアがある
- 自ら学習してスキルアップできる
- プライベートの時間を確保したい
- 自分で仕事内容を選びたい
- 正当な評価と給与を得たい
以下に詳しく解説します。
環境の変化に対応できる
SESエンジニアは、案件ごとに業務内容や勤務地、人間関係などが大きく変化します。
一見するとデメリットに思われがちな特徴ですが、人によってはこの特徴がメリットに転じるのです。
例えば、絶えず変化する環境を楽しめる人や、定期的に職場や人間関係をリセットした方が働きやすいと考える人にとって、SESは適職の可能性があります。
1つの企業だけでなく、多くの企業でスキルを磨きたいと考える人にも向いているでしょう。
また、臨機応変な対応ができることも、SESエンジニアには欠かせない能力です。
自身のルールにとらわれず、常駐先企業のやり方を素直に受け入れられる人はSESエンジニアに向いています。
未経験だが目指しているキャリアがある
「未経験だけど大手IT企業に就職したい」「フリーランスとして独立したい」など、目指しているキャリアがある人にもSESエンジニアは向いています。
大手IT企業への就職や、フリーのエンジニアとして働くためには、高い技術力や豊富な人脈が求められるため、未経験から直接目指すのは非常に困難です。
しかし、SESエンジニアとしてキャリアを積んだ後であれば、大手企業への就職や独立のハードルが、未経験者よりも低くなる傾向にあります。
「未経験からSESエンジニアになるメリット6選」でも解説しましたが、SESはエンジニア経験が少なくても就職しやすく、案件を通じて様々なプロジェクトに携われます。
そのため、エンジニアとしての実績やスキルを得やすいうえに、多くの企業やエンジニアとの関係も築くことが可能なのです。
つまりSESエンジニアのキャリアは、転職や独立への道を切り開く手助けとなるでしょう。
自ら学習してスキルアップできる
IT技術を主体的に学べる人や、勉強することが苦ではない人もSESエンジニアに向いています。
SESエンジニアは、案件を通じて様々な業務に携われるものの、下請け案件の比率が高いのも事実です。
案件を受けるだけでは、スキルが伸び悩んでしまうこともあるでしょう。
また、IT技術は1度習得したら終わりではありません。
IT技術は日々著しく進歩しており、その時のトレンドに合わせて自身の知識をアップデートする必要があります。
このような理由から、進んで技術を学べる人が向いているのです。
プライベートの時間を確保したい
プライベートの時間を確保したいと考える人もSESエンジニアは向いているでしょう。
「未経験からSESエンジニアになるメリット6選」でも解説したとおり、クライアント企業からエンジニアに残業指示を出せないことや、納品義務がないことから、SESエンジニアは残業が少ない働き方です。
案件によっては、決められた業務をこなしてさえいれば、残業がほぼないケースもあります。
このように、自分の時間を確保しやすいので、SESエンジニアはワークライフバランスを重視する人に向いているのです。
自分で仕事内容を選びたい
自分で仕事内容を選びたい人や、担当業務にこだわりのある人もSESに向いています。
一般的な企業では、配属先の上司がエンジニアに任せる業務を決めます。
近年はエンジニアの希望を聞いてから、担当業務を検討する企業や上司も多いですが、必ずしも希望が通るわけではありません。
時には、部署異動や転職をしなければ希望する業務を担当できないケースもあります。
その点、案件選択制度を取り入れているSES企業では、エンジニア自身が案件を選べるので、自分で仕事内容を決められます。
また異動願いの提出や転職をしなくとも、選択する案件の方向性を変えるだけで、キャリアの変更も可能です。
正当な評価と給与を得たい
「単価評価制度」を取り入れているSES企業であれば、クライアント企業から提示された単価に基づき給与が決まります。
提示された報酬と評価に透明性があるため、正当な評価と給与を得たいと考える人に向いているでしょう。
また「単価評価制度」は、エンジニアとして経験年数が短くても、持っている技術が評価された場合は、給与が高くなる可能性があります。
実力に合った評価をされたいと考える人にSESエンジニアはおすすめです。
未経験からSES企業を選ぶときのポイント
近年は働きやすいSES企業が増えていますが、ブラック企業が一定数存在することも事実です。
ブラック企業を避けるためにも、企業選びの際は次のポイントを意識してみましょう。
- 還元率が低すぎない
- 評価基準が明確である
- 会社情報を公開している
- 企業自体が成長している
以下に詳しく解説します。
還元率が低すぎない
還元率とは、クライアントから提示されたエンジニア1人当たりの単価に対して、エンジニア本人に給与や賞与として還元される割合を示したものです。
一般的な還元率は40~60%程であり、70%を超えると高還元といわれています(ちなみに弊社ESESは73%です)。
ただし、還元率はSES企業によって計算方法が異なるため、還元率が高ければ収入が上がるわけではありません。
注目すべきは「一般的な還元率と比較して低すぎないか」という点です。
還元率が低い理由が明確でないSES企業は少し注意しましょう。
以下の記事で還元率について詳しく解説していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
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評価基準が明確である
評価基準が明確であれば、自分の給与に納得して働けるのでおすすめです。
SESは還元率や単価評価制度など、他の職種では馴染みのない基準や制度が多数存在します。
また同じ名前の制度が導入されていても、必ずしも計算方法や評価基準が同じであるとは限りません。
企業選びの際は、そのSES企業がどのような制度を取り入れており、どのような基準で評価しているのかを確認すると良いでしょう。
会社情報を公開している
会社情報がホームページなどに公開されているかどうかも判断材料の1つです。
公開されている情報が少ないからといって、必ずしもブラック企業というわけではありませんが、公開情報が多いほど信用度は高い傾向にあります。
応募する前には、必ずホームページや求人情報を確認して情報を集めましょう。
また、企業を判断する指標の1つとして、従業員数が挙げられます。
会社の従業員数は企業ホームページだけでなく、日本年金機構のホームページでも会社名を検索すると調べられます。
両者を比較した際に極端に数値が異なる場合は、何かしら意図があって企業ホームページ上の数値を変えている可能性があるので注意しましょう。
参考:日本年金機構ホームページ「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」
企業自体が成長している
応募を検討しているSES企業が成長していているかどうかも、大切なチェックポイントです。
「企業が成長しているか」を判断するのは一見すると難しそうに思えますが、実はSES企業の成長度合いは、社員数の推移から概ね予想できます。
SESはエンジニアをクライアント先に派遣し、その労働対価を貰う仕組みですので、社員数の増加は案件受注数の増加と捉えられます。
つまり、SESのビジネスモデルは「社員数が増えている=会社が成長している」といえるのです。
反対に社員数が変わっていない、あるいは減っている場合は、離職率が高いか、業績が低迷していることが考えられるので注意しましょう。
未経験からSESについてよくある質問
いまや転職活動には欠かせないインターネットですが、SESについて調べていると気になる情報やネガティブな情報を目にすることもあるでしょう。
ここでは未経験の方からよくある質問に回答します。
- 「SESはやめとけ」という声を聞くんだけど本当?
- 未経験でもSES優良企業に就職できるの?
- 未経験で入っても案件を任せてもらえる?
- 30代未経験でSESエンジニアを目指すのってアリ?
「SESはやめとけ」という声を聞くんだけど本当?
全てのSES企業が「やめとけ」と言われるような、待遇の悪い企業ではありません。
エンジニアが働きやすい環境を整えている企業も数多く存在します。
しかし、エンジニアを搾取するような、いわゆる「ブラック企業」が業界内に一部存在するのも事実です。
そのため、SESに転職する場合は「未経験からSES企業を選ぶときのポイント」で解説した内容を参考に企業を選ぶことをおすすめします。
また、以下の記事に「SESはやめとけ」と言われる理由や、避けるべきSES企業の特徴についてまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
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未経験でもSES優良企業に就職できるの?
結論から述べると、未経験でも優良SES企業に入社することは可能です。
スキルをあまり必要としない下請け業務が多いことに加え、IT業界の人材不足も相まって、未経験のエンジニアを採用するSES企業は増えています。
そして、この傾向は優良な企業においても同様です。
ブラック企業ばかりが未経験者を積極的に採用しているわけではないのでご安心ください。
なお、以下の記事では優良SES企業の特徴や、入社のコツなどをご紹介しています。
興味を持たれた方はこちらもぜひ合わせてご覧ください。
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未経験で入っても案件を任せてもらえる?
SESには経験の浅いエンジニアでも担当できる案件が多数あります。
そのため「入社できたはいいものの、担当できる案件がなくて待機ばかり……」という状況に陥るケースはほとんどありませんのでご安心ください。
ただし経験や技術が身に付いているほど、担当できる案件の幅が広がるのも事実です。
安定して案件を受注したいのであれば、日頃から自身の技術を磨くことも重要です。
30代未経験でSESエンジニアを目指すのってアリ?
結論としては、30代未経験でSESエンジニアを目指すのは無理ではありません。
ただし20代と比較すると、難易度が格段に上がることは覚えておきましょう。
「未経験者歓迎」の求人の多くは20代が中心であり、30代になると経験者採用の割合がぐっと高まります。
30代で目指す場合は、業務に直結する資格(インフラエンジニアの場合は「CCNA」「LinuC」など)を就職前に取得し、最低限の知識を有しているのが望ましいです。
また、30代の未経験者採用を行っているSES企業もありますが、多くの企業が「35歳前後」を上限としています。
つまり、30代で未経験からSESエンジニアを目指すのであれば、少しでも早いうちに挑戦した方が良いでしょう。
まとめ
人材不足が続くIT業界において、SESエンジニアは今後も需要が高まっていくと予想されています。
なおかつ、未経験であっても担当できる案件が多数あるため、エンジニアのファーストキャリアとして非常におすすめです。
ただし「客先常駐」という特徴的な働き方であるため、人によって向き不向きがはっきりしているうえに、メリットだけでなくデメリットも複数あります。
「自分にSESという働き方は向いているか」「デメリットを受け入れられるか」の2点をよく考えてから、SESエンジニアとして働くかを決めましょう。
SESエンジニアとして働くことを決めたら、次は企業選びです。
最近は「新SES」と呼ばれる、エンジニアが働きやすい環境を整えているSES企業も増えています。
「新SES」の特徴は以下のとおりです。
- 正当な評価が得られる単価評価制度を取り入れている
- 還元率が高く、エンジニアに報酬がきちんと還元される
- エンジニアの希望を叶えられる案件選択制度がある
ちなみに弊社ESESもエンジニアの働きやすさを第一に考える、新SES企業の1つです。
私たちは「高還元率」「単価評価制度」「案件選択制度」を導入し、エンジニアの待遇改善に努めています。
現状に満足せず、今後もさらにエンジニアの労働環境を改善し続けていく予定です。
私たちと一緒に働きたいと思ったエンジニアの方は、ぜひ以下のURLからご応募ください。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
SESと派遣の違いとは?
SESは客先に常駐する働き方であるため、派遣と混同されることがよくあります。
しかしこの2つには、業務の指揮命令権の所在に大きな違いがあるのです。
・派遣の指揮命令権→クライアント企業
・SESの指揮命令権→SES企業(ベンダー企業)
派遣のように、クライアント企業に指揮命令権がある場合は、クライアント側の都合で派遣労働者に残業や休日出勤を命じたり、業務の進め方を指示することが可能です。
一方で、SESのようにベンダー企業側に指揮命令権がある場合は、クライアント企業がエンジニアに直接指示を出すことはできません。
つまりSESの場合は、派遣労働者のようにクライアント企業が残業を命じたり、業務の指示出しを行うことはできないのです。
そのためSESは残業が少ない傾向にあります。
もしもクライアント企業がこの取り決めを無視し、エンジニアに直接指示を行った場合は偽装請負と判断され、罰則を課される可能性もあります。