SESの案件選択制度とは?自由に働きたいエンジニア必見!
目次
「案件ガチャ」という言葉もあるほど、SESエンジニアにはかつて「自分で案件が選べない」「キャリアアップが難しい」というイメージがつきものでした。
しかし、エンジニア需要が高まり続ける昨今、エンジニアが自分で案件を選べる「案件選択制度」を導入するSES企業が少しずつ増えています。
企業に属しながらも、フリーランスのように自由な働き方を可能にする案件選択制度。
今回は、実際に案件選択制度を導入するSES企業の監修のもと、SESにおける案件選択制度の詳しい内容や、案件選択制度があるSESの選び方のポイントなどをご紹介します。
自分で案件を選びながらエンジニアとして自由に働きたい方や、案件選択制度に興味がある方は是非ご一読ください。
この記事のアドバイザー(監修者):白川 聖悟 SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。 |
SESにおける案件選択制度とは
SESにおける案件選択制度とは、SESで働くエンジニア自身が、自分のキャリアプランや希望に沿って自由に案件を選べるシステムを指します。
従来のSESでは、エンジニアはSES企業の指示のもと各プロジェクトに配属されることが一般的で、基本的にエンジニア自身が案件を選べる状況ではありませんでした。
そのため場合によっては、監視・テストのみの下流工程経験しか積めなかったり、ヘルプデスクやコールセンター業務に長期間配属されてしまうなど、スキルアップを目指すエンジニアには不向きといえる状況でした。
しかし、近年、市場規模の拡大によってエンジニア不足は深刻化。
ニーズの高いエンジニアをより多く採用したいSES企業は、エンジニアの満足度を向上させるために、その方法のひとつとして案件選択制度の導入を始めたのです。
案件選択制度のもとでは、エンジニアが次のように個人のニーズに合わせた案件を選ぶことができます。
- スキルアップができる上流工程の案件
- 最新技術が使える案件
- 単価が高い案件
- ワークライフバランスがとりやすい案件
- 常駐先が自宅近くにある案件
ただし、これらは案件選択制度のあるSESなら全て可能ということではありません。
案件選択の自由度はSES企業によって異なるため、企業選びが重要となります。
案件選択制度のSESで働く前に考えておきたいこと
エンジニアのスキルや実績、タイミング、SES企業の営業力などにも左右されますが、案件選択制度では、1人のエンジニアに対して複数案件のオファーが届きます。
場合によっては1人のエンジニアに対して数十件単位のオファーが来ることもあり、エンジニアはそれら全てのオファーから最終的に1案件だけを選ぶことになります。
その際自分にとって一番納得感のある案件を選べるよう、次のような観点で「希望条件」を考えておくのがおすすめです。
希望年収
たとえ案件の内容を重視する場合であっても、給与があまりにも低いとモチベーション低下につながりかねません。
希望年収についてはある程度の基準を設けておくことで、満足度の高い仕事に絞り込むことができます。
SESでは案件ごとに単価が決められています。
しかし、それまで案件選択制度や単価連動型の給与体系の企業で働いていなかった人にとっては、案件に対して相応な単価であるかを判断できません。
その場合、自分の経験年数やスキルからあらかじめある程度の希望年収を考えておき、入社後に営業担当者と相談をしながら案件を選択することをおすすめします。
希望する年収をあらかじめ設定しておくことで、希望年収を実現するために必要な単価が把握しやすくなるでしょう。
労働時間
どれだけ充実した内容や単価の高い案件でも、労働時間が自身の許容範囲内でなければ心身ともに疲弊してしまいます。
参画後に後悔することのないよう、自分なりに労働時間の許容範囲を設定しておきましょう。
なお、案件情報だけでは毎月の稼働時間を正確に把握できないケースもあります。
稼働時間が長くなりがちな常駐先では、面談時に稼働時間について触れられないこともあるでしょう。
そのため面談時には「1カ月あたりの平均残業時間」や「帰宅時間は何時頃が多いか」などをしっかりと確認するのが重要です。
自分から聞きにくい場合は、営業担当者を通して確認してもらいましょう。
勤務地
SESエンジニアとして働く場合、勤務地は案件によって変わります。
勤務地は「自宅から近い方が絶対にいい」「ほかの条件が良ければ特にこだわらない」など、個人差が出やすいものです。
通勤時間、公共交通機関を利用する場合は乗り換えの回数などを考慮し、勤務地についても自分なりの許容範囲を決めておきましょう。
また、案件によってはリモート勤務が可能な場合もあります。
自宅から職場が遠い場合でも、リモート勤務の割合が高ければ勤務地の許容範囲が広げられるかもしれません。
業務内容
案件を選ぶ際には、待遇面などに加え、業務内容についてもある程度の軸を定めておくことをおすすめします。
- 使用する言語は何か
- 担当する工程はどこか
- どのような業界か
- どのようなシステムか
などをポイントに、自身のやりたいことや将来のビジョンからイメージしてみましょう。
選択肢として今目の前にある案件が理想の将来像とは少し違う内容であったとしても、ひとつの通過点という視点でとらえれば有力な選択肢になるかもしれません。
目先の条件だけにとらわれず、将来を見据えた業務内容であることが大切です。
できるだけ多くの案件から選択したい場合であっても、最低でもここまでご紹介した上記4点は条件を明確にし、優先順位を決めておきましょう。
SESで案件選択制度を使いこなせない人の特徴
自分のキャリアプランやライフステージに合わせた働き方ができる案件選択制度。
SESによっては案件が選べるだけではなく、手厚いサポートが受けられたり、自身の希望するタイミングで案件を離脱できるケースもあります。
ただし、案件選択制度は誰でも使いこなせるというわけではありません。
例えば次のような人の場合、案件選択制度のあるSESでも希望する働き方ができない可能性があります。
経験年数が短い
案件選択制度で選べる案件の数は、エンジニアのスキルや実績によって大きく左右されます。
スキルや実績は一朝一夕で身につくものではないため、当然、エンジニアとしての経験が少ないと選択肢は減ってしまいます。
また、いくつか選択肢があったとしても、経験の少なさゆえに面談から先に進めないことも少なくありません。
そのため、エンジニア経験が少ない場合は、まずはスキルが身につく案件を選んでいくことが大切です。
実務経験を積みスキルアップしていくことで、少しずつ選択肢の広がりを実感することができるでしょう。
未経験からスタートする場合は、まずは採用されることが目標です。
入社前から少しでも実践に役立つ知識やスキルを身につけておきましょう。
理想が高すぎる
高まり続けるIT需要に伴い、「優秀なエンジニアであれば案件は選び放題」というのが近年の市況であり、当面の間はこの状態が続くことが予想されます。
初めて案件選択制度のあるSESで働くエンジニアは、その選択肢の多さに驚かされるかもしれません。
とはいえ、自分のスキルと希望する条件が見合ったものでなければ、案件の選択肢は少なくなってしまいます。
例えば、エンジニア経験が1年程度の場合、次のような条件の案件に出会うことは難しいといえます。
- フルリモート
- フルフレックス
- 実際のスキルよりも10万円以上高い単価
- 未経験言語を学べる
経験を積めば選択肢は自然と増えていくもの。
まずは自分のスキルや実績をベースにした単価と、稼働の安定性、通勤時間など、提示する条件は3つ程度に留めておきましょう。
その後選択肢が増えてから条件を増やし、より理想に近い案件を選ぶようにしましょう!
案件選択制度があるSES企業を選ぶときの5つのポイント
近年、案件選択制度を導入するSESが増えていますが、案件選択制度を導入しているからといってどのSES企業も同じというわけではありません。
案件を選択するときの自由度は企業によって異なり、企業によっては案件が選べるだけではなく、給与や働き方の希望を出せるケースもあります。
案件選択制度のあるSES企業を選ぶ際には、次の5つのポイントを中心に、自分にどの程度まで決定権があるのかを確認することが大切です。
1.自分の希望する案件を扱っているか
どれだけ案件の選択肢が豊富でも、その中に自分が希望する条件の案件がなければ自然と仕事の満足度は下がってしまうものです。
一口にSESといっても、企業によって得意分野や取り扱い案件は異なるため、まずは自分が希望する案件の取り扱いがされているかを確認しましょう。
エンジニア未経験、あるいは経験が少ない場合は、未経験向けの案件を豊富に扱っているかが大きなポイントです。
未経験向けの案件が豊富であれば、必要なスキルが身につく案件を選びやすくなります。
反対に、案件が限られているとスキルが身につかない案件ばかりを重ねることになり、スキルアップできないまま経験年数だけを重ねることになりかねません。
2.どの程度案件を開示してくれるのか
案件選択制度を導入している企業でも、全ての案件が開示されるとは限りません。
例えば、1人のエンジニアに対して10社から案件が寄せられたとしても、SES側が単価の高い案件や得意先の案件だけしか開示しないケースもあります。
案件選択の自由度は企業によって異なるため、どの程度案件が開示されるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
なお、ESESでは全ての案件を開示する案件選択制度を導入しており、単価も全てエンジニアに公開しています。
3.参画依頼が来たら辞退できるか
興味を持って面談に臨んだ案件でも、クライアントとの面談後に、「この案件は辞退したい」「ほかの案件も検討したい」と考え直すこともあるでしょう。
しかし、案件選択制度を導入しているSESの中には「クライアントから参画OKの返事がきたら辞退できない」としている企業もあります。
これは、面談後にエンジニアから辞退をした場合、再度営業活動をすることになり、営業コストが発生してしまうためです。
ただ、これはあくまでも企業側の都合であり、エンジニアファーストとは言い難いものです。
案件選択制度があるSESを選ぶ際は、どの段階までエンジニアに決定権があるかも確認しましょう。
4.参画後も自分の意思で継続・離脱できるか
自分で選択した案件であっても、参画後に労働環境が悪くなるなど、何らかの理由で離脱を希望することになるかもしれません。
しかし、一部の企業では営業コストの観点から、このような場合に案件離脱ができないルールが設けられています。
せっかく自分の意思で案件選択ができても、その後の決定権がエンジニアになければ自由度は低いといえます。
面談後だけではなく、参画後も自分の意思で継続や離脱が可能かを確認しましょう。
ちなみに、ESESでは面談後だけではなく参画後でも離脱が可能です。
5.案件選択制度をどうやって実現しているか
SES企業が案件選択制度を導入するためには、一定の営業工数がかかります。
エンジニアの判断次第で営業工数が増減するため、企業側の利益という観点だけで考えれば案件選択制度を導入しないほうが低コストといえます。
つまり、案件選択制度を導入し、どこまでエンジニアに決定権をゆだねているかによって、その企業の「エンジニアファーストの度合い」を知ることができるでしょう。
また、企業の中には案件選択制度を導入していても、営業工数がかかる分、フォロー体制が手薄になってしまっているケースもあります。
エンジニアへのフォロー体制もしっかり行った上で案件選択制度を導入しているのかもチェックしておきたいポイントです。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
納得できる案件に参画するためにも、納得できる企業選びを
自分が納得できる案件に出会えるかどうかは、所属するSES企業を決める段階で決まってしまうといっても過言ではありません。
例えばエンジニアが希望する案件を新規開拓してくれるような営業力のある企業であれば、将来的にも自分のキャリアプランに沿った働き方がしやすいことが予想されます。
SES企業を選ぶ際に「このような案件があれば入社したい」と打診してみるのもひとつの手です。
受け身の姿勢ではなく、事前に希望を伝えたり、気になる点があればあらかじめ企業に確認を取ってみましょう。
この記事のまとめ
エンジニアにとっては自由な働き方への実現へとつながりやすい案件選択制度。
しかし、その自由度は企業によって異なるため、企業選びには注意が必要です。
まずはどこまで自分が決定権を持ちたいかを考えた上で、今回ご紹介したポイントを踏まえながら企業を比較・検討してみましょう。
ESESは、エンジニアの皆さんが理想のキャリアに近づけるために、エンジニアファーストの姿勢を大切にしています。
SESエンジニアに対してはネガティブな意見もありますが、私たちは案件選択制度をはじめ、SESエンジニアの課題解決に向けた手厚いサポートを目指しています。
自分らしくSESエンジニアとして働きたい方は、ぜひ私たちESESにお声掛けください。
募集要項はこちらからご確認いただけます。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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自分の中での「希望条件」と「優先順位」を明確に
案件の選択権はエンジニアにあるため、エンジニア自身が納得できる案件でなければ契約には至りません。
複数の案件の中から選択できることはエンジニアにとっては喜ばしいことといえるでしょう。
しかし、エンジニア側の条件が絞られていない場合、複数の案件を並行して検討しなければならず、案件の選択に苦労する可能性があります。
希望条件がはっきりしていない状態で案件を選択してしまうことで、参画後に「別の案件にしておけばよかった……」と後悔するケースもあるのです。
そのため、案件選択制度があるSESで働く場合は、あらかじめ上のような希望条件について考え、優先順位を明確にしておくことが大切です。