AIエンジニアは資格取得するべき?おすすめ12選と勉強方法を紹介

目次
- 1 AIエンジニアが資格を取得するべき理由
- 2 AIエンジニアにおすすめの資格12選
- 2.1 1.G検定
- 2.2 2.E資格
- 2.3 3.AWS Certified Machine Learning – Specialty
- 2.4 4.Professional Data Engineer
- 2.5 5.AI実装検定
- 2.6 6.統計検定
- 2.7 7.Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals
- 2.8 8.Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
- 2.9 9.データサイエンティスト検定™(DS検定)リテラシーレベル
- 2.10 10.Python3エンジニア認定試験
- 2.11 11.画像処理エンジニア検定
- 2.12 12.認定AI・IoTコンサルタント
- 3 AIエンジニアが資格を取得するための5つの勉強方法
- 4 まとめ
昨今では、AI技術の発展に伴い、AIエンジニアの需要が以前にも増して高まっている状況です。
AIエンジニア間の競争も激しくなりつつある状況においては、様々な理由から資格取得をすることをおすすめします。
そこで本記事では、AIエンジニアにおすすめの資格と勉強方法をご紹介します。
あなたの市場価値を高め、より活躍できるAIエンジニアを目指しましょう。
AIエンジニアが資格を取得するべき理由
AIを活用する場はどんどん拡大していますが、それに比例するようにAIエンジニアが増加していることも事実です。
AIエンジニアとして必ずしも資格を取得しなければいけないわけではありません。
しかし、AIエンジニアとして長く活躍するためには、次のような理由から資格を取得するべきといえます。
- 効率的にスキルを習得できる
- スキルの高さを証明できる
- 市場価値が高まる
- キャリアの選択肢が広がる
- 年収アップ・キャリアアップにつながる
それぞれ詳しく解説します。
効率的にスキルを習得できる
AIエンジニアとして働く上で必要なスキルは幅広く、何から手を付けるべきか迷いがちです。
資格試験であれば学習範囲が明確に設定されているため、それに沿って勉強を進めることで効率よくスキルを身に付けることが可能です。
資格取得を目標としていれば日々の学習のモチベーション維持にもつながるでしょう。
スキルの高さを証明できる
AIエンジニアは専門的な知識やスキルが求められますが、企業側は面接や書類だけでは実力を判断しにくい場合もあります。
資格を持っていれば、客観的な指標としてスキルの高さを示すことが可能です。
特に専門的な資格は業界内で高く評価されており、取得しておくと就職・転職活動でアピールもできます。
市場価値が高まる
AIエンジニアは多くの企業で必要とされていますが、競争が激しい分野でもあります。
資格を取得することでスキルの高さを証明できるため「〇〇のスキルを持っている」と提示することができれば、信頼度が上がり市場価値を高めることにつながるでしょう。
実践的なスキルを習得できる資格もあるため、即戦力として期待されるはずです。
キャリアの選択肢が広がる
AIは技術の進歩が速く、近年では非常に多岐に渡る業界で活用されるようにもなっています。
資格をもつことで即戦力としての評価が高まり、より多くのキャリアアップの機会が得られるといえるでしょう。
資格を取得すると、異業種や海外市場においても通用し、フリーランスなども選択肢として考えられるようになるため、自身が納得できるキャリアを築けます。
年収アップ・キャリアアップにつながる
企業の中には資格保有者を高く評価したり、昇給の条件とするなど、より高い給与になりやすいところも少なくありません。
また、高い給与レンジの求人は資格保有者限定の募集の場合もあるなど、年収アップにつながる可能性が高い点も特徴です。
AIエンジニアとして、より年収アップやキャリアアップを目指したいのであれば、資格の取得は必須であると言っても過言ではないでしょう。
AIエンジニアにおすすめの資格12選

ここからは、具体的にAIエンジニアにおすすめの12の資格をご紹介します。
様々な資格があるため、ご自身が目指すキャリアに必要なものに挑戦してみましょう。
また、難易度が比較的低いものから挑戦していくという方法もモチベーションを維持しやすいです。
1.G検定
G検定(ジェネラリスト検定)は、AI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験です。
JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が実施しています。
AIやディープラーニングに関わる全ての人を対象としており、試験ではAIの基本概念や歴史、ビジネスにおける活用方法など幅広い分野が問われます。
AIに関する様々な技術的な手法をはじめ、ビジネスにどう活用するかといった知識を持っていることを証明できる資格といえるでしょう。
なお、G検定の合格率は平均で約60~70%といわれています。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定とは」
2.E資格
E資格はG検定と同じく、JDLAが実施している試験です。
G検定よりも高度な内容で、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法で実装する能力を持っているかどうかが判定されます。
適切な手法を選択して実装する能力を育てるために、JDLAが定めている認定プログラムの受講を終了することで、E資格の受験が可能になります。
E資格の合格率は約60〜70%です。
前述のプログラムの受講が必要であり、さらに120分間の試験時間に対して問題が100問と多いため、しっかりとした対策が必要となるでしょう。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会「E資格とは」
3.AWS Certified Machine Learning – Specialty
AWS Certified Machine Learning-Specialtyは、Amazonが提供しているAWSに関する資格です。
AWSにおける機械学習(ML)モデルの構築やチューニング、デプロイなどの専門知識を持っていることを認定するものです。
基本的にAWSクラウドでの機械学習(ML)/深層学習ワークロードの開発、アーキテクチャ設計、実装において年以上の実戦経験を持つ人を対象としています。
実務経験が最低2年程度は必要と考えておくとよいでしょう。
参考:AWS「AWS Certified Machine Learning – Specialty」
4.Professional Data Engineer
Professional Data Engineer は、Google認定資格の1つです。
Google Cloud Platform 上において、データ処理システムを設計したり、構築や運用、保護、モニタリングするための専門知識を問う認定試験です。
具体的には、次のような内容です。
- データ処理システムの設計
- データ取り込み・処理・保存
- 分析用データの準備・使用
- データワークロードの管理や自動化
AIエンジニアをはじめ、データサイエンティスト、データアナリストなど、データ収集加工、分析などを行う人が対象となっています。
なお、合格率は非公開となっています。
参考:Google Cloud「Professional Data Engineer」
5.AI実装検定
AI実装検定は、AI実装検定実行委員会(AIEO)が主催しており、G検定、E検定の実装レベルとして位置づけられています。
試験の種類は、レベルの高い順からS級、A級、B級の3つに分けられています。
S級では、AIの実装力に加えて、画像処理を中心とした実践力や、自然言語処理や有名モデルといった応用的な実装に関する能力を認定します。
A級では、ディープラーニングの実装に関して、数学やプログラミングの基本的な知識が求められます。
さらに、ディープラーニングの理論的な書籍を読み始めることが可能で、独学の準備ができる力を認定するものです。
B級については、AIについて興味はあるものの、全く知識がないという入門者が挑戦できる試験のため、まずはB級から挑戦しましょう。
参考:AI実装検定実行委員会(AIEO)「AI実装検定」
6.統計検定
統計検定は「一般財団法人 統計質保証推進協会」が実施し「一般社団法人 日本統計学会」が認定している検定試験です。
その名の通り、統計に関する知識を中心に、データの活用力を評価する全国統一試験です。
中高数学レベルとされる4級と3級、大学数学レベルとされる2級と準1級、大学数学レベルの中でも特に高い専門性が問われる1級があります。
なお、1級には統計数理・統計応用があり、両試験合格で1級取得となります。
統計検定はレベルが細かく分かれている点が大きなメリットといえるので、自分に沿ったレベルから挑戦してみましょう。
参考:一般財団法人統計質保証推進協会「統計検定」
7.Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals
「AI-900」は、正式名称を「Microsoft Azure AI Fundamentals」といい、Microsoft認定試験の1つです。
この試験では、人工知能や機械学習に関する基礎知識、さらにAzureにおける実装についての問題が出題されます。
認定を受けることでAIソリューションを作成するためMicrosoftAzureのソフトウェアやサービスの開発に関連する基本的な知識の証明となるでしょう。
なお、前提条件はないものの「クラウドの基本的な概念」と「クライアント-サーバー アプリケーション」の知識を持っていることが推奨されています。
参考:Microsoft「Microsoft 認定: Azure AI の基礎」
8.Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
「Microsoft Certified:Azure Al Fundamentals」と同じくMicrosoft認定試験の1つです。
Azure AIサービス、Azure AI Search、Azure OpenAIを活用したAIを組み込んでアプリケーションを構築したいソフトウェア開発者が対象となっています。
RESTベースのAPIを使用してAzure上でコンピュータービジョン、言語分析、知識マイニング、生成AIソリューションを構築する知識などを証明できます。
難易度がやや高めなので、G検定の合格者が次のステップとして受験することが多いようです。
参考:Microsoft Learn「Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution」
9.データサイエンティスト検定™(DS検定)リテラシーレベル
DS検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が行っている試験です。
「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つの能力を兼ね備えていることが求められています。
また、スキルレベルが「アシスタント」「アソシエート」「フル」「シニア」の4ステップに設定されています。
リテラシーレベルにおいては「アシスタント データサイエンティスト」のスキルレベルが証明されれるため、データサイエンスの初学者におすすめです。
G検定と比較されることが多いですが、G検定よりもビジネス要素が強い特徴があります。
参考:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」
10.Python3エンジニア認定試験
PythonはAIエンジニアが取得するプログラミング言語の中でも最も人気の高い言語の一つです。
Python3エンジニア認定試験は「一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会」が主催する、汎用プログラミング言語「Python」の専門知識を評価する試験です。
Pythonを使用できるという証明にもなります。
この試験では、Pythonプログラミングやデータ分析の学習の理解度チェックへの活用が推進されています。
基礎試験、実践試験などに分かれているため、自分のキャリアプランやスキルレベルに合わせて順番に受験するのをおすすめします。
なお、受験資格は特に定められておらず、合格率は約80%程度とされているようです。
参考:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会「PythonED」
11.画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定は、画像情報教育振興協会が実施している、画像処理分野の開発や設計に必要な知識の習得を評価する民間資格です。
ソフトウェアや関連するハードウェア、システムの開発ができる能力が求められる工業分野、医用、交通流計測、画像映像系製品など、様々な領域で役立つスキルといえるでしょう。
試験は「ベーシック」と「エキスパート」の2種類があり、それぞれAI技術においても活用される画像処理を用いる開発や設計スキルを評価します。
受験資格に制限はなく、合格率は「ベーシック」が約70%、「エキスパート」が約30%程度と言われています。
参考:画像情報教育振興協会「画像処理エンジニア検定」
12.認定AI・IoTコンサルタント
認定AI・IoTコンサルタントは、一般社団法人AI・IoT普及推進協会が実施している資格試験です。
また、内閣府が推進するSociety5.0や、経済産業省のConnected Industriesを実践するための日本初のAI×IoTに特化した支援者側コンサルタント資格でもあります。
取得すればDXConsultantProsess(DXCP)を使いこなし、企業のDX化を行う人材として多岐に渡る業界・企業で活躍が可能です。
「ジュニアコンサルタント」「シニアコンサルタント」「マスターコンサルタント」でレベルが分かれています。
自身のスキルレベルやキャリアに合わせて受験しましょう。
参考:一般社団法人AI・IoT普及推進協会「AIC資格関連情報」
AIエンジニアが資格を取得するための5つの勉強方法
ここまで、AIエンジニアにおすすめの資格をご紹介してきましたが、ここからは資格を取得するためのおすすめの勉強方法を解説します。
自分に合った方法を組み合わせて学習してください。
1.書籍・参考書を活用する
まず定番の勉強方法が、書籍や参考書を活用する方法です。
資格ごとに公式のテキストや推奨図書が出されていることもあるため、試験内容に合わせて効果的に学習することも可能です。
また、書籍や参考書は体系的に整理するのにも役立ちます。
テキストによっては図解の量や読みやすさが異なるため、自分が使いやすいものを選びましょう。
また、一度に何冊も購入するのではなく、まずは1冊購入してみて、必要であれば別のテキストを購入する方法がおすすめです。
2.オンライン教材を利用する
近年では無料・有料ともに、インターネット上に様々なオンライン教材が公開されています。
参考書と同じく、資格試験に対応した教材やコースを選ぶことで、効率的に学習できるでしょう。
多くのオンライン教材は自分のペースで進められるため、忙しい中でも学習を継続しやすい点が大きなメリットです。
また、動画教材は視覚的に分かりやすいため、知識が少なくても理解しやすいといえます。
3.講座やスクールに参加する
書籍や参考書、オンライン教材を使って独学で学習をすると分からないことがあった時に解決しにくく、挫折につながりかねないというリスクがあります。
講座やスクールでは、経験豊富な講師が直接指導してくれるため、挫折しにくく、確実に知識を身に付けられるというメリットがあります。
同じ目標を持っている仲間と交流ができる場合もあり、モチベーションを維持しやすい点も特徴の1つです。
4.過去問を解く
資格取得の勉強において、過去問は合格への近道となります。
実際の試験で出題される問題の形式や傾向を把握したり、自分の理解度や弱点の把握にもつながります。
時間を測って行えば、本番の時間配分や集中力を試す機会にもなるため、基礎的な部分が学べたら、積極的に過去問を解くようにしましょう。
5.実際に手を動かす
実際に手を動かしてコードを書いたり、AIモデルを構築するというのも効果的な学習方法の1つです。
理論を理解するだけでなく、実際に手を動かすことで、スキルが定着しやすく、応用力が鍛えられます。
学習の時点で実践的なスキルが身に付いていれば、それをスムーズに業務に活かすこともできます。
頭の中ではよく理解できないことでも、実際に手を動かしてみることで意外と簡単に理解できるといったこともあるでしょう。
監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
AIエンジニアに向いている人はどんな人?
AIについて勉強していると、何かつまずいたときに「自分はAIエンジニアに向いているのだろうか」と不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで、ここではAIエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
まず挙げられるのは、学習意欲が高い人です。
AIエンジニアには常に最先端の技術を学び続けることが求められるため、学ぶ姿勢を欠かさず持ち続けることが大切です。
新しい情報を素早くキャッチできる人はAIエンジニアに向いているといえます。
また、AIエンジニアとして活躍するためには、アルゴリズムを理解しておくことや、モデルを設計する上で数学的な知識も必須です。
緻密な作業を好み、集中力があり、さらに慎重なタイプの人の人はAIエンジニアに向いています。
まとめ
AIエンジニアは、資格を取得することで様々なメリットがあります。
今回ご紹介したものをはじめ、AIエンジニアにおすすめできる資格は数多くあるため、自分のキャリアや身に付けたいスキルに合わせて選んでください。
挑戦する資格が決まったら、紹介した5つの方法から自分に合ったものを組み合わせて学習を始めましょう。
「忙しくて勉強ができない」「仕事をしながら学習を続けられるか不安」という方は、SES企業への就職するのも選択肢の1つです。
SESとは、システム開発などの一連の業務に関する契約形態の一つで、SES企業が常駐先であるクライアント企業にエンジニアを派遣する仕組みのことです。
弊社ESESもSES企業の1つです。
弊社ではAIエンジニア向けの案件も扱っており、無理な案件参画もないため、資格試験の学習もしながらスキルを磨いていくことが可能です。
資格取得はゴールではなく、AIエンジニアとして活躍し続けるための第一歩です。
目標達成に向けてぜひチャレンジしてみてください。
弊社については以下のぺージにて詳細をご紹介しています。
ご興味をお持ちの方はぜひご一読ください。

監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
プロフィールを見る
AIエンジニアの将来性は?
AIへの需要の高まりとともに「AIエンジニア」を名乗る人も増えはじめ、「将来的に飽和状態にならないのだろうか」と不安を覚えている方もいるかもしれません。
しかし、現在でいうと、国内AIシステム市場は右肩上がりであり、停滞する予兆も見られません。
なぜなら、市場規模拡大の背景には、DX化の拡大やAIを当然のように利用するという背景があるためです。
特に近年急激に需要が拡大している分野は「生成AI市場」です。
AIシステムの稼働に必要なインフラに加え、AI広告やAIモデルなどを利用したサービスの需要の拡大が予想されます。
また、政府においても人材不足を補ったり、産業競争力の強化を目的としたAI戦略を重視しています。
つまり、現段階において費用に需要が高く最先端の技術を扱うAIエンジニアの将来性がないとは言い難いでしょう。