システムエンジニアの給料は安い?給料が安いといわれる理由と年収アップのためにできることを解説
目次
システムエンジニアの給料は、業務内容や所属する企業によって異なりますが「安い」といわれることもあります。
本記事では、システムエンジニアの給料が安いとされる理由について、詳しく解説します。
また、年収を上げるためにエンジニア自身が取り組むべきことも提案しますので、システムエンジニアとしてのキャリアを充実させたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を通して自分の市場価値を高め、より良い待遇を目指しましょう。
この記事の監修者
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
株式会社ESES 代表取締役社長
1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。
システムエンジニアの給料はどれくらい?
システムエンジニアの給料は、担当する案件や持っているスキル、所属する企業など、条件によって異なります。
例えば、以下のような年収差があります。
- システムエンジニア(業務用システム):約550万円
- システムエンジニア(Webサイト開発):約550万円
- システムエンジニア(基盤システム):約680万円
- システムエンジニア(組込み・IoT):約550万円
このように、同じシステムエンジニアという職種でも、担当するシステムの種類や業界によって給料が異なります。
特に、基盤システムを担当するエンジニアは、他の分野に比べて高めの年収を得られる傾向があります。
自分のスキルや経験を活かし、より高い収入を目指すためには、どの分野に進むべきかを慎重に考えることが重要です。
参考:職業情報提供サイト「システムエンジニア(業務用システム)」「システムエンジニア(Webサイト開発)」「システムエンジニア(基盤システム)」「システムエンジニア(組込み・IoT)」
システムエンジニアの給料が安いといわれる理由
先ほど解説した通り、条件によってシステムエンジニアの給料は違いますが「安い」といわれるのには以下のような理由があります。
- 労働時間が長い
- 多重下請構造になっている
- 企業によっては還元率が低い
- スキルが身につかない案件もある
これらの理由を理解することで、適切な職場選びや給与の交渉を行うことができるため、自身の市場価値に見合った報酬を得られます。
労働時間が長い
システムエンジニアの労働時間は長い傾向にあります。
納期に間に合わせるためや、緊急のトラブル対応が必要な場合、残業や休日出勤が発生することも少なくありません。
また、IT業界全体で人手不足が続いているため、1人あたりの負担が大きくなりがちです。
その結果「割に合わない」と感じるエンジニアが多くなっています。
このような労働環境が、システムエンジニアの給料が安いといわれる一因となっているのです。
多重下請構造になっている
IT業界では、元請け企業がプロジェクトを受注し、その後、下請け企業に依頼するのが一般的です。
下請け企業から3次請け、4次請けへと仕事が流れていくことも珍しくありません。
この多重下請構造により、下請けになるほどマージンが取られ、システムエンジニアの給料が低くなる傾向にあります。
元請け企業がプロジェクトの大部分の利益を保持し、下請け企業は限られた予算内で作業を行わなければならず、エンジニアの労働に対する報酬が相対的に減少してしまうのです。
企業によっては還元率が低い
還元率とは「エンジニア1人当たりの単価に対して、どれほどの比率でエンジニア本人へ還元されるか」を表したものです。
企業によって、経営のためにどれくらい利益を残すかが異なり、必要以上に還元率を低く設定している場合、エンジニアの給料が安くなってしまいます。
しかし、還元率が高ければそれだけで良いというわけではありません。
自社の利益が極端に少ない場合は安定した経営ができない可能性もあるため、会社を選ぶ際は、企業の成長や経営状況も視野に入れて考える必要があります。
エンジニアが適切な報酬を受け取りながら、企業も持続的に運営できるバランスが重要なのです。
スキルが身につかない案件もある
「スキルが身に付かない」のは、特に下請けの案件が多い企業によく見られる問題です。
経験が少ないエンジニアは、単純作業やルーチンワークを伴う案件を担当することが多くなります。
そのような案件ばかりを繰り返していると、長年働いても新しいスキルや知識を得る機会が限られ、スキルアップができません。
その結果、キャリアの進展が停滞し、給料も上がらないままになる可能性があるのです。
システムエンジニアとして成長するためには、自ら多様な案件に挑戦することが重要といえます。
給料の安いシステムエンジニアが年収を上げるためにできること
給料を上げるためには、エンジニア自身が主体性を持って仕事に取り組むことが大切です。
システムエンジニアが年収アップを目指すための方法には、以下のようなものが挙げられます。
- キャリアパスを明確にする
- 自分のスキル・経験を棚卸する
- スキルを磨く
- 最新の知識や技術を学ぶ
- 上流工程の案件を担当する
- 待遇の良い企業に転職する
スキルを磨き、経験を積み、キャリアパスを明確にすることで、自身の市場価値を高めることができるでしょう。
キャリアパスを明確にする
給料を上げるためには、将来的にどのようなキャリアに進みたいのかを明確にする必要があります。
目指すところがなければ、自分がどう進めばいいのか分からなくなってしまうでしょう。
具体的な目標を持つことで、必要なスキルや経験が明確になり、それに向けた計画を立てやすくなります。
長期的には、数年後にどのポジションに就きたいのか、何のスキルを得たいのかを考え、短期的には、そのために何を学ぶべきか、どのプロジェクトに参加すべきかを考えます。
このように、長期的・短期的なスパンでキャリアを計画することが、年収アップの第一歩です。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
システムエンジニアのキャリアパスには何がある?
システムエンジニアのキャリアパスは多岐に渡り、具体的には、以下のような道が挙げられます。
・技術スペシャリスト
・プロジェクトマネージャー
・マネジメント職
・アーキテクト
・コンサルタント
技術スペシャリストは、特定の技術や分野に特化した、深い専門知識を持つエキスパートです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画・進行管理を担い、マネジメント職では、チームや部署の管理、戦略策定に携わります。
また、システム全体の設計を担当するアーキテクトとして技術的なビジョンを提供したり、コンサルタントとしてクライアントに適切なアドバイスを行うポジションもあります。
このように、システムエンジニアには幅広いキャリアパスがあるため、個々のスキルや興味、得意分野に応じて選択しましょう。
自分のスキル・経験を棚卸する
自分のスキルや経験を棚卸することは、キャリアアップのために非常に重要です。
現在持っているスキルや経験をリストアップし、それを自身のキャリアパスと照らし合わせて考えてみましょう。
どのようなスキルや経験があり、何が足りていないのかを明確にすることで、自分がやるべきことが具体的になり、効率的にキャリアを進めることができます。
スキルや経験の棚卸は、自己評価を高め、効果的なキャリア戦略を立てるための基礎となります。
スキルを磨く
自分がすでに持っているスキルも含めて、継続的にスキルを磨くことが重要です。
スキルアップをすることが、年収を上げる最も重要なポイントといえます。
企業が高単価の案件を持っていても、エンジニア自身のスキルが不足していたら、その案件を担当することはできません。
そのため、幅広い分野の知識や技術を学び続けることが求められます。
また、資格を取得することで、自分の市場価値を高めることができるでしょう。
スキルを磨く努力を怠らないことで、より高い給料を得るための道が拓けるのです。
最新の知識や技術を学ぶ
IT業界は、流行の移り変わりや新しい技術の誕生が非常に早いため、常に最先端の技術やトレンドに精通していることが求められます。
最新の知識や技術を持っていると、市場価値の高いエンジニアとして認識され、高単価な案件にも挑戦しやすくなります。
例えば、新しいプログラミング言語やフレームワーク、クラウドコンピューティング、AI、データサイエンスなどの分野で、最新のスキルを習得することが重要です。
定期的にセミナーや勉強会に参加したり、研修を受講したりすることで、常に最新の知識を身に付け、業界の動向に対応できるエンジニアとして成長することができます。
上流工程の案件を担当する
スキルアップを継続することで、上流工程の案件に携われる可能性も高まります。
上流工程の案件は、要件定義や設計といったプロジェクトの初期段階を担当するため、高いスキルと広範な知識が求められます。
その分、単価も高く設定されることが多く、収入アップに直結するのです。
上流工程の経験を積むことで、プロジェクト全体を見渡すスキルが身に付き、キャリアの幅を広げることも可能です。
より重要な役割を担うことができるようになるため、さらなる収入アップを目指せるでしょう。
待遇の良い企業に転職する
自分でできるスキルアップや努力をしても、今の職場では給料が上がらない場合、転職を考えるのも1つの方法です。
ただし、転職を成功させるためには、自分の希望条件を明確にし、働きやすい企業を見極めることが重要です。
待遇や給与だけでなく、企業文化や成長機会も考慮しましょう。
よく考えずに転職してしまうと、期待していた収入アップどころか、逆に給料が下がってしまう恐れもあります。
慎重に情報を収集して自分に合った企業を選ぶことが、転職の成功、さらには収入アップを実現させる鍵となります。
まとめ
システムエンジニアの給料は業務内容、持っているスキル、所属している企業など、様々な条件によって異なります。
しかし、多くの人が「給料が安い」と感じているのが現状です。
給料が安いといわれる理由はいくつかありますが、エンジニア自身の努力で収入を上げていくことは十分に可能です。
弊社ESES(イーエス)はSES企業の1つとして、エンジニアが納得感を持って働けるように様々な取り組みを行っています。
具体的には、還元率を高く設定し(現在は77%)、受注単価を公開するなど、給与の透明性を重視しています。
「給料が安いから不満」「働きに見合った給料がほしい」と感じている方は、ぜひESESを就職先の1つとしてご検討いただけると幸いです。
システムエンジニアとしてのキャリアを充実させ、より良い待遇を目指して一緒に働きましょう。
監修者コメント
白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO
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システムエンジニアの給料が安いといわれるもう1つの理由
システムエンジニアの給料が安いといわれるもう1つの理由に、教育や研修の不足が挙げられます。
多くの企業では、エンジニアに対する継続的な教育や研修プログラムが十分に整備されていません。
そのため、新しい技術やスキルを身に付ける機会が限られているのが現状です。
この結果、エンジニアが市場の動向に対応できず、専門性の向上が困難になっています。
スキルの停滞は、より高い単価の案件を担当する機会の減少に繋がり、給与の上昇を妨げる要因となります。
システムエンジニアが給料を上げるためには、企業が成長を支援する環境を整え、技術研修やスキルアップの機会を提供することが重要といえます。