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システム運用保守とは?仕事内容や必要な知識・スキルについても解説

システム運用保守とは?

システム運用保守には、ビジネスに必要なシステムやインフラの稼働を問題なく続け、トラブルや障害があった場合は被害を最小限に抑え復旧するという役割があります。

中には24時間365日稼働し続ける必要があるシステムもあるため、システムの機能を発揮させ、業務をスムーズに進めるためには欠かせない仕事です。

そこで今回は、システム運用保守の具体的な仕事内容や必要なスキルなどを解説します。

システム運用保守にはエンジニアの経験年数に関わらず担当できる案件も多く、基礎的な業務もあります。

他に目指すキャリアがあるという人も、まずはシステム運用保守のスキルを習得することも考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

株式会社ESES 代表取締役社長

1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。

システム運用保守とは?

システムの運用保守は、主に次の2つの役割があります。

  1. システムの稼働を続けるためのメンテナンスを行う「運用」
  2. システムのトラブルを取り除き復旧する「保守」

いずれも、導入したシステムが機能を発揮し、スムーズに活用するために欠かせない業務です。

中には24時間365日停止してはならないシステムもあり「運用保守エンジニア」という運用保守を専門とするエンジニアに依頼をする場合もあります。

また、運用と保守は作業内容は異なるものの、中小企業や小規模のシステムの場合は「運用保守」として業務を兼任することもあります。

システム運用保守の仕事内容

システム運用保守の仕事内容とは?

システム運用保守は、導入したシステムをスムーズに使用し続けるために、様々な業務を担当します。

ここからは、システム運用保守が担当するそれぞれの業務について詳しく解説します。

データのバックアップ

トラブル発生時にいち早くデータを復旧させるためにバックアップを行います。

バックアップの方法はマニュアルで定められており、スケジュールと範囲も決められているため、計画に沿って実施されることが一般的です。

バックアップしたデータはリスクを考慮し、分散して管理します。

また、バックアップをとるだけではなく、万が一に備えてリカバリーの手順を確立し、適用することも欠かせません。

そうすることで、トラブルを最小限に抑え、素早く通常業務に復帰できる体制が整います。

情報の管理

システム運用では、システムの安定稼働に関わる様々な情報を管理する必要もあります。

具体的には、IDやパスワードなどのセキュリティ情報や、ネットワーク情報、サーバーなどのIT資産に関わる情報などです。

これらの情報を日常的に管理しておくことで、不測の事態が起きたときにスムーズな対応ができます。

反対に、これらの情報を管理していない場合、原因究明に多くの時間を要してしまうでしょう。

ハードウェアのメンテナンス

業務をスムーズに進めるためには機器の管理も必要です。

ハードウェアが問題なく使える状態であるかチェックをし、不具合があったり故障している場合は部品の交換も行います。

このように、業務の幅が広いことから、一部は「第三者保守」という形で、専門知識のある外部の業者に委託する形をとることもあります。

すべて自社で行うと、専門的な知識を持つエンジニアの育成や採用が必要となりコストが発生しますが、第三者保守に依頼をすることでその分のコスト削減ができるのです。 

稼働状況の監視

システムとサーバーが正常に稼働しているかを監視することはシステム運用保守の日常業務です。

  • CPUやメモリ・ストレージのリソース
  • ネットワーク機器の稼働率
  • キャパシティの負荷状況
  • 障害の発生状況や件数

これらの小さな変化が大きなトラブルに発展することもあり得るため、正常に稼働しているかを常に確認することが必要です。

定期的・継続的に監視を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、システムを最適な状態で保つことができます。

トラブル時の復旧

システム運用保守の中で最も重要な作業ともいえるのがトラブル時の復旧です。

システムは24時間365日、常に正常に稼働している必要があり、システムにトラブルが起こると業務に支障が出る可能性があります。

そのため、何か問題や故障などが発覚した場合は、速やかに解決しなければいけません。

システムログを含む運用記録などをもとに障害が発生した日時や範囲などを特定し、その情報をもとに最も良い方法を選択・実施していきます。

時にはバックアップデータからデータを取り出して、一時的に復旧させるケースもあります。

その時々で適切な対応が求められるでしょう。

運用状況の改善

システムはマニュアルが作成されていることも多いものの、だからといって改善策を探さなくてもよいというわけではありません。

定期的に運用方法を見直したり、マニュアルをブラッシュアップすることもシステム運用の大切な業務です。

既存のマニュアルがある場合も、日々の気づきやクライアントからのヒアリングなどをもとに、改善点を見つけ、提案・修正することで業務をよりスムーズに行えます。

運用状況をよりよいものに改善していくことで、業務の効率化を図りながら想定外のシステムトラブルを防げるのです。

監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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システム運用保守の経験を積んだ後のキャリアパス

システム運用保守の仕事は幅広いため、キャリアパスの選択肢も次のように様々です。

・インフラエンジニア
・クラウドエンジニア
・システム開発・インフラ構築
・ITサービスマネージャー・ITコンサルタント

インフラエンジニアは、インフラ環境の設計構築をメインに行うエンジニアです。

システム運用保守の業務を経験しておけば、日々の業務の負荷に配慮した開発ができることでしょう。

クラウドエンジニアは、現在需要が高まっているエンジニアの一つで、今後のIT業界においても重宝される存在となるでしょう。

さらに、運用や保守を経験していれば、システム開発やインフラ構築などもおすすめです。

特にルーティンワークではない仕事を希望するのであれば、日々刺激を受けながら働くことができるでしょう。

さらに、運用・保守の専門家としてITサービスマネージャーやITサービスを企業活動に活かすためのサポートを行うITコンサルタントといったキャリアパスもあります。

システム運用保守をするために必要な知識・スキル

システム運用保守の業務はマニュアル化されているものも多いですが、日々の業務を円滑に行うためには幅広い知識やスキルが求められます。

ここからは、システム運用保守をするために必要な知識やスキルを紹介します。

システムに関する基礎知識

システムの運用保守をするにあたって、OSやミドルウェア、アプリケーション、ネットワークなどの基礎知識を持っておくことが必要です。

例えば、すでに稼働しているシステムの特徴を把握しておけば、システムに障害やトラブルが発生した際にも、迅速かつ適切に対応できます。

知識やスキルを身に付けるためには「Linux技術者認定試験」「シスコ技術者認定」「マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)」などの資格取得もおすすめです。

スクリプト言語

システム運用保守の効率化を図るために、スクリプト言語の知識を使うことがあります。

構文がシンプルで使いやすいものや汎用性の高いものなどもあり、複数の言語を習得しておくと様々な場面で活用できるでしょう。

具体的には、JavaやC言語、HTML/CSS、JavaScript、PHP、Rubyなどが挙げられます。

デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン

「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン」とは、セキュリティなどについて政府が定めた基準です。

システムの構築や運用に関しては、一定以上の基準を満たす必要があり、システム運用保守を行う際にはガイドラインを守らなければいけません。

ガイドラインの概要を把握しておけば、スムーズに業務を進めることができるでしょう。

参考:デジタル庁「デジタル社会推進標準ガイドライン

タスク管理能力

システム運用保守では、複数のタスクを同時にこなしていく必要があります。

さらに、突然のトラブルが起こる可能性もあり、その都度、柔軟な対応が求められます。

どのタイミングでどのタスクを行い、どう進めていくのか考えて実行していく力が必要です。

コミュニケーション能力

システムには様々な人が関係しており、それぞれコミュニケーションが必要です。

クライアントが求める対応をしたり、こちら側の意見を伝えたりするなど、信頼関係にもつながるため、コミュニケーション能力は欠かすことができません。

社外・社内の他部署ともに日頃から円滑にコミュニケーションがとれるようにしておくことで、トラブル発生時にも速やかに対応できるでしょう。

問題解決能力

日々の業務の中では、様々な問題やトラブルに対応することになります。

なぜ問題が起きたのか、どうすれば解決することができるのかを短時間で考え、対応することが大切です。

どのような状況でも落ち着いて適切に対処できる力が必要です。

監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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システム運用保守はきつい?

システム運用保守は「きつい」と言われることもあります。

そのように言われる理由としてまず挙げられるのは、場合によっては夜勤や休日出勤がある点です。

サーバーやネットワークは常に正常に稼働することが求められます。

そのため、システム運用保守は深夜や休日も監視する必要があります。

夜勤手当や休日手当が出るなどのメリットもありますが、生活リズムが狂いやすい人にとってはデメリットに感じることも少なくありません。

また、システム運用保守の仕事は、決まった作業を繰り返し行うことも多く、慣れてしまうと楽になり、さらには暇に感じることもあるでしょう。

暇に感じる場合は、その間に資格の勉強をするなど、スキルを磨く時間にすることもできるはずです。

したがって、イレギュラーなスケジュールにも柔軟に対応できる人であれば、時間を上手に利用して、スキルアップに励むことができるでしょう。

まとめ

システム運用保守の業務では、導入したシステムが本来の機能を発揮し、継続して活用できるように努めなければいけません。

そのためには、様々な業務を、日常的・継続的に対応していくことが大切です。

24時間365日問題なくシステムを稼働させることは、事業をスムーズに進めることにつながるため、システム運用保守は欠かせない業務です。

そのため、システム運用保守を専門とするエンジニアも存在します。

また、システム運用保守は経験が少ないエンジニアが担当できる案件も多く、知識やスキルが少ないエンジニアも経験を積みやすいです。

弊社ESESでもシステム運用保守の案件を扱っており、弊社ではエンジニア自身の希望に沿って、キャリアアップやスキルアップのサポートもしています。

そのため「経験を積んでスキルアップしたい」「目指しているキャリアがある」という人にはぴったりです。

以下の募集要項をご覧いただき、弊社で働くことも選択肢の1つとして考えていただけると幸いです。

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執筆・編集

ESESブログ 編集部

「正しい情報をわかりやすく」をモットーに、SESエンジニアとして働くなら知っておきたい“お役立ちコンテンツ”を発信しています。すべての記事は、SESのプロが徹底的に監修。SES企業だからこそわかるリアルな情報を日々発信中です。

ESESとは?

ESESという社名には、3つの願いが込められています。

1つ目は、ITエンジニアの7割を占める働き方
「SES(客先常駐)」を「良いSES(“E”SES)」にしたいという願い。

2つ目は
「従業員満足度(ES)」を高めることで、「エンジニア全体の満足度(ES)」も高めたいという願い。

そして3つ目は、
社員や顧客に対して常に「YES(前向きな返答)」と言える会社でありたいという願い。

ESESでは「自らとエンジニアがウズウズ働ける世の中をつくる。」
ミッションとし、常態化しているSESエンジニアの労働環境課題を解消していきます。