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オープン系システム開発とは?汎用系・Web系との違いも理解しよう

オープン系システム開発とは?システム開発の違いを理解しよう

オープン系システム開発とは、ソースコードや技術的な仕様などがすでに公開されているソフトウェアやハードウェアを組み合わせて行うシステム開発のことです。

オープン系システム開発は比較的安価に取り入れることができ、かつクライアントの要望に沿って柔軟に開発できることから、現在拡大の一途をたどっています。

本記事では、オープン系システム開発の特徴に加え、汎用系システム開発とWeb系システム開発の特徴についても解説します。

一口に開発職といっても種類によって特徴も異なります。

それぞれの特徴を理解しつつ、どのような開発に携わりたいのかを考えてみてください。

この記事の監修者

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

株式会社ESES 代表取締役社長

1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い”SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。

オープン系システム開発とは?

オープン系システム開発とは、技術的な仕様やソースコードが公開されているソフトウェアやハードウェアなどを使用したシステム開発手法の一つです。

例えば、WindowsPCやmacOSのような一般にも入手しやすいハードウェアなどがわかりやすいでしょう。

オープン系システム開発では、これらの仕様が公開されているOSやアプリケーション、パッケージなどのソフトウェアを組み合わせて開発を行います。

エンジニア自身が組み合わせを考えカスタマイズできるという点や、管理や維持のコストが安価であることから、一般的な企業でも多く導入されています。

オープン系システムの特徴

オープン系システムの特徴としては、大きく次の2点が挙げられます。

  • 比較的入手しやすいハードウェアやソフトウェアを組み合わせられる
  • 開発工数やコストを下げながら柔軟な開発ができる

LinuxやWindowsなどの開発基盤が構築されているOSを活用すれば、ゼロから開発するよりも高いスキルを必要とはせず、工数も減らせるため、扱いやすいといえます。

また、アップデートなどもしやすく、クライアントの目的や用途に応じて最適な組み合わせを考えながら柔軟に開発を進められる点がオープン系システムの大きな特徴です。

活用方法

オープン系システムは、販売管理や勤怠管理、顧客管理など、主に業務系アプリに使われる傾向があります。

また、公開されている仕様をもとにカスタマイズするため、各クライアント・店舗によって要望が違っても柔軟な対応が可能です。

また、既存のソフトウェアや周辺機器を利用することから、何もない状態から制作するよりもずっとリーズナブルに開発ができます。

今後の動向

オープン系システムは比較的スキルが高くない人でも扱いやすく、継続して活用しやすい傾向があります。

そのため、Web系開発と並んで主流となるシステム開発です。

  • 柔軟性がある
  • コストを削減できる
  • 入手しやすい

これらの理由も合わせると、今後もオープン系システムは業務システムの開発の主流として使われていくと考えられるでしょう。

また、オープン系システム開発はこれらの理由から、すでに様々な企業で導入されています。

様々な企業でオープン系システム開発が導入されているということは、それに伴い改修や保守監視運用といった仕事も発生します。

さらに、頻繁に新しいプログラミング言語も登場しており、開発の幅は広がっていくため、オープン系システム開発は今後も発展すると考えられるでしょう。

監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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オープン系システム開発の種類

オープン系システム開発は主に次の3つの種類に分けることができます。

・スタンドアローン型
・Web系システム開発
・クライアントサーバシステム

スタンドアローン型は独立したシステムで、基本的に他のシステムとの連携を目的としないため、データが孤立する可能性があります。

しかし、単一型のプログラムやアプリケーションがユーザーの端末上で動作するため、セキュリティ性に優れており、機密性が高い点がメリットです。

Web系システム開発の場合は、ユーザーがWebブラウザを通じてシステムにアクセスしますが、セキュリティリスクやパフォーマンスの制限に注意が必要です。

ただし、Web系システムはブラウザを通したアクセスができるため利便性が高くオンラインサービスやWebアプリケーションなどとの相性は非常に良いといえます。

クライアントサーバーシステムは、クライアントがユーザーの操作を担当し、サーバーはデータ処理を提供するという仕組みです。

分散処理に長けており、柔軟なシステム構築ができるため、Webサイトやオンラインゲームなどでその効果が発揮しやすい点がメリットです。

ただし、ネットワーク遅延やセキュリティリスクなどのデメリットについては考慮する必要があります。

いずれのオープン系開発システムにもメリットとデメリットがあることを覚えておきましょう。

汎用系システム開発とは?

汎用系システム開発とは、一般では入手しにくい「汎用機」と呼ばれる高性能な専用コンピューターをベースとしたシステム開発のことです。

オープン系の対義語として「クローズド」と呼ばれることもあります。

汎用系システム開発では、高いスキルを持った専門家がゼロからシステムを構築します。

汎用系システムは特定の用途に特化しているため、高度なセキュリティや高い処理能力が求められる環境に適しているといえるでしょう。

汎用系システムの特徴

汎用系システムの特徴としては、大きく次の3点が挙げられます。

  • 専用の大型機材が必要
  • 高速処理が必要なシステムを開発できる
  • 使用するプログラミング言語が少ない

汎用機は大型で、一般的に入手しにくく価格も高いです。

しかし、その分、専門的でより細かい要望に合わせて開発が可能です。

汎用系システムで使用される言語は、COBOLやJava、FORTANで、他の言語が使われるケースは少なくなっています。

活用方法

汎用系システムは「高速処理」「堅牢性」「機密性」といった特徴があるため、これらが重視される業界で活用されています。

例えば、流通業界のPOSシステムや、運輸業界の座席処理、金融機関や保険会社などです。

ただし、汎用機は高額になることや開発に高い専門性が必要とされるため、限られた業界・職種で使用されている傾向があります。

パソコンやスマートフォンが普及している現代においても、高速処理やセキュリティ面の高さから汎用系のシステムは多くの場所で使われています。

今後の動向

汎用系システムの専門性は高く、より自社に合わせたシステム開発が可能です。

しかし、導入・維持・管理に負担がかかることや、オープン系システムで比較的安価に開発ができるようになっているため、今後新たに導入する企業は多くはないといえます。

加えて、汎用機からオープン系システムへの全面的な移行には莫大なコストがかかります。

全面的な移行をするとシステムの信頼性や既存の資産であるノウハウが失われてしまうことから、汎用機を運用し続ける企業も多いのです。

そのため、今後はすでに導入されている汎用系システムの保守やメンテナンス、再構築などの業務が中心になると考えられます。

Web系システム開発とは?

Web系システム開発は、クライアントの使用しているPCやスマホなどを、インターネットに接続して利用する場合に行うWeb環境に構築するシステム開発のことです。

Web系システムは、ウェブブラウザを通じてアクセスをするため利便性が高く、オンラインサービスやオンラインショッピング、Webアプリケーションなどに向いています。

ただし、セキュリティ面でのリスクやパフォーマンスの制限には注意が必要です。

Web系システムの特徴

Web系システム開発の大きな特徴は次の2つです。

  • 一般的に入手できるデバイスやハードウェア、ソフトウェアを使用する
  • ゼロベースからの開発も可能だが、比較的安価

Web系システムではオープン系システムと似ている特徴をもっていますが、専門の機器を使用せず、クライアントのPCやスマホなどで利用できるシステムを開発します。

オープン系システムのようにすでに存在するソフトウェアやハードウェアを使用することもあれば、クライアントの要望に合わせてゼロから開発することもあります。

活用方法

Web系システムはECサイトやSNSなどのBtoCのWebアプリケーション・サービスやモバイルアプリの開発が中心です。

具体的には、商品の閲覧履歴機能や、メーカー名などから絞り込める商品検索機能、在庫確認、ポイント利用の可否といった多くの機能をもったECサイトなどが挙げられます。

Web系は、オープン系システムから派生しており、インターネット接続が必須かどうかがオープン系や汎用系との違いです。

特徴としてはオープン系システムと似ていますが、開発するシステムの方向性は異なるものです。

今後の動向

近年は、業務だけではなく、日常的にWebサイトやWebアプリケーションなどを使用する機会が増えています。

Webシステムのデータやプログラムはサーバ側に保持されています。

そのため、クライアントはWebブラウザが搭載されているタブレットやスマートフォンなどの機器をインターネットに接続することで、同じ環境がいつでも利用できるのです。

また、導入後のメンテナンスも比較的容易であるため、コストや時間の削減も期待できます。

比較的コストをかけずに要望通りのシステムを開発できることから、今後もWeb系システム開発の需要は高まるといえます。

オープン系・汎用系・Web系システム開発の比較まとめ

システム開発の比較まとめ オープン系 汎用系 Web系

ここまで、オープン系システム、汎用系システム、Web系システムのそれぞれについて解説してきましたが、それぞれの特徴をまとめると次のようになります。

オープン系汎用系Web系
活用方法業務システム業務システム
(堅牢性・高速性が求められる)
Webアプリケーション
Webサイト
開発コスト低め高い低い
開発期間長い長い短め

それぞれを簡単にまとめると、オープン系システムは「オープン」という名がついている通り、様々な環境でシステムを開発することができます。

また、汎用系システムの「汎用」とは、多様な用途で活用できるという意味合いです。

汎用機を使ってシステム構築や計算などに活用できます。

そして、Web系システムはその名の通り、Web上で使用するアプリケーションやシステムを構築するためのシステム開発を指します。

オープン系システム開発に必要なスキル

これまでの解説で、オープン系システム開発の特徴や他の代表的なシステム開発との違いがおわかりになったでしょうか。

開発物や使用する機器などが違えば、求められる知識や技術は異なります。

ここからは、オープン系システム開発のエンジニアとして活躍するために必要なスキルのうち、特に身に付けておきたいスキルをご紹介します。

プログラミングスキル 

オープン系システムでは「C#」「Java」「PHP」などを中心としたプログラミング言語を使用します。

ただし、使用するOSなどによっても言語は異なるため、複数の言語に精通していることが望ましいです。

OSはWindowsやLinux、UNIX2、ミドルウェアはOracleやMySQLなどであることが多いでしょう。

デバッグスキル

「デバッグ」とは、問題を解決し、プログラムが正常に動くようにすることです。

開発したシステムのテストを行うためには、デバッグスキルが求められます。

また、システムが仕様通りに作成されているか、バグは起きないかなど、細かい部分まで確認する必要があります。

オープンソースに関する知識

オープンソースは柔軟にカスタマイズでき、開発の自由度が高いといえます。

しかし、それを使いこなすためにはオープンソースの特徴や機能などを正しく理解しておくことが大切です。

クライアントの要望に合わせて、必要な機能を使いやすく構築することが求められます。

特に、自身が作成したコード以外のライブラリをオープンソースから転用する際には、オープンソースソフトウェアの機能や実装などをただしく理解しておく必要があります。

モジュールの知識

モジュールとはWebアプリケーションのことで、ひとまとまりの機能を持つ部品のことを指します。

クライアントの要望通りに開発するにはこのモジュールを1つずつ理解しておく必要があります。

オープン系システムのエンジニアとして活躍するためには、どのモジュールを組み合わせれば要望通りのシステムができるのかを考えて構築していくことが大切です。

監修者コメント

白川 聖悟SHIRAKAWA SEIGO

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オープン系システムエンジニアにおすすめの資格

オープン系システムエンジニアとして活躍するためには、資格取得をしておくというのも一つの手です。

オープン系システムエンジニアになるためには特別な資格はありませんが、資格を持っておくと客観的なスキルを示すことができ、転職の際にも有利に働く可能性があります。

具体的には、次のような資格がおすすめです。

【PHP技術者認定試験】

オープン系の開発ではPHPが使われることが多いため、PHP技術者認定試験を持っておくと習熟度を示すことができます。

試験は次の3つに分かれており、順にグレードが高くなります。

・PHP5技術者認定初級試験
・PHP5技術者認定上級・準上級試験
・PHP5技術者認定ウィザード

【データベーススペシャリスト試験】

データベーススペシャリスト試験は、企業が保有する膨大なデータを管理し、データベースシステムを構築する技術の認定資格です。

開発や保守などにおいてデータベースを基軸とした業務を担当する人におすすめの資格です。

【Oracle Certified Java Programmer】

オープン系の開発で多く使われるのはJava言語ですが、この試験はそのJava言語の知識と技術を認定する「オラクル認定Javaプログラマ資格」にあたります。

試験は「Bronze」「Silver」「Gold」の3種類に分かれており、Silver以上は世界共通資格となっています。

このほかにもオープン系システムエンジニアの経験を積んでから受けられる「応用情報技術者試験」などもあり、スキルに合わせた資格を取得していくとよいでしょう。

まとめ

オープン系システム開発はすでに公開されているソフトウェアやハードウェアなどを組み合わせて行うシステム開発を指します。

そして、オープン系システム開発は、クライアントの要望に合わせて柔軟に組み合わせて開発を進めることが可能です。

加えて、比較的安価で入手しやすいものを活用するため、導入がしやすく、今後も広く利用されるでしょう。

弊社ESESではオープン系システム開発に携わる案件を扱っています。

エンジニア経験が1年ほどの人から10年以上のベテランの方まで、多くのエンジニアがオープン系システム開発の案件に参画しています。

スキルレベルやエンジニアの希望などに合わせて、開発工程をメインにしていたり要件定義に入っているなど、案件の種類は様々です。

ESESではエンジニア自身の希望に沿った案件を提案しながら、スキルアップできるようなサポートを行っているため、エンジニア経験が多くなくても安心です。

また、案件選択制度や単価評価制度など、様々な制度も導入しながらエンジニアの労働環境の改善にも取り組んでいます。

オープン系システム開発のお仕事に興味がある方は、弊社ESESも転職先の1つとして検討していただけると幸いです。

詳しい募集要項については以下からご覧いただけます。

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執筆・編集

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ESESとは?

ESESという社名には、3つの願いが込められています。

1つ目は、ITエンジニアの7割を占める働き方
「SES(客先常駐)」を「良いSES(“E”SES)」にしたいという願い。

2つ目は
「従業員満足度(ES)」を高めることで、「エンジニア全体の満足度(ES)」も高めたいという願い。

そして3つ目は、
社員や顧客に対して常に「YES(前向きな返答)」と言える会社でありたいという願い。

ESESでは「自らとエンジニアがウズウズ働ける世の中をつくる。」
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